【書評】ジェフィリー・アーチャー『１００万ドルを取り返せ』

ジェフリーアーチャーのデビュー作かつ世界的ベストセラーです。

百万ドルをとり返せ! (新潮文庫)

• 作者: ジェフリー アーチャー
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 1977/09/01
• メディア: 文庫

投資詐欺にあった４人が協力して、詐欺師をだまし返して金を奪い返すというストーリーです。
通常だとひとつの仕掛けで終わりですが、４人がそれぞれ仕掛けをするので４回＋最初の投資詐欺で５回のコンゲームが楽しめるお得な作りとなっています。
この作品がヒットした理由は、詐欺ゲームてんこ盛りのお得感もありますが、悪役となる詐欺師がとてもいいひとであるところではないかと思います。
自分の仕事には抜け目がありませんが、娘の結婚祝いにとゴッホの絵と信じて偽物を買ったり、競馬場で持ち馬が優勝して無邪気に喜び大学に気前よく寄付したり、偽手術を疑いもせず命が助かったと感謝したりと、どこか憎めません。
また、４人組もだまされた額だけ奪い取り、余得を得ようとしないすがすがしさも好感が持てます。

コンゲームの仕掛けとしては大がかりなものでなく、奇をてらったものでもありません。
しかしながら、この全体を流れる爽快感が、この作品を魅力的にさせる秘訣だと思います。
とても楽しめました。

コメント 2

「１００万ドルを取り返せ」大好きなので先生が高評価で嬉しいです！騙し騙されする話なのに、全体的に爽やかでオシャレなんですよね。次の先生のジェフリ＾・アーチャー書評は「ケインとアベル」かな、「大統領に知らせますか？」かな、と勝手に想像してワクワクしています。
by 関口元 (2013-09-27 08:01) 

＞関口元さん
おお、大当たり。次は「大統領に知らせますか」です。
よろしく～（笑）
by サイトー (2013-09-28 06:41)