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【書評】青柳碧人『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』 [書評]

赤ずきんを主人公とした奇想天外連作短編ミステリです。


赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。

  • 作者: 青柳碧人
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2020/08/19
  • メディア: Kindle版



収録されているのは4編です。それぞれ元となる童話があります。
ミステリのパターンを散らしく、それぞれ工夫を凝らしています。
『ガラスの靴の共犯者』はシンデレラ。
 細かい違和感が最後につながるエルキュールポアロ的な作品です。
 偶然がかなり重なる必要があり、かなり強引ではありますが。
『甘い密室の崩壊』はヘンデルとグレーテル。
 倒叙式で密室トリック。
 魔法がカギとなりますが、バカミスに近いかも。ちょっと笑ってしまいました。
『眠れる森の秘密たち』は眠れる森の美女
 これはパズル系統ですね。なかなかイメージが付かなくて大変でした。
『少女よ、野望のマッチを灯せ』はマッチ売りの少女です。
 マッチを擦ると夢が見られるのですが、これが麻薬のような効果を発揮して、マッチ売りの少女が大企業の社長になっています。
 囚われて牢獄に収監された赤ずきんが消えるのですが、このトリック?はさすがにないだろうと。

とまあ、奇抜な意欲作ではあるのですが、個人的にはすっきりしない感じです。
自分はミステリマニアではないので、そのあたりの感覚の差なのかもしれません。

奇抜な短編ミステリを体験したいひとのために!
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