【書評】田中圭一『百姓の江戸時代』 [書評]
江戸時代研究に新しい光を与えます。
江戸時代は士農工商の厳しい身分制度のもと、農民は重い年貢に苦しめられ、自給自足の生活に抑圧されてきたという一種の常識があります。
著者は、そのような歴史観は一方的に過ぎず、まったく異なる実態があるということを、村に残された古文書から解き明かしていきます。
百姓たちは最初から儲ける商品として農産物を生産しました。また、農業をしない百姓が出現し、彼らは商売で生業を立てました。
村人たちの権利意識が高まり、酷い奉行を罷免させようと直訴し、逆に素晴らしい奉行には残留運動を起こしたりしています。
村の古文書から見えてくる百姓の姿は、教科書が描くものとは大きく異なっています。
そこには土地に束縛された封権社会ではなく、近代に繋がる資本主義的エネルギーに溢れています。
教科書には載らない江戸時代を知りたいひとにお勧めです。
江戸時代は士農工商の厳しい身分制度のもと、農民は重い年貢に苦しめられ、自給自足の生活に抑圧されてきたという一種の常識があります。
著者は、そのような歴史観は一方的に過ぎず、まったく異なる実態があるということを、村に残された古文書から解き明かしていきます。
百姓たちは最初から儲ける商品として農産物を生産しました。また、農業をしない百姓が出現し、彼らは商売で生業を立てました。
村人たちの権利意識が高まり、酷い奉行を罷免させようと直訴し、逆に素晴らしい奉行には残留運動を起こしたりしています。
村の古文書から見えてくる百姓の姿は、教科書が描くものとは大きく異なっています。
そこには土地に束縛された封権社会ではなく、近代に繋がる資本主義的エネルギーに溢れています。
教科書には載らない江戸時代を知りたいひとにお勧めです。
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