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【書評】城山三郎『官僚たちの夏』 [書評]

高度成長期を突き進む60年代を駆け抜けた、ある通産官僚の物語です。


官僚たちの夏

官僚たちの夏

  • 作者: 城山 三郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1975/06
  • メディア: 単行本



ネットで調べれば分かりますが、本書には明確なモデルがいます。
主人公のモデルはミスター通産省と呼ばれた「佐橋滋」で、実力人気を兼ね備えながらも、典型的なモーレツ型官僚で、目上のひとにも正論を吐いたり、意に沿わぬひとを罵倒したりして敵を作っていきます。
事務次官寸前にまで上り詰めながらも、その時点ですでに詰みの状態であり、自らの理想の実現のために奔走した産業振興法は審議未了で廃案になります。
その後、事務次官になりますが、かつての勢いは取り戻せず、時代に取り残されたこともあり、最後は寂しく官僚の世界を去って行きます。
『官僚たちの夏』を魅力的にしているのは、特徴が尖ったキャラたちです。
時代を懐かしみながら読むのもありますし、登場人物たちの奮闘記として読むこともできると思います。

城山三郎らしい熱い登場人物たちが印象に残る作品だと思います。
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