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第54期王位戦第5局(羽生善治王位VS行方尚史八段) [将棋]

【王位戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/oui/

行方八段は長考派で知られています。
ここぞという局面でじっくりと考慮を重ねます。
加藤一二三九段も長考派で知られていますが、「これは悩んでいるだけ」と某棋士の書籍に書いてありました。
考えるだけ考えて、決断するのが、真の長考なのでしょう。
羽生王位は長考派と呼ばれることはありません。
けど、対局スタイルはやや古風で、定跡形である序盤からこまめに時間を使います。だから渡辺竜王との戦いでは、序盤で時間を消費してしまい、終盤で苦しくなることがときおりみられます。

棋士たちの考慮時間を見るのも、リアルタイムで対局を観戦するときの楽しみでもあります。


【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/54/oui201308270101.html

ということで、将棋です。
将棋は後手番の行方八段が一手損角換わりを選択しました。
タイトル戦では久しぶりの登場だと思います。
この戦形は攻めの銀の行き先がひろいところで、後手は腰掛銀、先手は棒銀を選択します。
そこから行方八段は腰掛銀でよく採用される6五歩と位を取って、6四の好位置に角をすえます。
角のにらみで飛車を圧迫し、先手の攻めを抑制する狙いです。
ですが、1日目終了の時点で、ツィッター解説では先手やや有利と出ました。
プロ的には後手の構想が難しいようです。
それから羽生王位の指し手がさえました。
1日目終了時点では互角だった消費時間が、どんどん差が開いていきます。
47手目に4七金と、守りの金を玉から離してでも角筋を止めたのが、こり形をほぐす先を見据えた構想でした。
そこから後手の角の威力を消すために投入していた2二角が金の効果で自由になり、3九へ引きます。
このままでは苦しくなると見た後手の行方八段が積極的にしかけますが、ゆっくりと、薄皮を重ねるようにして有利を積み重ねていきます。
しばらく受けに回っていた羽生王位が反撃に出たのは、85手目の8三歩から。
そこからはずか10手で行方八段を投了に追い込みました。

これで羽生王位が4勝1敗で王位を防衛し、獲得タイトル数を85期まで伸ばしました。
前半は負けが込んで不調を心配しましたが、タイトル防衛戦のシーズンになり星を延ばしてきたのはさすがとしかいいようがありません。

両雄はA級順位戦でもぶつかります。
これからもいい将棋を見せて欲しいと思います!
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