SSブログ

第60期王座戦第2局(渡辺王座(竜王)VS羽生王位(棋聖)) [将棋]

【王座戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ouza/

これはどこかのコラムかなにかで読んだのですが、将棋界に名を残すような大棋士でも、年齢を重ねると「タイトル防衛はなんとかできても、獲得するのが難しくなってくる」という説があるそうです。
もちろん獲得するには挑戦者決定戦を勝ち抜く厳しさもありますが、それ以外にもタイトル戦に向けての体調管理や事前準備など、舞台は同じでも対局場に向かうまでの過程の差が、将棋内容に影響するのかもしれません。
41歳になる羽生二冠は名人挑戦に失敗したものの、棋聖と王位は防衛しました。さて、挑戦中の王座戦はどうなるのでしょうか。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/60/ouza201209050101.html

ということで将棋です。
以外なことに、後手番の羽生王位が藤井九段の得意戦法である角交換四間飛車を採用します。
渡辺王座との対戦では、昨年の順位戦でゴキゲン中飛車を採用したことがあるので、羽生王位が飛車を振ることが皆無というわけではりませんが、珍しいです。
ところが、早々に4四歩をついたばかりに駒組みに制約が増え、途中からまったく駒を動かせなくなります。
羽生王位が手待ちを繰り返している間に、渡辺王座は悠々と穴熊に組み、万全の体制で攻撃に移ります。
この時点で、渡辺王座がかなり有利だったと思います。
防戦しながらも、羽生王位は端に手をかけます。これが後で効いて来ます。
主戦場がお互いの玉に近い端になりますが、戦力が足りないはずの羽生王位がいつのまにかに駒得を果たし、攻めが繋がってきます。
守るためにやむなく手放した角まで働いてきました。
どうも、渡辺王座には珍しく、端攻への受けを間違えたようです。
逆転してからの羽生王位は、守ることなく攻めて、力強く一手勝ちを目指します。
渡辺王座は最後まで鬼手をひねり出して羽生王位を追い詰めますが、時間を残していた羽生王位は正確に読みきり、首の皮一枚を残して逃れます。
最後は144手で渡辺王座が投了し、羽生王位はタイトル戦で久しぶりに渡辺王座から勝利をもぎ取りました。
これでお互いに先手番をブレークしての1勝1敗となり、改めの3番勝負となります。
第3局は羽生王位先手で9/19に開催します!

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 2

田磨香

凄い将棋でしたね。
一手一手棋譜を見ながら、何度も奇声を上げてしまいました。

穴熊に組ませないのがコンセプトのはずの角交換四間で、
何手損したかわからない上に穴熊に組まれて、それなのに勝つ……
将棋の奥深さの底知れなさを垣間見た気持ちです。
by 田磨香 (2012-09-07 23:05) 

サイトー

>田麿香さん
本当にすごい将棋でしたね。
手も足も出ない状態から、端をつついて、なんとなく手にしてしまう。
いやはや驚きです。

この2人には、これからも将棋の奥深さを見せてほしいですね!
by サイトー (2012-09-08 08:41) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0