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第2回感想大会第4弾・みこさん『迎えに来てくれた恋人』 [企画]

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   「第2回 掌編がみるみる上手くなる感想大会」

   ★第4弾作品の登場です★

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今日は第4弾作品の登場です。
感想の書き方や、大会の注意事項については以下の記事を参照してください。
URL→http://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2011-12-19 

(作品をUPする時間は日によってばらつきがでると思います。個人で開催していますので、その点だけご了承下さい。よろしくお願いします)

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『迎えに来てくれた恋人』 みこさん
 *第21回 ゆきのまち幻想文学賞 応募作

                                   
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 雪が激しく降っている。例年なら、寒いだけで雪が降り積もることはない。宮沢純は、東京のオフィス街の一角にある雑居ビルの一室の窓から、外の景色を眺めていた。
「よく降りますね」
 後輩の田村がカッターシャツの袖を折り返しながら、言った。今日は仕事納めで、掃除をすませたら解散ということになっている。
「よし、やるか。終わったら、一杯飲みに行こう」
「いいですねえ。では、さっさと片付けましょうか」
 二人は、窓ガラスを拭き始める。男子社員も女子社員と一緒に大掃除だ。純は、IT関連の企業に勤務している。若い社員ばかりで、宮沢純もまだ20代なのだが、ここでは中堅社員として重要なポジションを任されている。
 掃除を終えて、田村とビルの外に出た時、携帯電話にメールの着信があった。由紀子からだ。由紀子は高校時代からの恋人で、今は青森と東京で離れているが、結婚の約束をしている。
『これから手術をします。せっかくのお正月休みなのにデートできなくなっちゃった。ごめんね』
 悪い冗談だと思った。けれど、なんとなく、胸騒ぎがする。由紀子は決してこんないたずらはしない。昨晩、電話で話したが、由紀子に変わったところはなかったように思う。いや、純が一方的にしゃべっていたから、由紀子の様子に気が付かなかっただけなのかもしれない。純はいつも自分のことばかりひたすら話す。けれど、由紀子は純の話の腰を折らない。由紀子だから、純と長い年月を交際してくれているのだ。他の女の子とだったら、とっくに破局を迎えている。
 純は居酒屋で田村と食事をし、自宅マンションに帰った。しかし、メールが気になっていたので、由紀子の携帯に電話をかけた。
「おかけになった電話は、現在電源が入っていないか……」
 由紀子の携帯電話から愛想のないメッセージが流れた。
 純は、由紀子の自宅に電話をかけた。しかし、留守番電話になっており、誰も出ない。東京発青森行きの新幹線の時刻を調べると、午後8時4分発があった。今ならぎりぎり間に合うかもしれない。これから由紀子の病院に向かうというメールを送り、東京駅に向かった。
東北新幹線の車内から由紀子の友人に電話をかける。
「ああ、瞳ちゃん。宮沢です。由紀子に電話が通じないのだけれど、何か知ってる?」
「純くん、知らなかったの? 由紀子ね、慢性硬膜外血腫の手術をするために入院したのよ」
 自宅で寝たり起きたりの状態が続いていたのだが、ついに倒れたという。
 ひと月前、由紀子が運転する車に横から追突した車があった。スーパーの駐車場で老人が運転する車が枠の中に入るように停止しようとしていて、何度も前進とバックを繰り返していた。由紀子はその車が完全に停止したと思って、前を通過した。ところが、老人はブレーキとアクセルを間違えてしまい、由紀子の車に衝突した。急発進した車が運転席に追突したが、どちらも大した怪我がなかったので、車の破損だけで処理された。
 しかし、事故の二週間後ぐらいから由紀子は頭痛に悩まされ始めた。整形外科ではレントゲンしか撮らない。その結果、どこにも異常はないということで、頭痛薬をもらっていた。しかし、しだいに頭痛がひどくなり、由紀子はベッドから起き上がれなくなった。純に心配をかけまいと考えていたのか、由紀子は事故のことを言わないので、純は何も知らなかった。

 もうすぐ、青森に到着する。コートを着て、バッグを持ったとき、電話が鳴った。由紀子の携帯電話からである。驚く純。しかし、電話をかけてきたのは、由紀子の母親だった。
「今、手術が終わりました。今夜が峠だそうです」
「そうですか……」
「今どこにいらっしゃいますか?」
「青森駅に着くところです。すぐ、病院に向かいます」
「わかりました。きっと由紀子が喜ぶわ。気をつけていらしてくださいね」

 ところが、大雪のため駅前のタクシーも動けなくなっていた。除雪車があちこちに出動している。除雪してもかたっぱしから積ってしまう。何とかして病院に急がなければ……。

 数台のタクシーに頼んだが断られた。しかし、純は諦めず、次のタクシーに乗り込み、事情を話した。
「わかりました。そういうことなら、たとえ火の中、雪の中だ。行きましょう」
 運転手が快く承知してくれた。ほっとして後部座席にもたれる純。
 しかし、車は進み出して数分後、停まってしまった。前方でタンクローリーが横転しているらしい。道路を横に塞いでいるため、前に進むことができない。
「大丈夫ですよ。すぐに、解除されますよ。でないと、みんな雪の中でお正月を迎えることになってしまいますからね」
 と、運転手が笑って言ったので、純は少し気が楽になる。

 一時間たったが、渋滞は解除されない。道路に積る雪がどんどん嵩高くなっていく。
「これじゃあ、車が雪に埋もれてしまう。お客さん、悪いけど、病院まで歩いて行かれたほうがいいかもしれませんね」
「うん、そうさせてもらうよ。ごめん」
 純は、運転手に謝ってから、道を急いだ。
「寒い! このままだと歩きながら凍死しちゃうな」
 純は膝まである雪のなかを懸命に歩いた。
「じゅ~ん」
 激しく降る雪の中で、自分を呼ぶ声がした。あたりを見回すと、女の人が手を振りながら走ってくる。
「僕ですか?」
 そう言いながら近づいていった。女の人は、黒っぽい毛糸の帽子を被っていて、マスクと赤い手袋を着用している。街灯が暗くて顔がはっきり見えない。
(誰だろう?)
「純君、病院に行くのでしょう? こっちに来て。さあ」
 その人は純をわき道に誘導した。女性は滑るように雪道を歩いて行く。激しく降る雪が顔に当たる。うかうかすると、女性を見失ってしまう。雪が積もるのが早いのか、雪の上に前を行く女性の足跡が残らない。
(彼女は誰? どうして僕が病院に行くことを知っているのだ?)
と、純は思った。
「急いで! 時間がないわ」
 女性は、振り返って言った。

 どのくらい歩いただろう。気がついたら、病院の夜間入り口に立っていた。
「さあ、着いたわ。走ると滑るから気をつけてね」
 女の人の声を背中で聞きながら、純は由紀子の病室に向かった。
 由紀子はICUにいる。入り口の警備員に道順を教えられ、急ぐ。

 病室の入り口で純は固まってしまった。
「由紀子……」
 純は由紀子の頭にチューブが差し込まれ、チューブの先に血液の入った透明のビニル袋がぶら下がっているのを見た。医師や看護師が忙しげに動いている。
「体温の低下が続いています」
 緊迫した看護師の声が聞こえてくる。
「身体が1時間前から冷たくなってきて、びっくりしてナースコールのボタンを押したの」
 由紀子の母は、悲しそうに言った。
 純は自分の足がガクガク震えているのを感じた。
「由紀子の頭の中にかなりの量の出血があったようで……。さっきまで純、純と連呼していたのよ」
 由紀子の母親が純を見て涙ぐみながら言う。
 純は、由紀子のベッドのサイドテーブルに置いてある由紀子の持ち物の中に、黒い毛糸の帽子とマスクと赤い手袋があるのに気付いた。触ってみると、それらは少し湿っている。
 そのとき、医師が純たちのほうへ近づいてきた。
「お母さん、峠は越えましたよ。血圧も脈拍も正常値に近づいています」
「……よかったな、由紀子」
 純がそう言いながら、眠っている由紀子の手を握ると、少しだが握り返してきたような感じがする。
(由紀子、君だったのだな。迎えに来てくれてありがとう)
 純の気持ちが通じたかのように、由紀子の口元が少しゆるんだ。
 
 
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里子

『迎えに来てくれた恋人』を読んで 里子

 東京でも青森でも、雪が降るなかで起きた幻想的でロマンチックな話。2人の強い結びつきが良いなと思いながら読みました。この2人は結婚して幸せになるのかな。
夜、激しく雪が降る中で道に迷ってしまったら、どうなるか、雪国で暮らしたことのある人だけが知る。そんな中でこの作品が生まれたような気がするが、果たしてどうでしょうか。でも恋人が迎えに来ると言うと、魂が肉体から飛び出るのだから、病院に着いたとき、彼女は生きているのかな。そこのところが、判らない。
 パッピーエンにするとホッとするけれど,これでいいのかな?。
by 里子 (2011-12-26 23:17) 

雪ん子

「ゆきのまち幻想文学~」 に惹かれてワクワクと読ませていただくつもりでしたが、 あらすじで終始したような読後感でした。
ドラマチックな展開もロマンチックな高揚も何もなかった。。。

「純愛」をテーマになさっているのかと思われますが、であればキュンとくる場面を作って欲しかったですねぇ。
由紀子は生死の境にいる危篤状態。青森駅に到着したが大雪で交通渋滞に遭遇。間に合うかどうかの瀬戸際。ここでハラハラドキドキが展開していく
んじゃなかったかなぁ。

例えば、弱い立場の人が現れて(老人、病人、子供とか)○○に行きたいがどう行ったら良いか教えてほしい(連れていってほしい)、と言ってきたり或いはタクシーを拾うことだけに夢中になっている純にぶつかってきて、カバン(貴重品入った)をひったくっていく輩の出現とか。

そして、女性が現れて誘導する場面ですが、混乱している純が?と思いながらも付いて行くには、それなりの説得力ある説明が欲しいですね。
又は説明を超えた、ミステリアスな雰囲気で包んでしまうとか。
幻想、幻想、げんそう。。

そうしてやっとたどり着いた病室。由紀子が生きていても死んでいても
駆けつけた純の心理描写とかをもうちょっと丁寧に描かれたら恋人達の
「純愛物語」として、よくある話ではありますが相応の楽しさが得られた
と思います。

辛口の感想になってしまってごめんなさい。




by 雪ん子 (2011-12-27 00:31) 

平渡敏

いい作品だと思います。恋愛ものは苦手な僕も素直に共感できました。
引っかかったのは、案内する女性が彼女だということに純が気づかないはずはないこと。でも、ここで「もしかして……」とかにすると、この作品のよさがなくなってしまうから、まぁ仕方がないですね。
それから「純は自分のことばかり話す、由紀子はそれをよく聞く」などのエピソードが、エンディングに何らかの形でリンクすればよかったように思います。これも難しいのだけど……。
by 平渡敏 (2011-12-27 00:42) 

東雲凜

感想をば、
雪道で迷い迎えにきた女性に何も感じなかったのは違和感が残ります。
マスクをしていても、せめて恋人の面影があるとおもうのですが、と突然の登場とあっという間に消えていったので、もっとロマンティックな展開を期待してましたが、あれ?というう感覚です。
素性もしならい女性に道案内されて、いったいどこが盛り上がりの場面がわかりません。
せっかく恋愛をテーマにしてるのならば、雪の中の女性がヒロインにどう感じるとか、不思議にどこかでであっているかもしれないとか、そういったエピソードが書かれると、もっと共感を得られると思います。
最後がハッピーエンドで終わったのが良かったです。
by 東雲凜 (2011-12-30 06:57) 

平 正直

『迎えに来てくれた恋人』 みこさん を読んで、平 正直

男性がおしゃべりなので、女性の方は、男性の身辺の細かい事まで知っているのに、男性の方は女性の大事な事を、何も知らなかった。このストーリーは意外でした。逆のパターンが多い気がします。この部分は、とってもリアリティがあり、巣晴らしかったです。

それから、突然の手術宣告と、それに向き合い、青森に急ぐ純の姿も、それまでの、一方性への謝罪と言う意味で説得力がありました。そして、通行止めと言う、「障害」が横たわり、雪道を歩くと言う「代償」を支払う純の姿は、ストーリーの展開としてはスムーズなものだと、思います。
そして、代償を払ったが故に予想されるハッピーエンドも納得が行くものでした。

しかし、読後に物足りなさが残ったのも事実です。私に取って、その原因で思いつく所は、

若い女性の、霊か魂、もしくは,もっと単純な「思い」と言うものが、目に見える形を取った時に、選ばれた姿が、「若い女性」だった、と言う部分でしょうか。「そのまんまかよ」って、ちょっと思いました。すいません。

たとえば、動物=ぬいぐるみや、死んじゃったペットとか、実は「おばあちゃん子」で、おばあちゃんは、その高速道路で死んでいたとか...短いサブストーリーが出来そうだし、そもそも、思いは、本人よりも、何かに仮託された方が、形になり易い様な気がします。

あと、話の印象を強くするのだとしたら、由紀子の病気には純にも責任があったり、瞳が純を罵倒したり、由紀子の母に純は合いたくなかったり、...そんな所を、思いつきました。

by 平 正直 (2011-12-30 23:04) 

田磨香

「とりあえず電車に飛び乗る→それから友人に電話」という冒頭の主人公の行動は、自分なら絶対にありえないので、そこでいきなり、ちょっと引っかかってしまいました。
「でも、それが主人公の恋人に対する想いの強さの表れなんだな」とも思ったのですが、顔が見えないとはいえ「迎えに来てくれた恋人」に気付かなかったのと相まって、どうにも腑に落ちませんでした。
また由紀子の方も、それまで「心配をかけまいと」伝えずにいながら「これから手術をします」ということだけはメールで送って来ていたり……。
他にも、歩いて行ける距離にありながら渋滞のタクシーで一時間も待ったことや、「純は、運転手に謝ってから、道を急いだ。」「純は膝まである雪のなかを懸命に歩いた。」のところなど、登場人物の行動に不自然さを多々感じてしまい、いまひとつ物語に入り込めませんでした。
(前者は「この状況ではどんなに温厚な人物でも、さすがに読み違えた運転手に対して怒りを覚えずにはいられないのではないか?」、後者は「いやそこは歩くんじゃなくて走ろうよ!? 愛の力とか主人公補正とかで雪溶かして!! 主題歌バックにスローモーションで、トレンディに転んだりもしつつ!」と思ってしまいました)

「病室の入り口で純は固まってしまった。」以下の最後の段落は、描写の見事さといい、謎の明かされ方といい、文句のつけようがない素晴らしさなだけに、枝葉末節に引っかかってしまったことが残念です。
……いやもう本当に、何度読み返してもこの描写の素晴らしさはとんでもないです。
なので、みこさんにはほとんど描写だけの、芥川龍之介先生言うところの「筋らしい筋のない小説」を書いてみて欲しいです。


最後に、ちょっと本質からは外れる話なんですが、「由紀子の事故」についてです。
応募先の『ゆきのまち幻想文学賞』について調べてみるに、この部分は減点対象にしかならないように思われるので、よほど信念があって書かれたのでなければ詳細は書かず、「信号待ちでオカマを掘られた」ぐらいにしておくのが無難だったのではないでしょうか、とセコイことを考えてしまいました(笑)。
by 田磨香 (2012-01-04 02:09) 

せきた

どこにでもいそうなカップルが、お互いの大切さを確認し合う素敵なストーリーですね。

少々、意見を述べさせていただきます。
純が青森駅に到着した後、病院までの距離や、大雪に混乱する街の説明と、それを踏まえての純の心理描写がもっとほしかったかなぁ。と思います。そうしないと、純は大した苦労もせずに由紀子に助けられてしまったように映ってしまうと思います。
折角用意したパニックの舞台を隅々まで利用して、イライラさせて、ハラハラさせてラストにつなげると、もっと盛り上がるかなと思いました。

「純」という名前で主人公は女性なのかと思ってしまいました。
そして、私なら「潤」にするのに何故だろう? と思いつつ読み進めると、彼女の名前が「由紀子」
大雪の日の純愛ストーリーに「純」と「由紀子」
こういう細かい技、私は大好きです。
by せきた (2012-01-05 01:00) 

かよ湖

とても素敵なラブストーリーですね。
風景の描写や登場人物の細かい説明を挟み込むタイミングもとても絶妙で、読み易く、「次は?次は?」と楽しみながら読む事が出来ました。
多くの方が指摘している「迎えに来てくれた恋人」のくだりは、私は違和感なくアリだと思いました。「歩いて行ける距離なのに、なんでタクシーで待つの?」の疑問も、「由紀子の魂がショートカットさせたのだろう」と好意的に納得していました。ただ、冷静に「多くの皆さんの疑問の持ち方の方が正しい」と思います。
みこさんの全体を通しての描写力が、私に素敵なストーリーを抱かせてくれたのだと思います。
でも、由紀子の生死にもっと直接的に「純の到着」が関わってくるとドキドキする読者は増えるのかも知れませんね。たとえば、タンクローリーの事故に由紀子の元に行くべき輸血車(っていうのかな?)が巻き込まれ、家族と違うAB型の由紀子は・・・?その時、由紀子の母から泣きながらAB型の純の元に電話が・・・とか。。。
by かよ湖 (2012-01-07 16:49) 

リンさん

ロマンチックで幻想的ですね。
遠距離恋愛の恋人の病気を知った彼の動揺が伝わってきます。
心は焦るのに、なかなかたどり着けない。
車を降りて必死で歩くあたり、ドキドキしました。

ただ、タイトルにも「迎えに来てくれた恋人」とあるので、迎えに来たのが由紀子だと、すぐにわかった方がいいのではないでしょうか。
もしかして、由紀子は死んでしまったのか?由紀子の霊なのか?と読者に思わせ、実は生きていた…とする方が感動的かもしれませんよ。
by リンさん (2012-01-09 07:37) 

夏目みい子

「迎えに来てくれた恋人」というタイトルから
残念ながら落ちが読める人がほとんどだと思います…
なので、タイトルは変えたほうがいいかもです。

流れとしてはそうですね、

由紀子にはバスケ部に所属している、おませで活発な中学生の妹が実家にいる→由紀子の病気も妹の電話から聞く→黒っぽい毛糸の帽子、マスクと赤い手袋を着用した女性に会い「由紀子?」と一瞬思うが、ショートヘアだし何か雰囲気がおかしい。「以前逢った時より背が伸びた妹」の変装だなと思う。→なかなかプロポーズしない僕にやきもきして、妹が仕組んだ優しい嘘か…→病院につき、病気が本当だと知る→ロビーで妹に会う、やはり背が伸びていた…と思ったら、かなりの厚底ブーツを履いていた!→由紀子は長い髪をばっさり切っていた。ベッドサイドの少し湿っている衣服を発見。あの女性は由紀子だったんだ…

というのを考えてみましたが、やはり少しベタかもです

寒い冬に温かい、佳作を読ませていただき、ありがとうございましたです
by 夏目みい子 (2012-01-10 07:31) 

野本竹馬

温かい話ですね。由紀子は今どき珍しいタイプの女性で、雪国のイメージに合っていると思います。
 吹雪の中、タクシーを下りて歩き出す純に必死さが伝わってきます。ここはぜひ、道に迷って死にかけてもらいましょう(笑)。主人公にはピンチがふさわしい。
 話の構成としては、恋人との絆を重視するのなら、不思議な女性の正体については分からないよりも感づいている方が自然だと思います。
女性の正体を分からなくしてラストで恋人とばらす流れなら、まずタイトルは変えてネタばらしを避けたい。女性はあまりしゃべらない方が正体を隠せていいと思います。また前フリとして、女性を東京にいるときにちらりと出しておくのはどうでしょうか。「何だこの人?」と読み手の興味を引きますし、再登場の時のインパクトが増すと思います。

by 野本竹馬 (2012-01-11 23:54) 

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