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【書評】北野幸伯『米中覇権戦争の行方』 [書評]

大人気メルマガ発行人が、米中覇権戦争の行方と日本の針路を説きます。


米中覇権戦争の行方

米中覇権戦争の行方

  • 作者: 北野 幸伯
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2019/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



著者はロシア在住28年で、「モスクワ国際関係大学」の卒業者です。
徹底的なリアリストで、ロシア在住で培われた欧米情報網とは別視点での分析が斬新です。
本書の内容ですが、基本的ににはメルマガで語られていることの集大成です。
中国は牙を隠し、謙虚にふるまうことで最大の利益を得てきました。それが習近平体制に代わり、AIIB事件などで米国への挑戦を隠さなくなってきました。
日本にとって、最大の懸案事項は中国です。
中国は尖閣諸島や沖縄の領有権を主張するだけでなく、実際に行動を起こし、さらに中国に屈服した国々が受けた仕打ちを見ると、中国に覇権を握られることは日本にとって悪夢です。
では日本はどうすべきかということを、徹底的にリアリストの視点で語ります。
著者が主張するように、戦争には勝たなければなりません。そして戦争は武器を取り合う戦闘だけでなく、実質的にはもう始まっています。そのためには敵を減らし、味方を増やす必要があります。そのためには、ときには譲歩や妥協も必要です。
アメリカとの同盟は最優先事項で、ロシアとの友好関係を促進し、未来の大国であるインドとの関係を強化する必要があります。中国から圧迫を受けている周辺諸国との連携も必要です。
まさに先々を見据えた外交をする必要があります。
というようなことが書かれています。

日本は様々なひとが、様々な立場で主張をしていますが、リアリズムの視点が欠けていると思います。
日本が第二次世界大戦で惨めな敗北をした原因は孤立化ですが、その起点は桂・ハリマン協定の破棄にあるというのは慧眼です。
どうやって国の安全を守っていけばよいのか。
多くの人に読んで欲しい本だと思います。

外交をリアリズムで考えたいひとのために!
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