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第64期王将戦第7局(渡辺明王将VS郷田真隆九段) [将棋]

2年連続でのフルセットになりました。

【中継サイト】
http://mainichi.jp/feature/shougi/

ここまで6局を振り返りますと、
角換り 4局
矢倉  1局
対抗形 1局
となります。渡辺王将は得意とする角換りで3勝を稼いでいます。
郷田九段の得意戦法ですが、最も勝率が高いのが先手相掛かりだそうです。最近は分かりませんが、数年前のデータで勝率8割を誇るドル箱戦法だそうです。
戦法についてですが、得意戦法を連発する棋士と、相手なりに合わせる棋士とで大きく分かれると思います。
郷田九段は後者で、相手の作戦を受けて立ちます。渡辺王将は対戦相手によって臨機応変に対応するイメージがあります。
第7局は改めて振り駒になります。
ここまで1局もでていない相掛かりを期待したいですが、郷田九段が先手となり、初手2六歩なら渡辺王将は振り飛車を採用するような予感がします。
こうした作戦の駆け引きにも注目したいと思います。
いよいよ最終局です!


【棋譜】
http://mainichi.jp/feature/shougi/ohsho/etc/64/150326.html

さて、将棋ですが、先手を引き当てた郷田九段は、ここで伝家の宝刀である相掛かりをしかけます。そして、渡辺二冠は郷田九段の相掛を受けました。まさに王者の指し手です。
郷田九段は対渡辺戦の成績が悪く、12勝20敗と大きく負け越していますが、相掛かりは2勝1敗1千と勝ち越しています。
相掛かりは古くからある作戦で、戦前には相掛かりこそ将棋の王道みたいな空気もありましたが、そのわりには定跡が整備されてなく、力戦形になりやすいです。
そして今回も序盤早々に力戦形になります。
渡辺王将は慎重に時間を使い、突っ張った手を続けます。
郷田九段は生角を打って中央の歩を取ります。
この生角と1歩が活きるかどうかで、勝負が決まりそうです。
郷田九段は得した歩を活かして端攻めからと金を作り、後手は先手の歩切れを突いて正面突破を計ります。それを、先手は早逃げで凌ぎます。
アマチュアからすると、いかにも崩壊しそうな先手陣ですが、ギリギリで耐えていたようです。挟撃形を築いており、金が入ると詰む形にしていたのが大きかったです。
渡辺二冠の攻めを余した郷田九段は、最後はスパッと後手陣を切って捨てます。
受けが無くなった渡辺二冠は、儀式のように、角を取ります。
それを見た郷田九段は3二銀成りと指し、その手を見た渡辺二冠は投了しました。
郷田九段が指す先手相掛かりの強さは尋常ではありません。

これで郷田九段が一回り以上年下の渡辺二冠から王将位を奪取しました。
初王将位であり、かつ初獲得時最年長記録を更新しました。
これで将棋界は羽生四冠以外の三冠を、3人で分け合う形になりました。

これで今期のタイトル戦は全て終了しました。名人、竜王、王将でタイトルの異動がありました。
来シーズンのタイトル戦は、4月8・9日の名人戦からスタートです。
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