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第24期女流王位戦(里見女流五冠VS甲斐女流四段) [将棋]

【女流王位戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

4日前に女流王座一次予選に出場した甲斐智美女流四段ですが、アマチュアの石本さくらに破れるという波乱がおきました。
甲斐女流四段はタイトル挑戦中であり、実績実力からみて女流トップクラスの一角を占めていることは間違いないので、石本アマの金星といって差し支えないと思います。
甲斐女流四段は受け将棋ですが、それが裏目に出て序盤で後れをとり、そのまま押し切られてしまいました。石本アマはまだ中学生ですが、堂々たる差し回しでした。それにしても、甲斐女流四段がショックを受けていないか心配です。
ある棋士が「将棋プロは負けるのが仕事」とどこかで書いていたのを思い出しました。将棋棋士は公式・非公式を問わず、とにかくたくさん将棋を指すので、負ける数も多いという意味だったと記憶しています。
甲斐女流四段が敗戦のショックを引きずっているのかどうかは、棋譜から見ていくしかないと思います。


【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/24/joryu-oui201305220101.html

ということで将棋です。
開催中の名人戦第4局をまねしたわけではないと思いますが、先手里見女流五冠のオープニングは森内名人と同じく飛車先の歩の突き越しでした。そこから角換わり模様となりますが、お互いに5筋の歩を突いているという、前例も今後も現れそうにない一期一会とも言うべき形になります。
まさに構想力の勝負です。
角交換に五筋の歩を突くなという格言もありますが、それを無視して、ぐいぐい飛車を5筋に転換して攻めかかります。
飛車の位置だけみると中飛車です。
それに対して受け将棋の甲斐女流四段は、金を低く構えて攻めを受け流す構えです。解説は電王戦で広く名前が知られるようになった阿部光瑠四段ですが、阿部四段の評価も互角です。
勝負を分けたのは、36手目5六歩からの数手です。
後手の甲斐女流四段が絶妙な位置に歩を垂らし、取れば角打ちの隙が生まれるし、放置すると成り込まれて、同飛の一手に結局角を打たれる。
アマチュアが見習うべき手筋です。
この手を見た里見女流五冠は長考し、辛抱の銀引きを決断します。
この我慢が、高勝率を上げるコツなのでしょう。耐えるところを耐える。
そこからお互いに角を打っては消しあいますが、二度目の角打ちとなる43手目5四角が好手で、これで後手は困りました。
リードを奪ってからの里見女流五冠の差し回しは的確で、優位を確実に広げていきます。
後手の入玉の望みをきっちり絶ってから寄せていき、最後の局面は駒得の上に先手陣は安泰と、大差の将棋となりました。

甲斐女流四段の指し手は、不利になってからの粘りが足りないように見えます。
もしかすると、ショックを引きずっているのかもしれません。なんとか次局までに立ち直りのきっかけを掴んで欲しいと思います。
第4局は6月5日に徳島県徳島市で開催されます!


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