第38期棋王戦第3局（郷田棋王ＶＳ渡辺竜王）

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郷田棋王と渡辺竜王の対戦は、先手番が良く勝つことが知られています。
同じような関係として、羽生三冠と森内名人があります。両者の対戦も、先手番が強いことで有名です。
郷田棋王と渡辺竜王との対戦成績は8勝11敗とやや渡辺竜王が押していますが、今年に入ってはいってからは2勝2敗の五分です。
さて、どちらが先に先手番をブレイクするのでしょうか。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/38/kiou201303100101.html

ということで、将棋です。
戦形は相矢倉となりました。
矢倉は先手有利の定跡が多いのですが、最近は後手番も盛り返してきている印象があります。
守りの駒である桂馬を先手の攻めゴマである桂馬と交換し、それで反撃する手順です。
渡辺竜王もその手順を選び、攻撃する前に４二銀と締まったところが上手いです。
さらに銀損を甘受して９四桂と攻めたのも、大局観に明るい渡辺竜王らしい手でした。
郷田棋王は手にした銀を守りに使わざるを得ない状態に追い込まれます。
矢倉は手がつくと早いです。
細かい効かしを入れたあとで、渡辺竜王の猛攻が始まると、またたくまに郷田陣は崩壊し、主張だった駒得も消えてしまいました。
110手目の７五角成りを見た郷田棋王は、これ以上差がつくのを見たくなったのか、潔く投了しました。
矢倉を得意とする渡辺竜王の完勝譜だと思います。

いよいよ三冠まであと１勝に迫りました。
第4局は3/24に宇都宮グランドホテルで開催されます！