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第38期棋王戦挑戦者決定二番勝負第1局(渡辺竜王VS羽生三冠) [将棋]

郷田棋王への挑戦権を争う二番勝負は、渡辺竜王と羽生三冠という棋界を代表する組み合わせとなりました。

【棋王戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/kiou/

棋王戦の特徴は、敗者復活戦があることです。
何度か制度に修正が加えられていますが、現行ではベスト4以上になると敗者復活戦に回ることができ、トーナメント優勝者と2番勝負を戦います。
2番勝負と変則なのは、「勝ち組に敗者復活の権利がないのはおかしい」という声が上がったことから、第18期より勝ち組は1勝、敗者復活組みは2勝で挑戦者決定と制度が改められたからです。
公平で、なかなか面白い制度だと思います。
さて、今年はどのようなドラマが待っているのでしょうか。


【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/38/kiou201212260101.html

ということで、将棋です。
先手は羽生三冠、後手は渡辺竜王となりました。
渡辺竜王は居飛車党で、しかも相手に作戦を選ばせます。
羽生三冠は先手で大事な対局の場合、矢倉を選ぶことが多いです。本局も矢倉戦となります。
矢倉には多種多様な定石がありますが、羽生三冠が選んだのは銀損定石です。
アマチュア的には銀損して攻めるなんて指しきれないのですが、プロ間では先手5勝、後手2勝と先手が圧倒している形でもあります。
今年も王座戦第4局でも現れて、この将棋に勝った先手羽生三二冠(当時)が、渡辺王座(〃)から王座を奪いました。

さて、前例をなぞる場合、普通はまけた側が手を変えるのですが、本局は勝った側である羽生三冠が新手を出しました。
自然な手ではあるのですが、攻めが繋がるかどうか微妙なところです。
なにしろ銀損ですから、攻めが切れたら終わりです。
羽生三冠は六筋の歩を突き捨てますが、これが好手だったようです。
その後駒損は角損まで広がりますが、攻めが繋がります。
感想戦によると、8六歩を突き捨てておく必要があったようです。
それにしても、難しい将棋です。

渡辺竜王も銀をただで捨てるという鬼手を指し、先手の攻め足を遅らせることに成功しますが、羽生三冠は駒台にある金銀を、まるで森下九段のように盤上打ちつけて、ブルトーザーのように渡辺陣に迫ります。
自玉が万全のまま寄せていき、117手で先手羽生三冠が勝利しました。
棋王戦の挑戦者決定は2局目に持越しです。

棋王戦挑戦者決定戦第2局は、年明け早々の1/7に行われます!

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