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【映画】チョコレート [映画評]

原題は『Monstater's Ball』で、死刑執行前に看守たちが行う宴会を指します。


チョコレート [DVD]

チョコレート [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2003/02/21
  • メディア: DVD



主人公は白人看守で、黒人に対する差別意識を持っています。
父も強烈な黒人差別主義者ですが、主人公の息子はそのような気持ちを持っていません。
当然ながら主人公と子供の関係はうまくいかず、子供も看守をしていましたが、黒人死刑囚の執行前に失態を見せ、それを主人公になじられた結果、自殺してしまいます。
黒人死刑囚の妻を演じるのがハルベリーです。
彼女の子供は過食症で肥満体。母は貧困の上に情緒不安定で、これも母子の関係が上手くいってません。
子供は車に引かれてしまいます。
そのとき、たまたま主人公が通りかかり、母子を病院に連れていきます。
子供は死んでしまいますが、ここから主人公と母との交流が始まります。
お互いに子供を亡くしたばかりという共通点もあり、急速に恋人へと関係を深めていきます。
主人公の黒人に対する偏見は消えていきましたが、父親はそのままです。
結果として父親は主人公の恋人を傷つけ、父親は息子に施設へと送られてしまいます。
ラストは主人公が恋人と一緒にチョコレートを食べて終わります。
テーマは人種差別になります。主人公は克服しますが、父親はそのままで施設に送り込まれます。
主人公の問題点として、人種差別だけでなく、親子関係をうまく構築できないこともあります。
しかし、この点については息子は自殺し、父親は施設送りなので、最後まで解決できずに終わります。
まるで厄介払いです。
日本人的にはどうかなと思ってしまいますが、米国では人種差別は絶対悪なので、頑固な父親に対する罰という感覚なのかもしれません。
本映画で、ハルベリーはアカデミー賞主演女優賞を受賞しました。非白人として初受賞だそうです。
ハルベリーは本当にきれいです。
製作費4百万ドルと低予算ながら、興行収入45百万ドルと10倍以上も稼いでくれました。

ハルベリーの熱演を堪能したいひとのために!
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第4期ヒューリック杯白玲戦第1局(西山朋佳白玲VS福間香奈女流五冠) [将棋]

西山白玲にとって、2回目の防衛戦になります。

〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/hakurei/

対局直前に、福間女流五冠の妊娠が発表されました。
特例として椅子対局、和服非着用が認められたとのことです。ぜひとも母子の健康を最優先に活動して欲しいと思っています。
これを気に、タイトル保持者が妊娠した場合の対応について、”特例”で終わらせるのではなくルール整備をしてくれたらなあと思います。
囲碁界ではスーツ対局が主です。将棋界でも女流以外はスーツ着用の例があります。
服装のルールについて、なかなか難しいところがあります。
相撲からちょんまげをなくしたら人気を保てただろうかとか、将棋界から伝統を削っていったらいままで通りスポンサーがついてくれるのかどうかとか。
このあたりは、最終的にはファンの気持ちなのかなとも思っています。
伝統が将棋界を支えているひとつの柱になっているのかな、とも感じています。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/hakurei/kifu/4/hakurei202408310101.html

ということで、将棋です。
先手は福間女流五冠で、いつものように相振り飛車になります。とはいえ福間女流五冠の主戦場は中飛車で、そこから居飛車に振り直すことも多いので、典型的な相振り飛車は少ないイメージです。
本局でも福間女流五冠は中飛車から袖飛車に振り直します。
ただ西山白玲が中央の位を取り返し、桂損ながら一方的に飛車を成り込む展開となっては後手成功です。
困ったときには端攻めで、福間女流五冠は後手陣の端に嫌味を付けながら窒息していた飛車を後手の龍との交換に成功し、さらに9四桂と打ち込みます。
ここまでくると逆転です。
以降も後手陣の急所を攻め立て、さらに4七金と盤石の受けで自陣の憂いを無くします。
しかし、西山白玲の粘り強い指し手に、福間女流五冠も手を焼きます。
時間切迫もあったか、6六馬と龍取り馬を引き付けて安全勝ちを目指したのかと思いきや、この瞬間に7七香とただ捨ての強手が飛んできます。
さらにただの場所に銀を打ち込まれ、手順に龍取りを外されてから手を戻されると、完全に再逆転です。
劇的な終盤だったと思います。

153手まで苦しみながらも西山白玲がまずは幸先の良い1勝を挙げました。
第2局は9月14日(土)に鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われます!
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【書評】筒井康隆『時をかける少女』 [書評]

何度も映像化されたいまや日本SF史上に残る古典です。


時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/05/25
  • メディア: 文庫



主人公は中学三年生の少女。
理科室の掃除をしていたときにラベンダーの香りをかいで意識を失いますが、なぜかタイムトラベラーになってしまいます。
事件の真相を知るために、ラベンダーの香りを作っていた人物に会うために理科室に舞い戻りますが……。
というストーリーです。
何度も映画化されているので長編と思い込んでいましたが、分量としては短編でした。
現代の目線で読み返すと、確かに主人公は不思議な能力で困惑するのですが、絶体絶命の危機を迎えるわけでも、強大な敵と立ち向かうわけでもないので、インパクトに欠けるかもしれません。
むしろ最後の切なさが、少年少女の心を鷲掴みにしたのかなと。とても綺麗なラストシーンです。
『悪夢の真相』と『果てしなき多元宇宙』も収録されています。
『悪夢の真相』は児童文学の形式にそっているというか、キャラクターの成長が盛り込まれています。けど、なにかにつけて説明調で、ギクシャクしてるかなと。
『果てしなき多元宇宙』は多元宇宙によって、主人公が理想となる社会に飛んでしまう話です。もちろん全てがハッピーになるわけではなく、筒井康隆らしい皮肉の効いた作品です。

ジュブナイブルSF小説の古典を読みたい人のために!
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【公募情報】第15回「日本のこころ川柳」コンテスト(川柳・9/30〆) [公募情報]

前向きな川柳の募集です。

〔主催者HP〕
http://edoshigusa.org/wp-content/uploads/2024/06/20240530_%E5%B7%9D%E6%9F%B3%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC.pdf

主催者はNPO法人日本のこころ・江戸しぐさです。
HPは手作り感満載で、おそらくは小規模な団体なのかなという気がします。
いろいろなNPO法人があるものです。
本公募は「日本のこころ」を詠う川柳の募集です。
「江戸しぐさ」ではないので、ご注意ください。
応募締切は令和6年9月30日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :「思い合い」「認め合い」「支え合い」「助け合い」「尊び合い」等
最優秀賞:賞状・副賞
応募締切:令和6年9月30日
応募方法:郵送、メール
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創作状況【令和6年8月第5週】 [ぼくの公募状況]

ときおり「つくログ」に出没しています。

【第203回のメュー】
◆こんな公募に挑戦しました・第11回星新一賞
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第35回)
◆プラスのショートショート1~3
◆公募情報数点
 来月は昨年度の星新一賞受賞作の分析です。今年の傾向はどうなのか。
 9月発行は9月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!




【ショートショートガーデン】
クラフトビール・コンテスト用のショートショートその2です。
締切が9月1日ですね。その2も雰囲気重視を目指してみました。
〔コンテスト用ショートショートその2『泡の季節』〕
https://short-short.garden/S-uCTxec


【小説でもどうぞ】
「サプライズ」を3作まとめて推敲する。2000字だとだいたい原稿用紙7枚程度になる。
いつもが5枚なので1.4倍の分量相当。
だからペースがつかめるまで、推敲を多めにしたいと思います。
まだまだ完成度が高められそうです。とくに、書いたばかりのその3は


【伊豆文学賞】
掌編は5枚程度、9月17日締め切り。表紙様式等に決まりあり。1月中旬発表。
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-06-28-1
今週から1作品ずつ投稿する。募集要項を見直すと「30文字×40行を3枚換算」とある。つまり原稿用紙5枚程度なら、自動的に6枚と計算するのかなあ。
また表紙をワードで作成とあるけど、主催者HPにはエクセルの様式がUPされている。
この様式を使っていいものか、それとも罠なのか。たぶん、このエクセルは手書き用なのかなと判断し、ワードに書くことにする。
とりあえず3作品のうち、一番期待値の低い作品を送って様子を見る。エクセル様式が良ければ連絡がくるかなあとか思って。


【新潟文学賞】
SS部門は400~1000字、11月30日締め切り
いまのところネタがまったく思い浮かびません。SSより掌編色を強くしようかなとも思っているが、新潟をどう絡ませるのか悩み中。
とりあえずモチーフを4つ並べてみる。本当は参考資料を借りようと思ったけど、気が付いたら図書館の予約枠を使い切っていた。
来週から少しずつ本を借り、それから考えます。はい。


【坊っちゃん文学賞】
締め切りは毎年9月30日、制限文字数4000字。発表は2月頃
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-06-21-1
来年度のストックもあるので、とりあえず結果待ちです。
またストックが生じたら、フォルダに追加ということで。


【星新一賞】
例年は10,000字以内、応募締切9月30日、発表は2月頃
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-07-24-1
いまは結果待ちです。
受賞作が公開されたら、順番に読んで分析して、R7年度用作品を推敲開始というスケジュール。R10投稿用まで草稿はあるので。


【水の都おおがき短編小説コンクール】
原稿用紙10枚内、応募締切8月31日、12月中旬発表
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-06-01-24
12月中旬発表までひたすら待ちの姿勢。落選したら来年度また考えます。


【さばえ近松文学賞】
原稿用紙10枚内、応募締切6月30日、発表は9月中旬、募集内容は恋愛小説
https://takeaction.blog.ss-blog.jp/2024-03-13-6
落選したら来年度用の作品を書き始める予定ですが、いまは結果待ち。とはいえ、アイデアがいまひとつなので、もしかしたら書かないかも。
発表は来月ですね。


【その他】
・第10回受験川柳に3つ応募する。冴えない。発表時期は不明。
・発酵川柳を応募する。1人1作のみといまさら気が付く。10月末発表。
・第13回愛媛トヨタ俳句に3つ応募する。8月中旬発表。
・第18回くすっと笑える夫婦川柳は7月下旬発表だったが遅れそう。17回も未発表。
・おーいお茶新俳句(2/29〆)はヤマビルで3つ応募。10月下旬発表なのでかなり先。

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【映画】ハットンガーデン・ジョブ [映画評]

実際の事件を題材とした老人たちのケイパー映画です。


ハットンガーデン・ジョブ [DVD]

ハットンガーデン・ジョブ [DVD]

  • 出版社/メーカー: アメイジングD.C.
  • 発売日: 2018/01/10
  • メディア: DVD



素材となった事件とは、ハットンガーデン貸金庫強盗事件です。
被害総額280億円の英国史上最大の強盗事件です。
この事件ですが、すでに3回映画化されています。
ハットンガーデンジョブはそのうち2回目で、3回目はキングオブシーヴスで、こちらの主演はマイケルケインです。
では、本作です。
基本的には主人公である首謀者の視線で進みます。
彼がベテラン犯罪者たちを集めて、現場を仕切るのはブライアンンに任せ、淡々と事件を進めていきます。
見事に盗みに成功しますが、ちょっとしたミスで仲間たちは逮捕され、逃げ切れたのは主人公1人です。
さて、映画の描き方ですが、基本的にはユーモアタッチです。仲間も老人ばかりでいささか頼りなく、いい加減。
けど、キングオブシーヴスのように仲間割れや途中脱落もないので、安心して見ていられます。
元刑事やオランダのマフィアも出てきますが、ちょっとしたアクセント程度で、物語に大きくからむことはありません。ラストで少し緊迫シーンがあるぐらいでしょうか。このシーンを入れたかったから、元刑事とマフィアを絡ませたのかもしれません。
凄く盛り上がるわけでも、非常に緊迫するわけでもありませんが、普通に面白い映画だと思います。

ハットンガーデン貸金庫強奪事件を知りたいひとのために!
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【書評】勝小吉『夢酔独言』 [書評]

勝海舟の父であり、幕末の不良旗本だった勝小吉の自叙伝です。


夢酔独言 (講談社学術文庫)

夢酔独言 (講談社学術文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/11/27
  • メディア: Kindle版



勝小吉はエピソードに事欠きません。
子供のころから暴れん坊で、刀を持っての喧嘩をしたり、柔術の道場でいざこざから天井に縛られたので上から小便をぶちまけたりと、とにかくムチャクチャです。
大人になっても変わらずたびたび家を出奔し、道中で水戸家の家来をいつわって特別待遇を要求したり、路銀を巻き上げたりしています。
親に座敷牢に3年間も閉じ込められますが、その後も道場やぶりをしたり、吉原に遊びに行ったり、そこら中で借金を重ねたりと行状は改められません。
遊びの資金が不思議なのですが、刀剣の売買や様々な口利きをして稼いでいたようです。
もう完全にやくざの世界です。
もちろん就職活動も失敗し、一生無役のまま過ごします。
37歳のときに周囲に問い詰められて隠居するのですが、その夜にぬけぬけと吉原で一泊しています。
なんともかんともな人生ですが、晩年に反省し、後世の反面教師となるために残したのが本書です。
勝小吉は無学のため、当て字や誤字が多く、文体も話し言葉そのままです。
だけど、頭は良かったものと思われ、文章は読みやすく、様々なエピソードが上手にまとまっています。
ムチャクチャだけど、魅力的な人物だった。
そう思わせる一冊です。

不良旗本の一生で笑いたいひとのために!
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第65期王位戦第5局(藤井聡太王位VS渡辺明九段) [将棋]

藤井王位の3勝1敗で迎えた第5局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/oui/

将棋の棋戦スポンサーは叡王戦を除いて新聞社ですが、最近は特別協賛が増えています。
王位戦の特別協賛は伊藤園で、これは当社の看板商品「おーいお茶」の「おーい」と「王位」をかけたダジャレです。
実際王位戦の正式名称も「伊藤園おーいお茶王位戦」になっています。
伊藤園はスポンサーの新聞三社連合よりはるかに大きく、直近の事業年度で連結売上4,538億円、当期純利益156億の優良企業です。
今後も特別協賛を続けていただくためには、将棋界としても伊藤園のイメージアップに繋がるような対局を続けるのが大事なのかなと思います。
それと同時に発信力を強めて、将棋の勝敗以外にも報道されるようにするのも大事なのかなとも思います。
スポーツが勝敗以外のことに興味を持たれているように。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/65/oui202408270101.html

ということで、将棋です。
後手渡辺九段の選択は雁木でした。対する藤井王位の対策は、いま流行の雁木対策、7七角・8八銀形からの棒銀です。
渡辺九段としても雁木を選択するからにはもちろん研究していると思います。しかし、21手目の3八飛車で想定を外れたのか、序盤早々に91分もの長考に沈みます。
受ける展開で持ち時間を削られるのは痛いですが、長考の甲斐もあり激しい展開ながら互角の局面が続きます。
評価値が動いたのは終盤になってからです。
渡辺九段は銀取りに対して金を貼り付けたのですが、AIによると玉を寄って飛車の打ち込みを消すのが急務だったようです。
渡辺九段は豊富な金銀を打ち付けて先手玉を隅まで追い詰めますが、小駒だけに足が遅いです。
藤井王位は左右挟撃形を築くと、7四桂馬を急所に桂馬を放ったところで渡辺九段は投了しました。
最後まで渡辺九段の玉は居玉のままであったことが、戦いの激しさを物語っていると思います。
金銀7枚を持った状態で投了というのも珍しいです。
これで藤井王位は4勝1敗となり王位防衛とともに永世王位資格を獲得しました。
永世位は棋聖に続いて2つめです。

藤井王位おめでとうございます!
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最近の日常【令和6年8月第5週】 [日常]

〔歯ブラシを買い替えた話その1〕
自分は2種類の歯ブラシを使っている。
奥歯用の小さいタイプと、全体を磨くヘッドが大きい電動歯ブラシ。
まず奥歯用がだいぶへたってきたので買い替える。
虫歯になると治療が大変なので、基本的にはケチらずいいものをと思っている。
ということで有名メーカーの商品を購入する。
小型ヘッドとの触れ込みだが、実際に奥歯にあててみると従前使っていたものよりちょい大きい。
肌触りはとてもいいし、歯垢ポケットをよく掻き出してくれそうなのだが。

〔歯ブラシを買い替えた話その2〕
電動歯ブラシはワイドタイプを使用してきた。通常の歯ブラシよりヘッドがでかいやつ。
ところが近くのドラッグストアでは取り扱っていなくて、ネットでも見つからない。
どうやら販売中止になったらしい。お気に入りだったのに。
止む無く通常タイプに変更する。
本来はこちらの方がいいんだろうなあとか思いつつ。
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【映画】アメリカン・サイコ [映画評]

社会的地位が高いにのも関わらず殺人が止められない男を描くサスペンスです。


アメリカン・サイコ ―デジタル・レストア・バージョン― [Blu-ray]

アメリカン・サイコ ―デジタル・レストア・バージョン― [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2011/06/24
  • メディア: Blu-ray



主役を演じるのはクリスチャン・ベールです。
彼は父が経営する投資会社で、27歳にも関わらず秘書付きの個室を与えられています。
仕事はする様子はなく、同僚たちとスーツ、名刺、レストラン、女性等のどうでもいい話をして、表面的なことで張り合っています。
主人公は極端に自意識が高く、自分よりセンスのよい名刺を持っているだけで劣等感に苛まれ、その劣等感を浮浪者を殺害することで憂さを晴らします。
そうした中で、ポールアレンという男が現れます。
彼は主人公よりセンスの良い名刺を持っており、主人公が予約を取れない高級レストランの予約を取れ、さらに主人公よりよい部屋に住んでいます。
劣等感に苛まれた主人公は、ポールアレンを殺害します。
すると、主人公の元にウィレム・デフォー演じる探偵がやってきます。
彼はアレンの家族からポールの捜索依頼をされていたのです。
主人公は探偵に追い詰められていると思い込み、殺人への欲求が止まらなくなり、ラストには娼婦たちを次々と血にそめ、警察も、たまたま近くにした清掃人まで殺害します。
そして顧問弁護士に罪を告白しますが、顧問弁護士は主人公を別人と思い込んでおり、冗談だと思って聞き流します。
という感じの映画です。
とにかくクリスチャン・ベールが偏執狂の主人公を熱演しています。
登場人物がことごとく薄っぺらく、さらに90年代の音楽について熱く語りますが、人生は行き当たりばったりで何も考えていません。
探偵と話しているだけで、主人公は手元が震え、会話も支離滅裂になるという貧弱さです。
これらは当時の社会現象であるヤッピーを揶揄しているのですが、いまでもブランド品などの所持品や居住地ににこだわる人間、他人と比べたがる人間がたくさんいますので、いま見ても考えさせられる映画だと思います。
ラストに備えて冒頭で伏線が引かれていますが、ちょっと分かりにくいかもしれません。探偵がロンドンであったアレンはだれ? とか思ってしまいます。
製作費7百万ドルで興行収入34百万ドルですから成功作です。

若きクリスチャンベールの熱演を見たいひとのために!
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