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【映画】マネー・ショート/華麗なる逆転劇 [映画評]

サブプライムローン危機で逆張りをして大儲けをした人々を描きます。


マネー・ショート 華麗なる大逆転 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: パラマウント
  • 発売日: 2017/02/08
  • メディア: Blu-ray



登場人物は、ファンドマネージャー、若手投資家と伝説のトレーダー、銀行員、投資会社社員などです。
彼らはそれぞれの手法で、サブプライムローンが危険な金融商品であり、崩壊の危機が迫っていると確信します。
そのため、クレジット・デフォルト・ワップという保険のような信用取引を利用して、一種の空売りを仕掛けます。
サブプライムローンとは、低所得者向けの住宅ローンです。
その当時の銀行等は住宅ローンを分割し、債権のひとつとして安全確実高利回りの商品として売り出し、手数料を稼いでいました。
元々は住宅ローンは安全な商品でしたが、住宅価値の上昇を前提とした低所得者向けサブプライムローンまで債権にまぜで売り出したことで、おかしくなります。
ローンの返済が滞っている、新規販売している住宅に空家が目立つ、などの危機の指標はでていました。
彼らはCDSを大量に買い込み逆張りを仕掛けますが、周囲からはまったく相手にされず、笑われます。
しかし、ある日、リーマンショックが発生して、すべてが逆転します。
という話です。というより、実話ベースです。
様々な金融商品がでてきますが、それらはかなり複雑です。
そこには深入りせずに、ざっくりと説明する(マーゴットロビーや料理人)のが良いと思います。
CDSも何なのかよく分かりませんが「保険」「空売り」というワードで、中身は分からなくても、どういった商品なのか理解できます。
4グループが登場するため、それぞれの人物像の掘り下げはあまりありません。
ですが、そういった映画ではないので、これはこれで子気味よくていいのかなと思います。
製作費28百万ドルで、興行収入1億33百万ドルですから成功作だと思います。

サブプライムローン問題に興味があるひとのために!
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【映画】フルメタル・ジャケット [映画評]

ベトナム戦争を舞台にしたスタンリーキューブリック監督の代表作のひとつです。


フルメタル・ジャケット [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: Blu-ray



物語は前半と後半に分かれています。
前半は海兵隊訓練生時代の話です。
ハートマン軍曹のしごきに耐える訓練生ですが、その中に太めで不器用な若者がいました。
彼は「ほほえみデブ」とあだ名をつけられて、ハートマン軍曹に目を付けられます。
その後、狙撃術で高い評価を受けるのですが、卒業目前の深夜に発狂し、ハートマン軍曹を撃ち殺し、自らも自殺します。
後半は訓練生たちがベトナム戦争の現場にいきます。
ジョーカーとあだ名された訓練生は、その知的な態度からか、報道官として勤務します。
上司に皮肉な態度を続けたことがあだになり激戦地に飛ばされ、そこでかつての訓練生と再会します。
ベトナム軍による度重なる攻撃。進軍中にぬいぐるみを使ったブービートラップで仲間を失い、さらには狙撃兵3名もの死者がでます。
最後は狙撃兵を追い詰めるのですが、その狙撃兵は少女で、ジョーカーは銃の故障で撃てません。拳銃を構えるが銃が手につきません。
そこに仲間の銃撃により助かります。
瀕死の少女に、ジョーカーはとどめを刺します。
五体満足で本国に帰還できることを喜び、ミッキーマウスの歌を歌いながら戦場を行軍するシーンで終わります。

さて、この映画はなんといっても前半、特にハートマン軍曹です。
市民を兵士に鍛え上げるために罵詈雑言で人格を破壊するのですが、次から次へと汚い言葉がでてきます。
しごきも半端ないです。
前半のラストで「ほほえみデブ」が発狂するシーンも有名です。
一転して後半はジョーカーの苦悩がテーマです。
ジョーカーは理性的なキャラですが、考えている「戦争」と現実の「戦争」にはかなりの落差があります。
報道官として少し離れてみた「戦争」から、現実の「戦争」に引き込まれます。
その結果、ジョーカーは自らの命の危機になにもできなかったのに、重傷を負って身動きの取れなくなった少女に対して、とどめを刺すことを主張し、自ら処刑するようになります。
理想と現実は異なる。
戦争における人間心理を淡々と描いた作品ではないかと思います。
製作費30百万ドルに対して、興行収入46百万ドルと興行的には苦戦していますが、映画の内容的にやむを得ないのかなと。

スタンリー・キューブリック監督の代表作のひとつを視聴したいひとのために!
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【映画】博士と彼女のセオリー [映画評]

車いすの天才、スティーブン・ホーキンス博士の美しい伝記映画です。


博士と彼女のセオリー [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • 発売日: 2016/02/03
  • メディア: Blu-ray



スティーブンホーキンスは1942年生まれの宇宙物理学者です。
入ったら光さえ脱出不可能と思われていたブラックホールについて、「素粒子を放出することで消滅する」と提唱して世界中に衝撃を与えました。
何より有名になったのは『ホーキング宇宙を語る』です。
方程式はE=MC^2だけで、あとは言葉で宇宙を語ることで、全世界に多くの読者を獲得し、宇宙について考える多くの子供たちを生み出しました。
そんなホーキング博士を、夫婦関係をメインにつづります。
映画はホーキング博士の学生時代から始まります。
彼は天才にありがちな変人ですが、恋におち、順調な大学生活を歩んでいましたが、突如として筋ジストロフィーに侵されます。
それでも恋人は強い決意をもって結婚し、ホーキング博士を支え続けます。
しかし、病魔は進み、妻も疲れ、助けが必要になってきます。
妻は気晴らしの聖歌隊に入りますが、そこのリーダーと家族ぐるみの付き合いをするなかで、いつしかリーダーと恋愛関係になってしまいます。
日常生活が困難になったホーキング博士は女性介護士を雇いますが、博士は介護士と深い関係になっていきます。
そうして二人は別れますが、別れた後も友人関係は続き、イギリス女王から勲章を受け取るときも一緒にいきます。
そこで子供たち3人をみながら、ホーキングは妻に語り掛けます。
「私たちが作ったものを見て」

とてもいい映画だと思います。
上映当時、ホーキング博士は存命でした。だから難しい部分はあったかと思いますが、上映が終わった後、ホーキング博士は涙を流したそうです。
最後は別れる二人ですが、妻の愛情と、現実と奮闘する姿が丁寧に描かれています。
幸せな瞬間もあれば、疲れる瞬間も、いがみ合う瞬間もある。そうした人間として当然の部分が出ている映画だと思います。
もちろんホーキング博士の偉業も描かれています。
批判の中に偉業に対する掘り下げが足りないという論がありますが、ここを掘り下げるとマニアックになりすぎて、メインテーマである妻との関係性が薄れてしまいます。
さらりと触れるに留めるのは適切な判断だったと思います。
また、映画には有名なペントハウスの件もありますし、『ホーキング宇宙を語る』の執筆、神についての考えも映画のなかにでてきます。
脚本もよくできていると思います。登場人物を絞ることで、ひとりひとりの心情を深く描いています。
不満点といえば、みんないいひとだらけ、という部分ぐらいでしょうか。けど、伝記映画だし、病気と宇宙相手に戦っていた学者なので、これでよかったのかもしれません。
こうした映画は興行的に苦戦するかと思ったのですが、製作費15百万ドルに対して興行収入1億24百万ドルと大成功を納めました。
受賞も多数ですが、ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインがアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。それだけの価値のある演技だと思います。

ホーキング博士の生涯を振り返りたいひとのために!
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【映画】クライム オブ マネー/完全犯罪 [映画評]

大学生3人が金持ちの子供を誘拐するクライムサスペンスです。


クライム・オブ・マネー 完全犯罪 [レンタル落ち]

クライム・オブ・マネー 完全犯罪 [レンタル落ち]

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2019/10/18
  • メディア: DVD



主人公は貧困家庭の大学生。
母は病気ですが薬も買えません。あげくに自宅は差し押さえ。
やむなく誘拐を計画します。
仲間は同じ大学生の2人で一人は少しエキセントリックな彼女。もうひとりはこれまたサイコ気質の友人です。
主人公は指示役で、のこり2人が実行役です。
金持ち3家族の父親と子供(大学生ぐらい)がバラバラに湖畔のコテージに集合する途中で、仲間2人がひとつの車に同乗していた子ども3人を誘拐し、監禁します。
監禁場所は、子供のうち1人の親の別荘です。
主人公が親に電話をして1人100万ドルの入金を要求しますが、親3人のうち1人が遅れてその場にいません。
それを知ったエキセントリックな彼女が、その親の子を殺してしまいます。
その彼女は口では反省しますが、今度は親たちの家を燃やす計画をバラしてしまい、しかも監禁が甘くて残り2人は逃げ出します。
そして、監禁場所が親の別荘であることを知ります。
主人公はひたすら入金を待ち、2人に人質を追いかけるよう指示します。
そうこうしているうちに、親3人は喧嘩を始めます。実は別荘を監禁場所にされた親は、事業に失敗して金がありません。
なので、子供が死んでいる親に身代金を払わせようとして、その親の子供が死んでいることを隠します。
そしてクライマックスへと向かいます。
とまあ、こんな感じです。
ネタバレしないように書くのが難しいのですが、十分に楽しめるクライムサスペンスだと思います。
主人公の正体は、親たちの身内ではありませんが、近い存在です。
ただ金持ちグループには入れません。
そうした立場です。
「完全犯罪」とありますが、主人公は少しミスを犯しており、監禁されたうちのひとりは正体を確信します。
親たちも、推理を組み合わせれば、おそらく真相にたどり着けるはずです。
ですが、映画はそこまで描かれずに、主人公が現場を立ち去るところで終わります。
前半の細かい描写が、後になって糸のように結ばれるところは、エルキュール・ポアロを連想させます。
親たち3人の人間関係というか、サブストーリーがしっかり作りこまれているところは評価が高いと思います。
ここまで考えている映画は少ないので。

意外な展開のクライムサスペンスを楽しみたいひとのために!
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【映画】ラッシュアワー2 [映画評]

ジャッキーのカンフーアクションと、クリスタッカーのマシンガントークが楽しめる映画です。


ラッシュアワー2 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2015/10/14
  • メディア: Blu-ray



ラッシュアワーの続編です。
1でクリスタッカー演じるカーターが休暇を取りますが、その休暇でジャッキー演じるリー警部がいる香港に行きます。
そこでさっそく事件に巻き込まれます。
物語のキーは偽札で、黒幕はタンです。タンは元警察官でリー警部の父とコンビを組んでいました。
そしてタンはリー警部の父を裏切り、殺し、偽札製造に必要な原版をもって逃走した過去があります。
タンへの捜査の過程でクラブやマッサージ店、さらにはクルーズ船でも乱闘騒ぎを起こします。
後半で2人はロスに飛び、クルーズ船にいた白人富豪の線からラスベガスに行きつきます。
そこで最後の大立ち回り、という感じのストーリです。途中で潜入捜査官を名乗る謎の美女が登場し、彼女が本物かどうか、という部分でストーリーにスパイスを効かせています。

とにかくジャッキーのアクション満載です。
シリーズお約束のNG集を見ても、ジャッキーは体当たりでアクションをこなしています。
さすがに危険なシーンはCGも使っていますが、それでも細かい手足の動きは、長年アクション俳優として第一線で活躍してきた熟練の技を感じます。
テーマとしては「信頼できる相棒」で、タンは信頼する相棒をもたなかったために破滅します。
対するリーとカーターは、お互いを信頼しているからこそ生き残ります。
という付け足しみたいなテーマはあまり効果的ではありませんが、単純にユーモアを交えたアクションを楽しめるエンタメ映画だと思います。
コンビを活かしたアクションも多彩です。
製作費は前作の3倍近い90百万ドルで、興行収入は3億47百万ドルと前作と1億ドル以上回る成功を収めました。

ジャッキーとクリスタッカーのコンビ芸を楽しみたいひとのために!
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【映画】ラッシュアワー [映画評]

ジャッキーチェンとクリスタッカー主演のコメディアクション映画です。


ラッシュアワー [Blu-ray]

ラッシュアワー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2010/10/06
  • メディア: Blu-ray



ジャッキーが演じるのは真面目な香港警察のリーです。
タッカーが演じるのはロス市警の大口ばかり叩いている自意識過剰な刑事カーターです。
ロサンゼルス中国領事の娘がジュンタオに誘拐され、その捜査を始めるFBIですが、中国領事の強い要望でリーが呼び寄せられます。
FBIとしては捜査の邪魔をさせたくはありません。
そのためロス市警にリーを市内観光案内をさせる役目の刑事を要請し、その結果、爪弾きものだったカーターに白羽の矢が立ちます。
カーターはFBIと一緒に捜査すると息まいていましたが、単なる監視役と聞いてやる気を失い、独自捜査に乗り出します。
リーはカーターの監視を搔い潜って中国領事まで入り込み、捜査に加わります。
しかし独自に発見した犯人グループのアジトに乗り込み、乱闘騒ぎを起こしたことでリーは香港送還が決まってしまいます。
その飛行機を機知でカーターが止め、身代金受け渡し会場に二人が乗り込みます。
そこで黒幕のジュンタオが、実は香港警察の警視長であることを知ります。
という感じのストーリーです。

ストーリーはエンタメの定番をおさえています。
冒頭で主役二人の活躍を描き、それぞれのキャラをしっかり立たせます。
二人は考え方も行動も異なり、最初は反発しますが、徐々にお互いを理解して協力し合うようになります。
それを象徴するシーンが、敵のアジトに突入する前に、お互いの文化、技能を教えあうところです。
ここから二人は明確な協力体制に入ります。
冒頭の2人の活躍ですが、このシーンも使い捨てではなく、後半でちゃんと伏線として活きてきます。
ほどほどの派手さといい、ジャッキーの持ち味である、コミカルなアクションといい、十分に楽しめるエンタメ作品だと思います。
エンドロールでNG集を見ることができます。
ちょっとうれしいサービスです。
製作費33百万ドルに対して興行収入2億45百万ドルなので、大ヒット作品といえるでしょう。
ジャッキー主演の米国映画で、初の米国内興行収入1億ドル突破作品だそうです。
それにしてもクリスタッカーの目力はすさまじいです。

ヒット映画を楽しみたいひとのために!
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【映画】ウィンター・ウォー/厳寒の攻防戦 [映画評]

第二次世界大戦における、ソ連軍とフィンランドで争われた冬戦争を舞台にした映画です。


ウィンター・ウォー 厳寒の攻防戦 オリジナル完全版 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2017/12/20
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主人公は最前線であるカレリア地峡で戦う一兵卒です。
ごく普通の農民の兄弟でしたが、戦争が避けられなくなると招集され、そのまま小銃を片手に最前線に立ちます。
兵士たちは中年兵が多く、雑多な集団です。
武器も兵士もソ連軍と比べると貧弱で、飛行機は一機もありません。
そんな最悪な前線で、雪の中に掘られた塹壕を頼りに戦い続けます。
兵士にはときおり休暇が与えられて、電車で本国へと帰ります。
主人公は悲惨な戦場と銃後の意識の違いを覚えながら(名作『西部戦線異状なし』に通じる描写です)、また悲惨な戦場へと戻っていきます。
ソ連軍の人海戦術の前に、フィンランド軍は壊滅寸前になりながら、休戦協定が結ばれます。
ラストは主人公のアップで終わりますが、その目線は、この戦争の意味を問いかけているかのようです。
という感じの映画です。
何回かマンネルヘイムという名前が登場しますが、冬戦争を知らないと何のことだかわからないと思います。
マンネルヘイムは日本だと東郷平八郎とか山本五十六みたいな感じでしょうか。国家を代表する天才軍略家です。
フィンランドの映画なので、そのあたりは知っている前提で進んでいきます。
ひたすら戦場の描写が続き、これという抑揚がありません。
中隊指揮官と大隊指揮官との軽い軋轢はありますが、これはどの戦場でもある話です。
ラスト近くで、フィンランド軍がソ連軍を撃退するシーンがあります。
ソ連軍はひたすら逃げるのですが、それがジョギングみたいで、追いかけるフィンランド軍も同じ感じで、画面から緊迫感が伝わってこなかったかも。
休戦協定が結ばれたニュースが伝わったとき、フィンランド軍とソ連軍が入り混じってお互いに万歳していますが、ちょっと考えにくいかも。
講和とはいえ、国土の10%を失ったわけですから。お互いの人的損害も大きく、とても平和を祝う気持ちにはならなかったと思います。
ひたすら続く戦闘シーンといい、オリジナルで3時間20分近い上映時間と言い、気合の入った大作だとは思いますが、ちょと平坦すぎるかもしれません。
本作はフィンランドのユッシ賞を6部門獲得し、アカデミー賞の外国語映画賞フィンランド部門に選出です。

日本ではあまり知られていない冬戦争のことを知りたいひとのために!
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【映画】ジョニー・イングリッシュ/気休めの報酬 [映画評]

Мr.ビーンで有名なローワン・アトキンソンがドジなスパイを演じる2作目です。


ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬 [Blu-ray]

ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 発売日: 2012/12/05
  • メディア: Blu-ray



映画はアトキンソン演じるジョニー・イングリッシュがチベットで修行しているシーンから始まります。
主人公はモザンビークで首相暗殺阻止に失敗して、左遷されれていました。
それからスパイとして復帰して中国首相の暗殺計画阻止のため動きますが、いつものように失敗ばかり。
中国種首相の暗殺を計画しているのは、ボルテックスという集団であること知ります。
そのボルテックスのメンバーに、イングリッシュが所属するМI7の職員もいることを知ります。
イングリッシュは二重スパイの陰謀を阻止できるのか、という感じです。
ビーンとは異なり、イングリッシュはそれなりにしゃべります。
シリアスなシーンも、アクションシーンもこなします。そうした中で、小ネタのギャグをどんどん挟んでいくスタイルです。
全体的に007のパロディで、ボンドガールもヒロインとして登場したりします。
専門家の評価は高くないようですが、個人的には十分に楽しめました。素直に笑いましたし、ストーリーも楽しめました。
コメディ映画として考えると、シリアスなシーンが多すぎた気もしますが、ビーンのイメージが強いアトキンソンの別の一面を見ることができたと思います。
製作費45百万ドルで興行収入1億59百万ドルですから、ぼちぼちの成績だと思います。

アトキンソンの新たな一面を見たい人のために!
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【映画】カポネ [映画評]

アルカポネの晩年を描いたフィクションです。


カポネ [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • 発売日: 2021/06/02
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アルカポネは1899年生まれで、主に1920年代にシカゴで暗躍した有名なギャングです。
1931年に逮捕されて1939年に出所しますが、梅毒の症状が悪化して、認知症の症状がでていました。
本映画は、出所後のアルカポネを主人公としています。
事実をもとにした部分はありますが、ノンフィクションではないようです。
アルカポネは豪邸に住みますが、金銭的にはひっ迫し、失禁するなど日常生活も困難になっています。
妄想もひどく、ときおり現実との区別がつかなくなります。
妻はそうしたアルカポネを献身的に介護します。
そうしたアルカポネとは別に2つの軸があります。
ひとつが隠し子のトニーです。トニーはときおりブルックリンから電話してきますが、まともな会話もせずに切ります。
アルカポネはトニーのことを気にかけてる様子が描かれます。
ふたつめの軸は隠し資産1000万ドルです。アルカポネは隠し場所を忘れています。
FBIもこの資金の行方を追っており、監視名目で捜査員が目視を続け、自宅を盗聴しています。
出入りの医者には、資金の行方を引き替えで、司法取引を持ち掛けます。
しかし、カポネは資金の場所を思い出すことはなく、映画は終わります。
隠し子も最後には自宅に来て、カポネと手をつなぎます。
という感じで、どうもはっきりしない終わり方です。
妻の献身をメインにすることもできたかな、と個人的は思えます。
1000万ドルもここまでひっぱって、不明で終わるというのもなんかなあと。広げた風呂敷が閉じていない感じがします。
ただ、アル・カポネを演じトム・ハーディーは熱演だったと思いますし、豪邸の風景とか、映像はとても良いと思います。
結果として、興行収入は75万ドルと百万ドルにも達しませんでした。残念。

トム・ハーディー演じるアルカポネを見たい人のために!
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【映画】光の旅人 [映画評]

ケビン・スぺイシーがK-PAXから来た宇宙人役を熱演です。


K-PAX 光の旅人 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2002/11/20
  • メディア: DVD



映画はある駅に突然中年男性、プロ―とが現れるところから始まります。
彼は強盗と間違えられて警察に逮捕され、自らを宇宙人と主張したことから精神病棟に放り込まれます。
プロ―トは自らが宇宙人と名乗る以外は実に理路整然と話し、未発表の宇宙の理論についても知っていました。
担当医はプロ―トの不思議な魅力に引き込まれていきます。
プロ―トは患者たちにも影響力を発揮し、ある患者には希望を与えて、ある患者には潔癖症を直したりします。
プロ―トは地球に来てから5年たった日に、K-PAXまで帰るといいます。そのときに1人だけつれていくと。
担当医はプロ―トの正体を探すため、催眠療法に取り組みます。プロ―トから語られた断片的な情報と、プロ―トが持っていた鉛筆から絞り出し、ついにプロ―トの正体を暴きます。
しかし、彼は認めません。
そしてK-PAXに帰る日になります。
プロ―トは光に包まれると……という感じの話です。
評論家の評価は高くないようです。けど、個人的にはよくできた映画だと思います。
最初に精神病棟に放り込まれるのが展開として上手いです。閉鎖せれた空間に押し込めることで、登場人物と場面を減らして、よりプロ―トの内部描写を深めることができます。
精神科医はプロ―トの話を信じませんが、細かいエピソードを積み重ねて、徐々に惹かれていく様子が見事に描かれています。
その惹かれていく様子を描写するために、家族とのシーンを挿入しています。かといって、家族と破綻することはありません。
プロ―トがK-PAXに帰ると言い始めたときがミッドポイントで、ここからミステリタッチで真相へと迫っていく加速感も良いです。
ラストシーンは、とってつけた感がありますが。
製作費が68百万ドルで、興行収入65百万ドルと赤字になってしまいました。
ですが、個人的にはよくできた映画だと思います。音楽も良いです。

ケビン・スぺイシーの熱演を堪能したいひとのために!
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