【映画】300<スリーハンドレッド> [映画評]
歴史上有名なペルシア戦争のテルモピュライの戦いを描いたアクション映画です。
少し歴史の話を。
ペルシア戦争とは、紀元前499年~紀元前449年に起こったペルシアとギリシア連合の戦いです。
テルモピュライの戦いは、第2回進攻時に起こった戦いで、僅か300のスパルタ兵を主体とするギリシャ連合軍が谷間に立てこもり、20万以上ともいわれるペルシア軍と互角に渡り合い、最期には全滅します。
「300」だけで通じるほど、戦史上有名な戦いです。
主体となるスパルタですが、軍事力に全振りしたダメダメ国家です。
経済も文化もダメダメで、極端な内向き国家で、大量の奴隷をわずかなスパルタ人で押さえつけている国です。
ペルシアの大軍が攻めてきたときも、国家の重要行事である「カルネイア祭の最中である」ということで拒否し、300を派遣するだけでも異例のことというまさに内向き国家の面目躍如です。
主人公はスパルタ王ですが、実はスパルタ王とはちょっと特殊な存在で、国家の代表者ではなく戦争になると軍隊を率いる司令官という位置づけです。実質的な権力を握るのは、1年交代のエフォルイという監察官みたいな存在です。
そのため、300という全滅必死の戦いでも、スパルタ王は前線に向かいます。
映画ではこのあたりの制度の説明は割愛されているので、ちょっと分かりにくいかもしれません。
さて映画ですが、完全なアクション映画です。
当時のギリシアの政治関係もすっとばして、とにかく戦争シーンを描くことに全振りです。
それなりに史実に沿いながらも、歴史考証もへったくれもなく、演出優先で進みます。
現実にはありえない大きさの象部隊が襲ってきたり、サイ部隊にいたってはなんだかなあ。
そもそも主人公のレオニダス1世が当時60前後と推測されているのに、40前の役者が演じているし。
けど、ここまで歴史考証を無視してくれると、逆に清々しいです。
ペルシア人をデタラメに描いているのでイランから苦情が来ますが、「この映画は、単にイラン人とスパルタ人の戦争物語を、史実と異なる形で語っているもので、歴史を正確に伝えるものではない。」との回答はジョークとして捉えると秀逸です。
歴史映画として見るとダメダメですが、アクション映画として見ると、派手で楽しめると思います。
ちなみにスパルタのメインは重装歩兵なので、ちゃんと鎧を着ているはずです。
ほぼ裸というのは、おそらく後世に描かれた絵の影響かと思います。
ただ、絵の場合は「神は裸」というルールがあり、神様扱いされていただけだと個人的には思っていたり。
製作費65百万ドルに対して興行収入4億56百万ドルの大ヒット映画となりました。
戦史上有名な300を舞台にしたアクション映画を楽しみたいひとのために!
300〈スリーハンドレッド〉 コンプリート・エクスペリエンス [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- 発売日: 2010/04/21
- メディア: Blu-ray
少し歴史の話を。
ペルシア戦争とは、紀元前499年~紀元前449年に起こったペルシアとギリシア連合の戦いです。
テルモピュライの戦いは、第2回進攻時に起こった戦いで、僅か300のスパルタ兵を主体とするギリシャ連合軍が谷間に立てこもり、20万以上ともいわれるペルシア軍と互角に渡り合い、最期には全滅します。
「300」だけで通じるほど、戦史上有名な戦いです。
主体となるスパルタですが、軍事力に全振りしたダメダメ国家です。
経済も文化もダメダメで、極端な内向き国家で、大量の奴隷をわずかなスパルタ人で押さえつけている国です。
ペルシアの大軍が攻めてきたときも、国家の重要行事である「カルネイア祭の最中である」ということで拒否し、300を派遣するだけでも異例のことというまさに内向き国家の面目躍如です。
主人公はスパルタ王ですが、実はスパルタ王とはちょっと特殊な存在で、国家の代表者ではなく戦争になると軍隊を率いる司令官という位置づけです。実質的な権力を握るのは、1年交代のエフォルイという監察官みたいな存在です。
そのため、300という全滅必死の戦いでも、スパルタ王は前線に向かいます。
映画ではこのあたりの制度の説明は割愛されているので、ちょっと分かりにくいかもしれません。
さて映画ですが、完全なアクション映画です。
当時のギリシアの政治関係もすっとばして、とにかく戦争シーンを描くことに全振りです。
それなりに史実に沿いながらも、歴史考証もへったくれもなく、演出優先で進みます。
現実にはありえない大きさの象部隊が襲ってきたり、サイ部隊にいたってはなんだかなあ。
そもそも主人公のレオニダス1世が当時60前後と推測されているのに、40前の役者が演じているし。
けど、ここまで歴史考証を無視してくれると、逆に清々しいです。
ペルシア人をデタラメに描いているのでイランから苦情が来ますが、「この映画は、単にイラン人とスパルタ人の戦争物語を、史実と異なる形で語っているもので、歴史を正確に伝えるものではない。」との回答はジョークとして捉えると秀逸です。
歴史映画として見るとダメダメですが、アクション映画として見ると、派手で楽しめると思います。
ちなみにスパルタのメインは重装歩兵なので、ちゃんと鎧を着ているはずです。
ほぼ裸というのは、おそらく後世に描かれた絵の影響かと思います。
ただ、絵の場合は「神は裸」というルールがあり、神様扱いされていただけだと個人的には思っていたり。
製作費65百万ドルに対して興行収入4億56百万ドルの大ヒット映画となりました。
戦史上有名な300を舞台にしたアクション映画を楽しみたいひとのために!
【映画】ザ・シェル / 第三次大戦 [映画評]
AIの反乱という使い古された設定にドンデン返しが付いたSFです。
舞台はAIの反乱により、人類が限られた居住区に細々と生活している近未来です。
主人公は地球防衛軍の軍曹で、AIのドローンを退治するのが仕事です。
しかし、ドローンに反撃されて半身不随になります。
これがひとつ目の軸。
もうひとつの軸はアバターです。
人類はアバターというロボットを開発することに成功し、そのロボットに精神を移すことで新しい自分を手に入れることができます。
そのアバターを使用するには料金を払う必要がありますが、延滞者が多数いるようで、その延滞者を捜索するための探偵2人組がいます。
これが2つめの軸。
3つめの軸は反政府組織です。半身不随になった主人公は妹の助言でアバターを借りますが、そのアバターが実は反政府組織の人間と同じだったため、テロリストたちと知り合いになります。
この3つ軸が交差します。
オチから言うと、これ、全て夢オチです。
主人公が半身不随というのだけが正しくて、主人公は仮想現実の世界に生きており、ただシステムによる反作用による時間軸がひっくりかえったりしていたようです。
設定がかなり盛り込みすぎなのうえに、システム障害による様々な混乱があると言われても、正しい時間軸がよく分かりません。
ところどころ、かなりショボいCGがでてきます。
俳優の演技も主要キャラ以外は二流です。
おそらくかなりの低予算だと思われますが、そう考えると、頑張って作った映画だと思います。
それにしても他の映画でも言えますが、ロボットと戦うのになんでサブマシンガンなんですかね。サブマシンガンは対人兵器だと思うのですが。
アイデアを盛り込んだ低予算(と思われる)SFを楽しみたいひとのために!
舞台はAIの反乱により、人類が限られた居住区に細々と生活している近未来です。
主人公は地球防衛軍の軍曹で、AIのドローンを退治するのが仕事です。
しかし、ドローンに反撃されて半身不随になります。
これがひとつ目の軸。
もうひとつの軸はアバターです。
人類はアバターというロボットを開発することに成功し、そのロボットに精神を移すことで新しい自分を手に入れることができます。
そのアバターを使用するには料金を払う必要がありますが、延滞者が多数いるようで、その延滞者を捜索するための探偵2人組がいます。
これが2つめの軸。
3つめの軸は反政府組織です。半身不随になった主人公は妹の助言でアバターを借りますが、そのアバターが実は反政府組織の人間と同じだったため、テロリストたちと知り合いになります。
この3つ軸が交差します。
オチから言うと、これ、全て夢オチです。
主人公が半身不随というのだけが正しくて、主人公は仮想現実の世界に生きており、ただシステムによる反作用による時間軸がひっくりかえったりしていたようです。
設定がかなり盛り込みすぎなのうえに、システム障害による様々な混乱があると言われても、正しい時間軸がよく分かりません。
ところどころ、かなりショボいCGがでてきます。
俳優の演技も主要キャラ以外は二流です。
おそらくかなりの低予算だと思われますが、そう考えると、頑張って作った映画だと思います。
それにしても他の映画でも言えますが、ロボットと戦うのになんでサブマシンガンなんですかね。サブマシンガンは対人兵器だと思うのですが。
アイデアを盛り込んだ低予算(と思われる)SFを楽しみたいひとのために!
【映画】L.A.コンフィデンシャル [映画評]
アカデミー賞9部門ノミネートを始めとする受賞多数です。
公開は1997年です。
ケビンスぺイシーは当時38歳ですが、本当におっさん顔です。
舞台は1950年代のLAです。
有名なギャング、ミッキーコーエンが逮捕され、LAの暗黒街は力の空白状態になっていました。
主役は3人の刑事です。
ケビン・スぺイシー演じる刑事は、週刊誌の記者とつるんで、金で情報を交換する癒着刑事。
ラッセル・クロウが演じるのは、すぐに手が出る暴力刑事。
ガイ・スピアーズが演じるのはインテリ系の堅物刑事です。
ざっくり筋を話すと、ある飲食店で凄惨な事件が起き、元刑事が殺害されます。
この捜査をしている中で堅物刑事が犯人と銃撃戦となり、容疑者3人を撃ち殺します。
この功績で勲章を受けるのですが、実はこの3人は無関係で、無実の人物でした。
堅物刑事は自らの功績を投げ捨てても、いままで仲たがいしていた刑事たちに協力を要請し、真実に近づいていきます。
という感じの映画です。
基本的には堅物刑事の視点で進みますが、実質的に主人公が3人という盛りだくさんの映画です。
冒頭で3人のキャラを印象付けるためにそれぞれ小さなエピソードを入れていますが、この部分がモサモサする印象を受けました。
けど、具体的なストーリーに入ってからは、3人がバランスよく登場し、想像していたよりすっと観ることができました。堅物刑事に暴力刑事は感情的に反発し、癒着刑事は軽蔑します。
しかし、最後には堅物刑事の味方になるという人間ドラマ的な要素も強いです。
個人的には盛り込みすぎかなと思いましたが、受賞多数の傑作サスペンスとして評価される作品となりました。
興行収入も全世界で1億26百万ドルと1億ドルを超えています。
様々な映画本で言及される、有名サスペンス映画を楽しみたいひとのために!
L.A.コンフィデンシャル 製作20周年記念版 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン
- 発売日: 2021/04/21
- メディア: Blu-ray
公開は1997年です。
ケビンスぺイシーは当時38歳ですが、本当におっさん顔です。
舞台は1950年代のLAです。
有名なギャング、ミッキーコーエンが逮捕され、LAの暗黒街は力の空白状態になっていました。
主役は3人の刑事です。
ケビン・スぺイシー演じる刑事は、週刊誌の記者とつるんで、金で情報を交換する癒着刑事。
ラッセル・クロウが演じるのは、すぐに手が出る暴力刑事。
ガイ・スピアーズが演じるのはインテリ系の堅物刑事です。
ざっくり筋を話すと、ある飲食店で凄惨な事件が起き、元刑事が殺害されます。
この捜査をしている中で堅物刑事が犯人と銃撃戦となり、容疑者3人を撃ち殺します。
この功績で勲章を受けるのですが、実はこの3人は無関係で、無実の人物でした。
堅物刑事は自らの功績を投げ捨てても、いままで仲たがいしていた刑事たちに協力を要請し、真実に近づいていきます。
という感じの映画です。
基本的には堅物刑事の視点で進みますが、実質的に主人公が3人という盛りだくさんの映画です。
冒頭で3人のキャラを印象付けるためにそれぞれ小さなエピソードを入れていますが、この部分がモサモサする印象を受けました。
けど、具体的なストーリーに入ってからは、3人がバランスよく登場し、想像していたよりすっと観ることができました。堅物刑事に暴力刑事は感情的に反発し、癒着刑事は軽蔑します。
しかし、最後には堅物刑事の味方になるという人間ドラマ的な要素も強いです。
個人的には盛り込みすぎかなと思いましたが、受賞多数の傑作サスペンスとして評価される作品となりました。
興行収入も全世界で1億26百万ドルと1億ドルを超えています。
様々な映画本で言及される、有名サスペンス映画を楽しみたいひとのために!
【映画】便座・オブ・ザ・デット [映画評]
トイレに閉じ込められた配管工がゾンビに襲われる話です。
ある企業でクリスマスパーティーが行われていました。
そこに作業服姿の主人公は女性トイレに入ります。
なかなか怪しいです。
実は主人公はプチ悪人で、トイレットペーパー泥棒の疑いをかけられたことを腹いせに、上司に工具箱とチャリティーの売り上げを盗んで女子トイレに隠れているのでした。
そこに次々と現れるゾンビ。主人公はトイレから脱出できなくなります。
ここにいる人間は主人公だけかとおもったら、別の個室にもうひとりいました。
その女性から主人公は罵倒されますが、最後は元気づけられて、壁を突き破って脱出しようとします。
しかし、そこにもゾンビがいて逃げ道がふさがれています。
主人公は女性を助けようとしますが、彼女は雌牛と呼ばれて蔑まれている女性で、彼女は主人公にお詫びをして自らゾンビに食われていきます。
で主人公はなぜかトイレットペーパーを体に巻き付けることで脱出に成功します(なぜ?)。
で主人公は公衆電話で長らく没交渉だった母親に電話をして和解をしますが、そこもゾンビに囲まれて「トイレに戻りたい」とつぶやいて終わります。
うーん。
B級ならB級で突き進めばいいのに、余計な人間ドラマをつけてしまうのがなんだかなあ。
クリスマスパーティーの格好をしているゾンビが多少珍しいですが、もっとクリスマスパーティーという設定を活かしたアイデアが欲しいところ。
また、せっかくトイレに閉じ込められているのだから、もっとトイレだからこその道具を使った、奇想天外な脱出方法を思いついて欲しかったかも。
金に執着する主人公が最後に金を寄付するのが主人公の成長と言えるかもしれませんが、ポイントがズレている。そこじゃないだろうと。
雌牛を出したのは、やっぱりトイレとゾンビだけでは尺が足らなかったからですね。
B級ゾンビ映画を楽しみたいひとのために!
ある企業でクリスマスパーティーが行われていました。
そこに作業服姿の主人公は女性トイレに入ります。
なかなか怪しいです。
実は主人公はプチ悪人で、トイレットペーパー泥棒の疑いをかけられたことを腹いせに、上司に工具箱とチャリティーの売り上げを盗んで女子トイレに隠れているのでした。
そこに次々と現れるゾンビ。主人公はトイレから脱出できなくなります。
ここにいる人間は主人公だけかとおもったら、別の個室にもうひとりいました。
その女性から主人公は罵倒されますが、最後は元気づけられて、壁を突き破って脱出しようとします。
しかし、そこにもゾンビがいて逃げ道がふさがれています。
主人公は女性を助けようとしますが、彼女は雌牛と呼ばれて蔑まれている女性で、彼女は主人公にお詫びをして自らゾンビに食われていきます。
で主人公はなぜかトイレットペーパーを体に巻き付けることで脱出に成功します(なぜ?)。
で主人公は公衆電話で長らく没交渉だった母親に電話をして和解をしますが、そこもゾンビに囲まれて「トイレに戻りたい」とつぶやいて終わります。
うーん。
B級ならB級で突き進めばいいのに、余計な人間ドラマをつけてしまうのがなんだかなあ。
クリスマスパーティーの格好をしているゾンビが多少珍しいですが、もっとクリスマスパーティーという設定を活かしたアイデアが欲しいところ。
また、せっかくトイレに閉じ込められているのだから、もっとトイレだからこその道具を使った、奇想天外な脱出方法を思いついて欲しかったかも。
金に執着する主人公が最後に金を寄付するのが主人公の成長と言えるかもしれませんが、ポイントがズレている。そこじゃないだろうと。
雌牛を出したのは、やっぱりトイレとゾンビだけでは尺が足らなかったからですね。
B級ゾンビ映画を楽しみたいひとのために!
【映画】処刑山/ナチゾンビVSソビエトゾンビ [映画評]
もうタイトルだけでそそられる映画です。
ナチとソビエトが登場しますが、ドイツでもロシアでもなくノルウェーの映画です。
ノルウェーは冬戦争でソビエトに侵略されたこともあり、大戦初期はドイツ側に立って参戦していました。
もちろん祖国は戦場になっています。
さて映画ですが、主人公たちが山荘でナチスの財宝を発見します。それが引き金となり、ナチスのゾンビが復活。山荘の仲間だちは主人公を残して全滅します。
主人公もナチゾンビに噛まれますが、その腕を切り落として脱出に成功します。
で、主人公が病院で目覚めると、なんと腕が復活しています。
「車の中に腕が残っていたから、縫合に成功したよ」
と医者にいわれますが、間違ってゾンビの腕を付けられてします。この腕の制御が難しく、意図せずに人を殺してしまいますが、この腕の力でゾンビとしての特殊能力に目覚めます。
ところで目覚めて進撃するナチゾンビ軍。このゾンビの目的はヒトラーの指令、村の住民皆殺しが目的です。
彼ら人対抗するため、主人公はナチスに殺害されたソビエト軍をゾンビとして復活させます。
というのがざっくりストーリです。
思ったより面白かったです。
ゾンビの腕を縫合されたシーンには笑ってしまいました。
途中で対ゾンビの専門家と称するゾンビスクワット(という名前の素人)が登場しますが、ちょっとキャラが滑っているかも。素人なのに妙に強かったりして。
ゾンビスクワットより、途中で仲間にしたゾンビが良い味がでています。間違って倒されたり、空回りする車を脱出させるための踏み台になったり、もう散々な扱いです。
終盤もとても良いです。3の法則を意識した構成になっており、ソビエトゾンビ軍で解決するかと思ったら、ナチスゾンビ軍に負けてしまいます。
一騎打ちで倒した、と思ったら逆襲されて主人公はピンチ。そして解決という流れです。
また前半は主人公は逃げるだけですが、特殊能力に気づいてからは反撃にでるといったミッドポイントも明確です。
主人公はゾンビに恋人を殺されているので、戦いには個人的復讐という目的もあります。あまり強く表現はされてはいませんが。
いちおうゾンビ軍が村に到着というタイムリミットの設定もされています。
一本調子にならないように、ダメダメ警官もチョクチョク顔をだします。
B級映画であることは間違いありませんが、B級映画としてみると、とても真面目に作られています。
なかなか楽しめました。B級映画のピカイチです。
ナチゾンビというパワーワードに惹かれるひとたちのために!
ナチとソビエトが登場しますが、ドイツでもロシアでもなくノルウェーの映画です。
ノルウェーは冬戦争でソビエトに侵略されたこともあり、大戦初期はドイツ側に立って参戦していました。
もちろん祖国は戦場になっています。
さて映画ですが、主人公たちが山荘でナチスの財宝を発見します。それが引き金となり、ナチスのゾンビが復活。山荘の仲間だちは主人公を残して全滅します。
主人公もナチゾンビに噛まれますが、その腕を切り落として脱出に成功します。
で、主人公が病院で目覚めると、なんと腕が復活しています。
「車の中に腕が残っていたから、縫合に成功したよ」
と医者にいわれますが、間違ってゾンビの腕を付けられてします。この腕の制御が難しく、意図せずに人を殺してしまいますが、この腕の力でゾンビとしての特殊能力に目覚めます。
ところで目覚めて進撃するナチゾンビ軍。このゾンビの目的はヒトラーの指令、村の住民皆殺しが目的です。
彼ら人対抗するため、主人公はナチスに殺害されたソビエト軍をゾンビとして復活させます。
というのがざっくりストーリです。
思ったより面白かったです。
ゾンビの腕を縫合されたシーンには笑ってしまいました。
途中で対ゾンビの専門家と称するゾンビスクワット(という名前の素人)が登場しますが、ちょっとキャラが滑っているかも。素人なのに妙に強かったりして。
ゾンビスクワットより、途中で仲間にしたゾンビが良い味がでています。間違って倒されたり、空回りする車を脱出させるための踏み台になったり、もう散々な扱いです。
終盤もとても良いです。3の法則を意識した構成になっており、ソビエトゾンビ軍で解決するかと思ったら、ナチスゾンビ軍に負けてしまいます。
一騎打ちで倒した、と思ったら逆襲されて主人公はピンチ。そして解決という流れです。
また前半は主人公は逃げるだけですが、特殊能力に気づいてからは反撃にでるといったミッドポイントも明確です。
主人公はゾンビに恋人を殺されているので、戦いには個人的復讐という目的もあります。あまり強く表現はされてはいませんが。
いちおうゾンビ軍が村に到着というタイムリミットの設定もされています。
一本調子にならないように、ダメダメ警官もチョクチョク顔をだします。
B級映画であることは間違いありませんが、B級映画としてみると、とても真面目に作られています。
なかなか楽しめました。B級映画のピカイチです。
ナチゾンビというパワーワードに惹かれるひとたちのために!
【映画】ザ・プレイヤー [映画評]
ハリウッドを舞台にした異色ミステリです。
主人公を演じるのはティム・ロビンス。『ヨーシャンクの空に』の主演で知られています。
主人公のミルは映画会社重役です。仕事は脚本の売り込みに来る脚本家への対応とジャッジです。
そんなミルに、恨みつらみがこもったはがきが繰り返し届きます。
ミルは過去の対応記録からある売れない脚本家が犯人だと判断しますが、人違いで、しかも成り行きで相手を殺してしまいます。
そして、これまた成り行きで、殺した相手の恋人といい関係になってしまいます。
ミルは社内恋愛をしていましたが、その彼女を露骨に遠ざけます。
はがきは続くし、警察もミルを疑います。
その後、目撃者が現れ、面通しに呼ばれます。しかし、目撃者はミルをマークしてきた警察官を指さして、ミルは救われます。
元恋人は会社を首になります。
その後、ミルに一本の売り込みが入ります。
それはいままでのミルの行動についてですが、結末は「死んだ男の恋人と末永く暮らす」だったので、「その結末のままなら契約しよう」と答えます。
そして、ミルは恋人と幸せに生活するところで映画は終わります。
これ、明瞭には描かれていませんが、ようするにハガキの人物は、警察官ですね。
だから面通しで、その警察官が名指しされてしまったと。
それもひとつの計画で、最終的には”脚本の売り込み”という名目で、口止め料を得ることに成功した。
そんなコンゲームです。ただ、これらの要素が観客に明瞭に提示されるわけではないので、後で考えてください、という不親切な映画でもあります。
そういう意味では、通向けなんでしょうね。映画が終わった後の謎解きを楽しむといいますか。
映画では何度も「ハッピーエンドが求められる」というセリフがでますが、これがハッピーエンドかというと、なんともかんとも。会社を追い出される元恋人がかわいそうで。
製作費8百万ドルで興行収入22百万ドルという結果に終わりました。
アカデミー賞3部門ノミネートです。
通向けの映画を楽しみたいひとのために!
主人公を演じるのはティム・ロビンス。『ヨーシャンクの空に』の主演で知られています。
主人公のミルは映画会社重役です。仕事は脚本の売り込みに来る脚本家への対応とジャッジです。
そんなミルに、恨みつらみがこもったはがきが繰り返し届きます。
ミルは過去の対応記録からある売れない脚本家が犯人だと判断しますが、人違いで、しかも成り行きで相手を殺してしまいます。
そして、これまた成り行きで、殺した相手の恋人といい関係になってしまいます。
ミルは社内恋愛をしていましたが、その彼女を露骨に遠ざけます。
はがきは続くし、警察もミルを疑います。
その後、目撃者が現れ、面通しに呼ばれます。しかし、目撃者はミルをマークしてきた警察官を指さして、ミルは救われます。
元恋人は会社を首になります。
その後、ミルに一本の売り込みが入ります。
それはいままでのミルの行動についてですが、結末は「死んだ男の恋人と末永く暮らす」だったので、「その結末のままなら契約しよう」と答えます。
そして、ミルは恋人と幸せに生活するところで映画は終わります。
これ、明瞭には描かれていませんが、ようするにハガキの人物は、警察官ですね。
だから面通しで、その警察官が名指しされてしまったと。
それもひとつの計画で、最終的には”脚本の売り込み”という名目で、口止め料を得ることに成功した。
そんなコンゲームです。ただ、これらの要素が観客に明瞭に提示されるわけではないので、後で考えてください、という不親切な映画でもあります。
そういう意味では、通向けなんでしょうね。映画が終わった後の謎解きを楽しむといいますか。
映画では何度も「ハッピーエンドが求められる」というセリフがでますが、これがハッピーエンドかというと、なんともかんとも。会社を追い出される元恋人がかわいそうで。
製作費8百万ドルで興行収入22百万ドルという結果に終わりました。
アカデミー賞3部門ノミネートです。
通向けの映画を楽しみたいひとのために!
【映画】オペレーション・ミンスミート/ナチを欺いた死体 [映画評]
第二次世界大戦でイギリスが実行したミンスミート作戦の映画化です。
ミンスミート作戦とは、シチリア侵攻を前にした連合国が、ドイツ軍に連合国の進攻方向はギリシャだと誤認させるために実行した作戦です。
作戦内容としては、地中海に機密書類を持たせた溺死体を流すというものです。
映画の主人公は元弁護士で、いまは海軍省で少佐となっている初老の男性です。
彼と秘書のへスターのコンビで作戦の詳細が詰められていきます。
この作戦に懐疑的な提督は、へスターに主人公を監視するよう命じます。
主人公は秘密を守るために、また様々な要因で妻を米国に送り出します。
妻は夫ではなく海軍省にいる同僚と文通を続けます。
死体をより現実的な人物とするために、ジーンは死体の恋人役になります。
そのジーンがより恋人らしくふるまうように、主人公がその相手となりますが、いつしか本物の恋心を抱いてしまいます。
そのことをへスターに指摘されます。
こうした人間関係で一時はチームが危機に陥りますが、ミンスミート作戦は成功し、主人公とへスターが一緒に飲みに行こうということろで映画は終わります。
さて、この作品ですが、ミンスミート作戦半分、人間関係半分といったところです。
ミンスミート作戦に興味があったので、作戦メインにしてほしかったところですが、それでは一般受けが難しかったのかも。
実際の作戦では、溺死体を偽装することに決定するまで様々な議論があったようですが、映画では大胆にカット。最初から溺死体ありきです。
身分証明書を作るために似た人物を探しだしたり、機密書類をイギリスも探していることを偽装するために大使館を動かしたり、その大使館の情報屋がホモだったり(多様性への配慮?)、この作戦実行後の話はとても面白かったです。
全体的に、それなりに満足できる作品だと思います。
製作費6百万ドルで興行収入16百万ドルですから、トントンでしょうか。
とても経済的な作品だと思います。
ミンスミート作戦に興味のあるひとのために!
オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体― [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ギャガ
- 発売日: 2023/06/02
- メディア: Blu-ray
ミンスミート作戦とは、シチリア侵攻を前にした連合国が、ドイツ軍に連合国の進攻方向はギリシャだと誤認させるために実行した作戦です。
作戦内容としては、地中海に機密書類を持たせた溺死体を流すというものです。
映画の主人公は元弁護士で、いまは海軍省で少佐となっている初老の男性です。
彼と秘書のへスターのコンビで作戦の詳細が詰められていきます。
この作戦に懐疑的な提督は、へスターに主人公を監視するよう命じます。
主人公は秘密を守るために、また様々な要因で妻を米国に送り出します。
妻は夫ではなく海軍省にいる同僚と文通を続けます。
死体をより現実的な人物とするために、ジーンは死体の恋人役になります。
そのジーンがより恋人らしくふるまうように、主人公がその相手となりますが、いつしか本物の恋心を抱いてしまいます。
そのことをへスターに指摘されます。
こうした人間関係で一時はチームが危機に陥りますが、ミンスミート作戦は成功し、主人公とへスターが一緒に飲みに行こうということろで映画は終わります。
さて、この作品ですが、ミンスミート作戦半分、人間関係半分といったところです。
ミンスミート作戦に興味があったので、作戦メインにしてほしかったところですが、それでは一般受けが難しかったのかも。
実際の作戦では、溺死体を偽装することに決定するまで様々な議論があったようですが、映画では大胆にカット。最初から溺死体ありきです。
身分証明書を作るために似た人物を探しだしたり、機密書類をイギリスも探していることを偽装するために大使館を動かしたり、その大使館の情報屋がホモだったり(多様性への配慮?)、この作戦実行後の話はとても面白かったです。
全体的に、それなりに満足できる作品だと思います。
製作費6百万ドルで興行収入16百万ドルですから、トントンでしょうか。
とても経済的な作品だと思います。
ミンスミート作戦に興味のあるひとのために!
【映画】河内山宗俊 [映画評]
1936年公開の山中貞雄監督作品です。
山中貞雄は28歳で戦病死するまで26本の映画を残しましたが、現代までまとまった形でフィルムが伝わっているのが3作品しかありません。
100年も経っていないのですが、初期の映画産業はフィルムを残すという感覚がなかったのかもしれません。時代的制約もあります。
そうした山中作品ですが、本作はあまり評判がよろしくなかったようです。
ストーリーとしては、甘酒屋を営む娘の弟が道楽息子で、弱いくせにやくざ稼業にあこがれ、盗みをしたり、幼馴染の花魁と入水して自分だけ助かったりと、姉を困らせばかりいます。
花魁を死なせたことで、見受け代の300両を要求され、やむなく姉が身売りすることになります。
その姉を、ヤクザの用心棒金子と主人公の河内山宗俊が助けます。
という感じのストーリーですが、いかんせん、主人公のキャラが立っていません。
というより、実質的な主人公は用心棒の金子で、河内山宗俊は何者なのかよく分かりません。
主役は「優れている部分」と「不足している部分(親しみやすい部分)」の両方が必要ですが、両方とも尖っていないというか、キャラ的に完全に金子に食われています。
物語をひっかきまわすダメ弟も、最後までダメで、河内山からもらったお金をもって姉の元に走る……だけではダメだろうと。
何もできないのに、襲ってきたヤクザには扉の向こう側から粋がったりして。
原作は劇作家として江戸から明治中期に活躍した河竹黙阿弥で、初上演は明治7年です。
ジャンルとしては世話物・白波物ですが、型に縛られた時代的制約があったのかもしれません。
山中貞雄のファンのために!
山中貞雄は28歳で戦病死するまで26本の映画を残しましたが、現代までまとまった形でフィルムが伝わっているのが3作品しかありません。
100年も経っていないのですが、初期の映画産業はフィルムを残すという感覚がなかったのかもしれません。時代的制約もあります。
そうした山中作品ですが、本作はあまり評判がよろしくなかったようです。
ストーリーとしては、甘酒屋を営む娘の弟が道楽息子で、弱いくせにやくざ稼業にあこがれ、盗みをしたり、幼馴染の花魁と入水して自分だけ助かったりと、姉を困らせばかりいます。
花魁を死なせたことで、見受け代の300両を要求され、やむなく姉が身売りすることになります。
その姉を、ヤクザの用心棒金子と主人公の河内山宗俊が助けます。
という感じのストーリーですが、いかんせん、主人公のキャラが立っていません。
というより、実質的な主人公は用心棒の金子で、河内山宗俊は何者なのかよく分かりません。
主役は「優れている部分」と「不足している部分(親しみやすい部分)」の両方が必要ですが、両方とも尖っていないというか、キャラ的に完全に金子に食われています。
物語をひっかきまわすダメ弟も、最後までダメで、河内山からもらったお金をもって姉の元に走る……だけではダメだろうと。
何もできないのに、襲ってきたヤクザには扉の向こう側から粋がったりして。
原作は劇作家として江戸から明治中期に活躍した河竹黙阿弥で、初上演は明治7年です。
ジャンルとしては世話物・白波物ですが、型に縛られた時代的制約があったのかもしれません。
山中貞雄のファンのために!
【映画】丹下左善余話/百萬両の壺 [映画評]
キネマ旬報社が2009年に発表した日本映画オールタイム7位に入った名作時代劇です。
1935年公開の映画です。
主人公は丹下佐善で、隻眼隻腕の凄腕剣士。時代劇のヒーローです。
監督の山中貞雄は戦前にわずか5年のキャリアで26本の時代劇映画を発表しましたが、戦争でわずか28歳で亡くなった伝説の人物です。
さて映画ですが、百万両の壺のありかが描かれたツボを巡る話です。
その壺は価値を知らなかった柳生本家から、江戸の剣術道場に婿養子として追い払われた次男に捨て銭のように渡され、その剣術道場でもゴミとして屑屋に売り払われます。
その屑屋は近所の子供に、金魚用に譲り渡します。
こんな感じで進むのですが、この子供が物語のキーになります。
丹下左膳は矢屋の居候ですが、矢屋での騒動で客の一人が闇討ちされてしまいます。
その客が壺を譲られた子供で、丹下左膳はひとりぼっちのその子供に父親が死んだと言えずにつれて帰ります。
この辺りのやり取りが傑作です。
矢屋の女将さんも、「子供なんて嫌い、早く追い出せ」といいながら、なんだかんだと子供を引き取り、かわいがります。
丹下左膳はいつ真実を言おうかと思っているのですが、子供が思わぬことを言って、結局言えません。
いやはや、笑ってしまいます。
お金に困った丹下左膳が道場破りをするのですが、その道場主が実は矢屋の常連で丹下左膳とも仲が良い。
まさに鉄板コメディです。
カメラワークも構成も考え抜かれており、現代にも通じる映像です。ラストはちゃんとタイムリミットも設定されています。
そして、結局、壺を売らないもの、その壺を売らない理由もしっかりしていて、奇麗なラストです。
このラストのために、伏線が引かれているのも分かります。
時代劇というと殺陣のイメージがありますが、本作では殺陣のシーンはごくわずかです。
とても昭和10年の作品とは思いません。山中監督が28歳で戦病死したのが本当に残念です。
現代にも通じる戦前の傑作時代劇を楽しみたいひとのために!
1935年公開の映画です。
主人公は丹下佐善で、隻眼隻腕の凄腕剣士。時代劇のヒーローです。
監督の山中貞雄は戦前にわずか5年のキャリアで26本の時代劇映画を発表しましたが、戦争でわずか28歳で亡くなった伝説の人物です。
さて映画ですが、百万両の壺のありかが描かれたツボを巡る話です。
その壺は価値を知らなかった柳生本家から、江戸の剣術道場に婿養子として追い払われた次男に捨て銭のように渡され、その剣術道場でもゴミとして屑屋に売り払われます。
その屑屋は近所の子供に、金魚用に譲り渡します。
こんな感じで進むのですが、この子供が物語のキーになります。
丹下左膳は矢屋の居候ですが、矢屋での騒動で客の一人が闇討ちされてしまいます。
その客が壺を譲られた子供で、丹下左膳はひとりぼっちのその子供に父親が死んだと言えずにつれて帰ります。
この辺りのやり取りが傑作です。
矢屋の女将さんも、「子供なんて嫌い、早く追い出せ」といいながら、なんだかんだと子供を引き取り、かわいがります。
丹下左膳はいつ真実を言おうかと思っているのですが、子供が思わぬことを言って、結局言えません。
いやはや、笑ってしまいます。
お金に困った丹下左膳が道場破りをするのですが、その道場主が実は矢屋の常連で丹下左膳とも仲が良い。
まさに鉄板コメディです。
カメラワークも構成も考え抜かれており、現代にも通じる映像です。ラストはちゃんとタイムリミットも設定されています。
そして、結局、壺を売らないもの、その壺を売らない理由もしっかりしていて、奇麗なラストです。
このラストのために、伏線が引かれているのも分かります。
時代劇というと殺陣のイメージがありますが、本作では殺陣のシーンはごくわずかです。
とても昭和10年の作品とは思いません。山中監督が28歳で戦病死したのが本当に残念です。
現代にも通じる戦前の傑作時代劇を楽しみたいひとのために!
【映画】セブン・チャンス [映画評]
バスターキートン監督主演の1925年公開のコメディです。
当時はサイレント映画の時代。
主人公は経営者です。彼の会社が倒産寸前に追い込まれるのですが、彼のもとに遺産が転がり込むことになります。
ただし、ひとつの条件がありました。
それは27歳になった日の午後7時までに結婚すること。
その肝心な誕生日は、本日でした。
主人公には愛する恋人がいましたが、遺産のために結婚すると言ってしまい、みごとに振られてしまいます。
それから、主人公は結婚相手を探すために奮闘します。
という感じのコメディです。
基本的に全編を通じドタバタ喜劇です。
特殊効果がなかった時代に、山を越えたり、クレーンに吊り下げられたり、木に飛び込んだりします。
撮影法が分かるシーンもありますが、クレーンの吊り下げは命綱があっても危険そうです。
とにかく知恵を尽くしたんだな、という感じがします。
ラストはほっこり、納まるべきところに収まる安心設計です。
バスター・キートンの映画を見てみたいひとのために!
当時はサイレント映画の時代。
主人公は経営者です。彼の会社が倒産寸前に追い込まれるのですが、彼のもとに遺産が転がり込むことになります。
ただし、ひとつの条件がありました。
それは27歳になった日の午後7時までに結婚すること。
その肝心な誕生日は、本日でした。
主人公には愛する恋人がいましたが、遺産のために結婚すると言ってしまい、みごとに振られてしまいます。
それから、主人公は結婚相手を探すために奮闘します。
という感じのコメディです。
基本的に全編を通じドタバタ喜劇です。
特殊効果がなかった時代に、山を越えたり、クレーンに吊り下げられたり、木に飛び込んだりします。
撮影法が分かるシーンもありますが、クレーンの吊り下げは命綱があっても危険そうです。
とにかく知恵を尽くしたんだな、という感じがします。
ラストはほっこり、納まるべきところに収まる安心設計です。
バスター・キートンの映画を見てみたいひとのために!