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【映画】ターミナル [映画評]

パスポートが無効となり空港に閉じ込めれらた男が繰り広げるハートフルコメディです。


ターミナル [Blu-ray]

ターミナル [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント
  • 発売日: 2019/04/24
  • メディア: Blu-ray



主人公が架空の国クラコウジアからきた旅行者です。演じるのはトム・ハンクスです。
NYの空港に降り立ちますが、母国にクーデターが発生し、パスポートが無効になります。
アメリカに入国できず、かといって戦争中であるため母国に帰れず、空港に足止めされてしまいます。
空港の保安責任者であるディクソンは、主人公を厄介者として扱い、責任回避のためはやく空港から外にだしたくてたまりません。
ところがなかなかうまくいきません。
主人公は戦争が終わるのを待つしかありません。
主人公は空港に住み着き、仕事を見付け、いつしか空港内の人気者になっていきます。
客室乗務員との恋も始まります。
映画終盤で戦争が終わりますが、ディクソンは即刻帰国するよう命令します。命令に背かないと、仲間たちを首にすると脅します。
しかし、仲間のグプタが帰国便を止めて自ら首になる道を選び、それをみた主人公は空港を出てNYへと向かい、目的を果たします。
という感じの映画です。
本作にはモデルがいます。
1988年から2006年までシャルル・ド・ゴール空港で生活していたマーハン・カリミ・ナセルです。
ただモデルをそのまま映画にするのではなく、奇妙な設定を活かしつつ、そこからハートフルコメディに仕立て上げるのおはスティーブン・スピルバーグの技だと思います。
構成としては、フォレスト・ガンプに近いのかなと思います。
フォレストガンプは大きな目的に向かって突き進む映画ではなく、細かいエピソードを繋ぐ映画です。
ターミナルも同じで、いちおう主人公には目的があるのですが、それに向かって突き進む映画ではなく、基本的には細かいエピソードの数珠繋ぎです。
このエピソードの繋ぎ方が絶妙です。
最初は独りぼっちの状態からスタートしますが、少しずつ生活の知恵を身に着け、自らの特技を生かすことで空港のひとたちを味方にしていきます。
それぞれのエピソードが繋がるように工夫されており、前のエピソードが後のエピソードの伏線の役割を果たしているというのが、なかなか憎いです。
楽しんで映画を見られる2時間だと思います。
ちなみに音楽は巨匠、ジョン・ウィリアムズです。ハリーポッターシリーズの音楽で有名です。
製作費60百万ドルで、興行収入2億19百万ドルの大ヒットとなりました。

スティーブン・スピルバーグとトム・ハンクスのコンビを楽しみたいひとのために!
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【書評】山川健一・今井昭彦・葦沢かもめ『小説を書く人のAI活用術』 [書評]

小説作成の新しい手法を提案です。


小説を書く人のAI活用術 AIとの対話で物語のアイデアが広がる

小説を書く人のAI活用術 AIとの対話で物語のアイデアが広がる

  • 出版社/メーカー: インプレス
  • 発売日: 2024/10/17
  • メディア: Kindle版



AIの進歩はすさまじいです。
AIで絵を描くことは一般的となり、その分野は小説にも及んでいます。
本書はベテラン作家ながらAIの活用に積極的な山川健一、どんでん返しの研究を中心としたストーリーデザイナー今井昭彦(ぴこ山ぴこ蔵)、AIを活用した作品で第9回星新一賞図書カード賞を受賞した葦沢かもめの3者による共作です。
3者ともAIの使い方が違うのが面白い。
今井昭彦式はアドリブ+パターンで作るひと向け。
山川健一式はある程度自分の形、目指す方向性を持っているひと向け。
葦沢かもめ式は設定を綿密に作るひと向け。
というように感じました。
もはやAIはツールというより、相棒といった感じです。
この本は手法を紹介するだけでなく、3人がそれぞれ物語を作る過程におけるAIとの会話を公開しているので、なにより実践的です。
使われている問いを自分流にアレンジすればAIに質問できるので、これからAIを活用しようとするひとにはぴったりです。
第10章で、実際に葦沢かもめがAIに指示して書かせた小説があります。予想以上に小説になっていて、びっくりしました。
ここまで技術は進んでいます。

AIとパートナーとして、新しい小説を作りたいひとのために!
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