【映画】マルクス・エンゲルス [映画評]
マルクスとエンゲルスが共産党宣言を出すまでの若き日々を描きます。
舞台は1840年代です。
当時は資本主義が始まったばかりで、都市部に近代的な工場が立ち始めた時期でした。
工場主は利益を極大化するために、低賃金で雇える子供を昼夜を問わず働かせていました。
そうした時代背景に生まれたのが、共産党宣言です。
映画ではマルクスとエンゲルスの友情を中心に描きます。
2人とも理想主義で偏屈者として描かれていますが、特に尖っているのがマルクスで、エンゲルスはマルクスと比べると常識的な人物になっています。
マルクスはとにかく批判ばかりで、敵を多数作ります。
それでも信念に支えられて、自らの道を歩みます。
共産主義には詳しくないので、この映画が歴史的事実にどれだけ即しているのかは分かりません。
映画の構造からすると、尖った人物ゆえにトラブルばかりのマルクスが、通常なら反省して新しい人間に生まれ変わるところです。
ですが、マルクスはそんな人物ではありません。最後まで尖ったままで、その尖り具合で逆に回りを引き寄せてしまう。
そんな一風変わった構造になっています。ただこの構造にするには、もっと当時の労働者の悲惨な状況を、克明に描写する必要があったのかなと思います。
映画ですが、正義者同盟内部の論理闘争、権力闘争が中心で、一般視聴者の感覚からは少しずれている気がします。
ときおり難しい話がでてきますが、議論を聞くと、労働価値説の話が中心かな、と思います。
もちろん現代社会から共産主義を見ると、当時の理論的基礎となった経済事情が全くことなっているので、通用しません。いまは株式会社が普通となり、労働者と資本家が分かれていませんので。
けど、当時としては重要な議論だったのだと思います。
評論家の評価としては微妙なようです。この辺りは、政治的な立ち位置で評価が分かれるかもしれません。
マルクスとエンゲルスを描いた映画を見たいひとのために!
舞台は1840年代です。
当時は資本主義が始まったばかりで、都市部に近代的な工場が立ち始めた時期でした。
工場主は利益を極大化するために、低賃金で雇える子供を昼夜を問わず働かせていました。
そうした時代背景に生まれたのが、共産党宣言です。
映画ではマルクスとエンゲルスの友情を中心に描きます。
2人とも理想主義で偏屈者として描かれていますが、特に尖っているのがマルクスで、エンゲルスはマルクスと比べると常識的な人物になっています。
マルクスはとにかく批判ばかりで、敵を多数作ります。
それでも信念に支えられて、自らの道を歩みます。
共産主義には詳しくないので、この映画が歴史的事実にどれだけ即しているのかは分かりません。
映画の構造からすると、尖った人物ゆえにトラブルばかりのマルクスが、通常なら反省して新しい人間に生まれ変わるところです。
ですが、マルクスはそんな人物ではありません。最後まで尖ったままで、その尖り具合で逆に回りを引き寄せてしまう。
そんな一風変わった構造になっています。ただこの構造にするには、もっと当時の労働者の悲惨な状況を、克明に描写する必要があったのかなと思います。
映画ですが、正義者同盟内部の論理闘争、権力闘争が中心で、一般視聴者の感覚からは少しずれている気がします。
ときおり難しい話がでてきますが、議論を聞くと、労働価値説の話が中心かな、と思います。
もちろん現代社会から共産主義を見ると、当時の理論的基礎となった経済事情が全くことなっているので、通用しません。いまは株式会社が普通となり、労働者と資本家が分かれていませんので。
けど、当時としては重要な議論だったのだと思います。
評論家の評価としては微妙なようです。この辺りは、政治的な立ち位置で評価が分かれるかもしれません。
マルクスとエンゲルスを描いた映画を見たいひとのために!
【書評】坊ちゃん文学賞書籍編集委員会『夢三十夜』 [書評]
坊ちゃん文学賞受賞作+受賞者の新作です。
受賞作で作品集を編むことはよくあります。
本作は単なる作品集ではなく、受賞者に新作を書いてもらい、1冊の書籍にしています。
星新一は「素人とプロの違いは、面白い作品をたくさん書けるかどうかだ」と指摘していました。
寄稿者のほとんどが素人ですが、受賞歴の多い力量のある方々がそろっていることもあり、なかかの作品集に仕上がっていると思います。
福井雅さんは2作品とも冒頭がうまいですね。
冒頭の『ファミリーボックス』を書いた高野ユタさんは星新一らしい懐かしさを覚える王道ショートショートで自分の好みです。受賞作よりこちらが好きかも。
石原三日月さんの『上昇志向サーバー』も読後感が良いです。これも新作なんですね。
温かい感じで読めるショートショート集だと思います。
坊ちゃん文学賞受賞作をまとめて読みたいひとのために!
夢三十夜: あなたの想像力が紡ぐ物語 (5分後の隣のシリーズ)
- 出版社/メーカー: 学研プラス
- 発売日: 2021/06/10
- メディア: 単行本
受賞作で作品集を編むことはよくあります。
本作は単なる作品集ではなく、受賞者に新作を書いてもらい、1冊の書籍にしています。
星新一は「素人とプロの違いは、面白い作品をたくさん書けるかどうかだ」と指摘していました。
寄稿者のほとんどが素人ですが、受賞歴の多い力量のある方々がそろっていることもあり、なかかの作品集に仕上がっていると思います。
福井雅さんは2作品とも冒頭がうまいですね。
冒頭の『ファミリーボックス』を書いた高野ユタさんは星新一らしい懐かしさを覚える王道ショートショートで自分の好みです。受賞作よりこちらが好きかも。
石原三日月さんの『上昇志向サーバー』も読後感が良いです。これも新作なんですね。
温かい感じで読めるショートショート集だと思います。
坊ちゃん文学賞受賞作をまとめて読みたいひとのために!