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第55期新人王戦第2局(服部慎一郎六段VS高田明浩五段) [将棋]

服部六段はの先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/shinjin/

高田五段は藤井竜王名人と同い年で、関西の名門・森信雄門下です。
岐阜県出身で、岐阜県出身の棋士は長沼洋八段以来の2人目だそうです。
女流だと山口姉妹が岐阜県出身です。
デビュー以来、どちらかというとビックマウスな印象があり、そこそこの成績をあげてきましたが突き抜ける、というレベルには至っていません。
ただ力戦派で形にとらわれない独特の将棋を指すので、これからいろいろな棋戦で活躍して欲しい棋士でもあります。
棋譜中継を見ると評価値はかなり上下するイメージがありますが、評価値では判断できない棋士だと思うので。
高田五段は棋戦初優勝のチャンスですが、このチャンスを生かすことはできたでしょうか!

〔棋譜〕
https://i2chmeijin.com/blog-entry-20533.html

ということで、将棋です。
将棋は角換わりとなり、後手服部六段は流行の6三金型の右玉です。後手は薄くて非常に難しい戦型だと思います。
間合いをはかりつづける手渡しが続きますが、ついに9筋から先手高田五段が仕掛けます。7~9筋は先手の駒が多いです。先手は9筋を突破しますが、服部六段は上手く立ち回って千日手模様に誘導します。
そこから先手高田五段が俄然と打開しますが、しかし9~8筋で駒が渋滞します。
さらに当たりになっている金にさらに桂馬で当てたのが悪手だったようで、評価値も一気に後手よりになります。玉周りの駒の数も逆転しています。
服部六段は取られそうな金を突進して先手の玉頭の歩を剥がすと、そこから一気に寄せていき、158手まで勝利。
連勝で見事に2度目の優勝を飾りました。

服部六段おめでとうございます!

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【SS】齊藤想『ある胸像の一生』 [自作ショートショート]

本作はローマ帝国で哲人皇帝と言われた「マルクス・アウレリウスの騎馬像」の話がモチーフになっていています。
具体的な技法はこちらの無料ニュースレターで紹介します。次回は11/5発行です。



・基本的に月2回発行(5日、20日※こちらはバックナンバー)。
・新規登録の特典のアイデア発想のオリジナルシート(キーワード法、物語改造法)つき!

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『ある胸像の一生』 齊藤 想

 芸術家は、ヨーロッパにある帝国の皇帝の要求に頭を抱えた。
「ワシによく似た立派な胸像を作れ。手心を加えたら承知しないぞ」
 その皇帝は不細工な上に、短気かつ暴力的で有名だった。姿かたちを忠実に再現したら激怒されて首を切られかねない。かといって皇帝の命令に反しても処刑されてしまう。
 悩んだ芸術家は、皇帝とほどほどに似せてみたところ、誰にも似てないようで、誰かに似ている奇妙な胸像を完成させてしまった。
 皇帝は怒ったが、芸術家はすでに異国に逃亡していた。皇帝は芸術家の行方を追うことに必死になり、胸像のことなどすっかり忘れていた。

 数百年後、その帝国がアラブ人によって滅ぼされた。アラブ人たちは歴代皇帝の胸像を破壊したが、ひとつだけ正体不明の胸像が紛れ込んでいることに気が付いた。
 いったい彼は何者なのか。兵士たちが迷っていると、アラブの高官が叫んだ。
「このお方は、もしかしたらダディアーヌ3世ではないか。きっと、過去の敗戦時に奪われたものに違いない」
 なにしろ、この胸像は誰にも似てないようで、誰かに似ている。誰かが「ダディアーヌ3世だ」と言えば、そう見えてしまうのだ。
 この胸像が、昔の大王だと信じたアラブ人たちは、胸像を大切に持ち帰り、首都に壮大な寺院を建てて安置した。

 胸像に安息の日々は訪れない。百年後、アラブ人の首都を歴史的な大雨が襲った。
 洪水はアラブ人の都市を押し流し、寺院も破壊し、胸像は海岸線まで押し流された。
 この胸像を拾ったのは、海を挟んだ反対側に住むギリシャ人だった。
 なにしろ、この胸像は誰にも似ていないようで、誰かに似ている。おまけに、長年の風化で様々な色が付き、人種も時代も不明になっている。
 ギリシャ人は、この胸像に自分とよく似ている部分を発見してしまった。よく見ると、目元と耳の形がそっくりだ。つまり、この胸像は自分たちの先祖に違いない。
 胸像を拾ったギリシャ人は、これは神様からのプレゼントだと信じ、先祖伝来の墓地の入口に安置して、一族の守り神として大切に敬った。

 胸像の放浪はまだ続く。今度は第二次世界大戦の荒波が襲い掛かる。
 ギリシャで戦利品を探していたドイツ軍の兵士たちは、ギリシャ人の墓で奇妙な胸像を発見した。
「これは、我が総統ではないのか」
 胸像は長年の風化で鼻の下が崩れかかっており、それが総統のちょび髭に見えたのだ。
 なにしろ、誰にも似ていないようで、誰かに似ている胸像だ。ちょび髭が似ていると思えば、全てが総統に見えてしまう。
 胸像は兵士たちの手によって磨き上げられ、ちょび髭も「復元」させられ、ドイツに送られた。総統は大喜びして、ベルリンの大通りで飾られることになった。
 戦争が進み、一時期はヨーロッパを制覇する勢いだったドイツも敗勢となり、ベルリンにソ連軍がなだれ込んだ。
 そのとき、ソ連軍は砲弾によって倒れている胸像を発見した。その胸像を見て、ソ連軍は驚いた。
「これはスターリン閣下の胸像ではないか」
 例の胸像は、ドイツによって取り付けられたちょび髭のおかげで、今度はスターリンに見えてしまったのだ。
 なにしろ、誰にも似ていないようで、誰かに似ている胸像だ。髭がスターリンに見えれば、全てがスターリンに見えてしまう。
 こうして「スターリン像」は東ドイツに送られて、共産主義陣営の戦勝の記念碑として飾られることになった。
 ところがスターリンの人気が落ちるとともに、この胸像は忘れ去られた。おまけにちょび髭が取れたことで、誰もスターリン像とは思わなくなった。
 なにしろ、誰にも似ていないようで、誰かに似ている胸像だ。誰にも似てないと思われたら、その瞬間に誰でもなくなる。
 その後、ベルリンの壁が崩壊し、そのドサクサで胸像は行方不明となった。
 この胸像について、様々な噂がある。
 映画のセットとして使われた。小学校の校庭で薪を背負わされて本を読んでいる。過激ユーチューバーが視聴回数稼ぎのために壊した。などなど。
 だが、この胸像は、いまも世界のどこかで「発見」される日を待ち続けている。誰かが「○○に似ている」と言い始める、その日まで。

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最近の金融・投資【令和6年10月第3週】 [金融・投資]

〔先週の株式市場〕
祝日があったので4日間。3日プラスで1日マイナス。
1日の上がり下がりはそれほどでもありませんが、トータルではそれなりのプラス。
ここ2カ月は大きなマイナスが続きましたが、10月はいまのところ徐々に回復しているという感じです。
もっとも下がり過ぎたのが戻っているだけ、とも言えますが。
選挙結果でまだ上下するかなあ。あまり変わらないかな。なんともかんとも予想が難しい。

〔大和証券からクオカードが届いた話〕
何のクオカードかと思ったら、議決権行使のお礼とのこと。
まったく記憶にないのだが、そんな感じのキャンペーンがあったのかもしれない。
全員に配るとは思えないので抽選かな。まったく覚えがないのでなんともかんとも。
大和証券のクオカードはオリジナルの図柄で「TODAY IS THE DAY」と書かれてる。
その下に「動くなら今日がその日だ」と書かれていて、若いサラリーマンが滑走路を走り、その上をジェット機が飛んでいる写真がプリントされている。
オリジナル図柄は楽しいですね。はい。
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