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第55期新人王戦第1局(服部慎一郎六段VS高田明浩五段) [将棋]

服部六段が二度目の新人王を狙います。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/shinjin/

服部六段は2020年4月デビューなので、すでに5年目です。
各棋戦でも活躍しているので、新人戦出場に違和感を覚えるかもしれません。
資格としては「26歳以下」「六段以下(ただしタイトル戦経験者は除く)」なので、タイトル戦未経験の25歳の服部六段は十分に出場資格があります。
逆に1年目からタイトル戦に出場した本田奎六段は1年目から資格喪失です。
服部六段としては、タイトル戦に手が届かないのを、悔しい思いをしているのかもしれません。
だれもが認める実力を持つ服部六段ですが、2度目の新人王に向けて好スタートを切ることはできたでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/shinjin/kifu/55/shinjin202410040101.html

ということで、将棋です。
先手は服部六段。服部六段の作戦は矢倉でした。
矢倉は組みあがるまで手数がかかるので、近年の将棋界では、後手は急戦策を取るのが普通です。後手高田五段も、飛車を中央に回して居玉のまま急戦をしかけます。
4五歩で銀を釣り上げてから角の飛び出しが気持ちよく、後手優勢のまま中盤から終盤へと流れ込みます。
しかし、評価値を見ると52手目の7七歩が凝りすぎたようで、ここで互角に戻ります。局面が進むと服部六段の逆転模様になります。
しかし、高田五段に一瞬のチャンスがありました。
服部六段の111手目2六歩が落手で、ここでは先手玉に9手詰がありました。
しかし、秒読みの高田五段は金捨てから入る手順が見えず、受けにまわります。勝利の女神は一瞬で過ぎ去っていきました。
131手まで服部六段が押し切り、これで3番勝負で大きな先勝を上げました。

新人王戦第2局は、10月21日(月)、関西将棋会館で行われます!
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【映画】アルゴ [映画評]

1979年に発生した在イラン・アメリカ大使館人質事件を題材とした佳作です。


アルゴ<エクステンデッド・バージョン> [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2013/09/04
  • メディア: Blu-ray



革命前のイランは、アメリカ傀儡政権であるパフラヴィー国王が治めていました。
しかし、この国王は贅沢好きの上に国民に圧政を敷いたので、イラン革命により国外に逃亡します。
末期がん患者となった元国王をアメリカが受け入れたことで、イランが激怒、アメリカ大使館を制圧します。
そのときに6人の大使館員が脱出し、カナダ大使の私邸に匿われました。
とはいえ、いつまでも隠せるわけではありません。
そのためCIAが中心となって、偽映画のスタッフを偽装して奪取する作戦が取られます。
映画の名前は『アルゴ』、SF映画という設定です。
こうして秘密作戦が動き始めます。
なかなか面白い映画でした。
エンタメ映画らしく、タイムリミットがかなり細かく設定されています。
大使館は秘密書類をシュレッダーにかけましたが、イランは大量の女子供を動員して書類を復元します。
その結果、時間がたつにつれて6名が脱出していること、顔写真が復元されて正体がバレる可能性が高まっていきます。
カナダ大使館にいる家政婦も、家に閉じこもる謎の「客人」に疑惑の目を向けます。
時間がたてばたつほど、じわじわ状況が悪化する工夫されたタイムリミットです。
また脱出作戦にも次々と困難が襲い掛かります。
まず6人から反対者がでてくる。
急にイラン当局がロケハンを言い出して、しかも反米感情丸出しの群衆にもみくちゃにされる。
カナダ人を偽装していますが、もちろん群衆には区別がつきません。
カナダ大使館の私邸にやってくるイラン軍、空港で怪しまれての足止め、6人の正体に気が付いたイラン軍の追跡。
作戦そのものの面白さに加えて、こうしたエンタメとしての仕掛けも盛りだくさん。
大満足の2時間でした。
本作はゴールデングローブ賞のドラマ作品部門、監督賞を受賞。さらにアカデミー賞で作品賞、脚色賞、編集賞も受賞しています。
アカデミー賞でエンタメ作品が受賞するのは珍しい気がしますが、それだけできのよい作品だと思います。
製作費45百万ドルに対して、興行収入2億32百万ドルのヒット作となりました。

ゴールデングローブ賞+アカデミー賞をW受賞したエンタメ作品を堪能したいひとのために!
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【書評】菅浩江『永遠の森』 [書評]

宇宙に浮かぶ巨大博物館にまつわる短編連作です。


永遠の森 博物館惑星

永遠の森 博物館惑星

  • 作者: 菅 浩江
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/11/15
  • メディア: Kindle版



主人公は美術館の学芸員ですが、そこに様々な不思議なものが持ち込まれます。
主人公は巨大博物館と直接リンクされており、それらの知識を使いつつ、謎を説いていくというのが基本コンセプト……だと思う。
幻想的な話かと思いますが、なかなかイメージがつかめず、悪戦苦闘です。
基本的にはいいひとばかり登場するので、安心して読めるSFです。

綺麗な話を読みたいひとのために!
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