【映画】クライ・マッチョ [映画評]
クリントイーストウッド91歳で主演・監督を務めたじんわりとくる佳作です。
主人公はかつてはロデオで名を馳せたカウボーイです。
しかし落馬事故から落ちぶれて、牧場主から強制的にメキシコに住む息子を連れてくるよう依頼されます。
その息子は豪勢な母親から見捨てられて、ストリートチルドレンとして底辺の生活を送っています。
母親は元夫への恨みもあり、息子を連れて帰るのを許しません。
主人公は闘鶏場から息子を見つけ出し、テキサスへと向かいます。
しかし母親や警察の妨害、さらには車を盗まれ、改めて確保した車が故障したりして、ある寒村に流れ着きます。
そこで出会った家族との交流や、主人公も荒れ馬を調教するという仕事を見出して、自分の存在価値を取り戻していきます。
主人公は牧場主に一報を入れますが、ここで父親は息子を取り戻したい理由が妻名義の投資案件についての交渉材料にするためだと知ります。
隠し事をしていることに怒る主人公ですが、この時点では息子に真実を伝えません。
しかし、その寒村にも警察の手が伸びてきます。
危険を察知した主人公は寒村を出発します。
という感じの映画です。
何かがものすごく盛り上がる映画ではありませんが、じんわりと良さを感じるいい映画だと思います。
主人公は落ちぶれたカーボーイです。
それが寒村では頼りにされ、敵対視されていた保安官補からも、終盤には逆にかばわれたりします。
息子もストリートチルドレンとしてどうしようもない生活を送っており、唯一のほこりが闘鶏のチャンピオン、マッチョです。
しかし、主人公との生活を通じて荒馬の乗り方を覚えて、自分の生きる道を見付けていきます。
ラストで息子はひとりで父親の元へと向かい、マッチョは主人公に譲られます。
マッチョを手放すことが、息子の成長の証であり、このシーンのためにマッチョは1時間30分以上も出演し、活躍してきたようなものです。
ストーリー的に地味ですし、有名な俳優もイーストウッド以外には出演していません。
とてもヒットするような映画には見えませんが、製作費33百万ドルで興行収入1億65百万ドルは素晴らしいです。
さすがはクリントイーストウッドでしょうか。
実績を上げているからこそ、好きな映画を自由に撮れる。
この映画を見て、つくづく、そう感じました。
円熟しきったクリントイースウッドの映画を楽しみたいひとのために!
主人公はかつてはロデオで名を馳せたカウボーイです。
しかし落馬事故から落ちぶれて、牧場主から強制的にメキシコに住む息子を連れてくるよう依頼されます。
その息子は豪勢な母親から見捨てられて、ストリートチルドレンとして底辺の生活を送っています。
母親は元夫への恨みもあり、息子を連れて帰るのを許しません。
主人公は闘鶏場から息子を見つけ出し、テキサスへと向かいます。
しかし母親や警察の妨害、さらには車を盗まれ、改めて確保した車が故障したりして、ある寒村に流れ着きます。
そこで出会った家族との交流や、主人公も荒れ馬を調教するという仕事を見出して、自分の存在価値を取り戻していきます。
主人公は牧場主に一報を入れますが、ここで父親は息子を取り戻したい理由が妻名義の投資案件についての交渉材料にするためだと知ります。
隠し事をしていることに怒る主人公ですが、この時点では息子に真実を伝えません。
しかし、その寒村にも警察の手が伸びてきます。
危険を察知した主人公は寒村を出発します。
という感じの映画です。
何かがものすごく盛り上がる映画ではありませんが、じんわりと良さを感じるいい映画だと思います。
主人公は落ちぶれたカーボーイです。
それが寒村では頼りにされ、敵対視されていた保安官補からも、終盤には逆にかばわれたりします。
息子もストリートチルドレンとしてどうしようもない生活を送っており、唯一のほこりが闘鶏のチャンピオン、マッチョです。
しかし、主人公との生活を通じて荒馬の乗り方を覚えて、自分の生きる道を見付けていきます。
ラストで息子はひとりで父親の元へと向かい、マッチョは主人公に譲られます。
マッチョを手放すことが、息子の成長の証であり、このシーンのためにマッチョは1時間30分以上も出演し、活躍してきたようなものです。
ストーリー的に地味ですし、有名な俳優もイーストウッド以外には出演していません。
とてもヒットするような映画には見えませんが、製作費33百万ドルで興行収入1億65百万ドルは素晴らしいです。
さすがはクリントイーストウッドでしょうか。
実績を上げているからこそ、好きな映画を自由に撮れる。
この映画を見て、つくづく、そう感じました。
円熟しきったクリントイースウッドの映画を楽しみたいひとのために!
【書評】小松左京『アメリカの壁』 [書評]
多種多様な短編集です。
収録されているのは6編です。
「アメリカの壁」は小松左京の十八番ともいえるパニックSFで、首都消失のアメリカ版(本作の方が先ですが)で、かつ壁の内側を描きます。
「鳩啼時計」はミステリです。一時期、小松左京は食うためにミステリを書いていたらしいです。時代がかかった通常のミステリと思わせて、すっかり騙されました。
「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」は分類するとしらバカミスでしょうか。超常現象をプラスです。
「ハイネックの女」はホラーでしょうか。なぜハイネックで首を隠しているのかと言えば……と書けば、なんとなくイメージが付くと思います。
個人的には「眠りと旅と夢」が一番好きかな。
ミイラが発掘されるのですが、そのミイラは直前まで生きていた兆候があったというミステリ仕立ての作品です。
彼らは特殊な方法を持ちいて「長い夢」を見ていることが判明するのですが、もしかたら現代宇宙も彼らの夢の一部ではないかと、そう示唆されて話は終わります。
設定も興味を引きますし、ラストも好きです。
多種多様な小松左京を楽しみたいひとのために!
収録されているのは6編です。
「アメリカの壁」は小松左京の十八番ともいえるパニックSFで、首都消失のアメリカ版(本作の方が先ですが)で、かつ壁の内側を描きます。
「鳩啼時計」はミステリです。一時期、小松左京は食うためにミステリを書いていたらしいです。時代がかかった通常のミステリと思わせて、すっかり騙されました。
「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」は分類するとしらバカミスでしょうか。超常現象をプラスです。
「ハイネックの女」はホラーでしょうか。なぜハイネックで首を隠しているのかと言えば……と書けば、なんとなくイメージが付くと思います。
個人的には「眠りと旅と夢」が一番好きかな。
ミイラが発掘されるのですが、そのミイラは直前まで生きていた兆候があったというミステリ仕立ての作品です。
彼らは特殊な方法を持ちいて「長い夢」を見ていることが判明するのですが、もしかたら現代宇宙も彼らの夢の一部ではないかと、そう示唆されて話は終わります。
設定も興味を引きますし、ラストも好きです。
多種多様な小松左京を楽しみたいひとのために!