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【映画】キャッシュトラック [映画評]

2004年フランス映画『ブルーレクイエム』のリメイクです。


キャッシュトラック[Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2022/03/09
  • メディア: Blu-ray



リメイク作品というのは、リメイクされるだけの理由があるはずで、外れはそれほどないという印象があります。
本作の主演はジェイソン・ステインサムですが、静かで上品な迫力があり、魅力的な映画に仕上がっていると思います。
主人公はマフィアのボスです。
一人息子が現金輸送強盗の巻き沿いにあい殺害され、復讐を誓います。
ボスにはFBI高官にも知り合いがいて、彼から容疑者リストを受け取り、手下をつかって片っ端から追求します。
ところが見つかりません。
そこでボスは身分を偽ってセキュリティー会社に就職し、現金輸送車を襲う犯人グループを待ち続けます。
そして、ついに、探し続けてきた敵が、現金強奪のために襲い掛かってきます。
という感じの映画です。
ジェイソン・ステインサムの静かな迫力という魅力が詰まった映画です。
いつもの体捌きこそなくガンアクション主体ですが、静かに敵を追い詰めて、絶望に浸らせるのはジェイソン・ステインサムならではだと思います。
セキュリティ会社の人間関係だけでなく、敵グループにも人間関係があり、それがしつこくなくポイントを絞って表現しているので分かりやすく見ることができました。
また、この手の映画は犯罪計画が見せ場のひとつですが、現金を奪ってからの逃走ルート、事前の綿密な計画……この計画には状況の変化に応じたバリエーションもあるのがリアルでポイント高い……に基づいた犯人たちの行動にはアイデアがあふれていて、なかなかの迫力です。
ヘリから逃れるために地下に入り、しかも未使用の地下通路の活用というアイデアも良いです。
ただ前半の時系列がフラッシュバックを多用していためゴチャゴチャなのがマイナスでしょうか。
あと、字幕に「現金輸送者」という誤字があったり。
製作費40百万ドルで興行収入1億ドルなので、なんとか製作費は回収できたかなと思います。
予想以上に楽しめた良質なエンタメ作品だと思います。

ジェイソン・ステインサムのファンのために!
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【書評】筒井康隆『富豪刑事』 [書評]

深田恭子主演でTVドラマ化もされた人気作です。


富豪刑事(新潮文庫)

富豪刑事(新潮文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/06/01
  • メディア: Kindle版



主人公は大富豪の子供ですが、TVドラマとは違って男性です。
悪いことをして大富豪になったため、息子が犯人逮捕という善行のためにお金を使うことに対して涙を流して喜ぶ老父と、その老父の美人秘書である女性の3人が主要キャラです。
主要キャラだけでなく、刑事たちもひとくせあるキャラが揃っており、まさに珍品ミステリだと思います。
本書には4編収録されていますが、それぞれパターンを変えています。
『富豪刑事の囮』では犯人たちに富豪に張り合わせるよう競わせ、『密室の富豪刑事』では犯人逮捕のために会社や工場まで設立し……とまあ、本書は解説するだけヤボです。
ただただ、エンターテイメントとして面白いです。
ミステリとして読むと、瞬時に犯人が分かったりする部分もありますが、キャラたちの軽妙なやり取りや、富豪刑事の突飛なアイデアだけで楽しめます。
昭和53年ですが、いまでも十分に楽しめる本だと思います。

読書の楽しさを再発見したいひとのために!
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