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【映画】アンチャーテッド [映画評]

海賊が隠した黄金を探す冒険物語です。


アンチャーテッド ブルーレイ&DVDセット(初回生産限定) [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2022/06/08
  • メディア: Blu-ray



主人公を演じるのはスパイダーマンで有名になったトムホランドです。
主人公には施設で共に過ごした兄貴、サムがいますが、施設を飛び出してからは行方不明です。
そのサムからときおり絵葉書が届きます。
主人公の元に、トレジャーハンターのサリバンが現れます。
そのサリバンから、サムが探していたマゼランの黄金を探しに行こうと誘われます。
という感じで始まり、ここからは黄金を発見するまでの冒険譚が続きます。
こうした冒険には邪魔する敵、ライバルが必要ですが、そのライバルはサリバンの元相棒である殺し屋です。
敵以外にもサリバンの元仲間が現れるのですが、お互いに信じてなくて、けどお互いを信じないと謎が解けない。
お互いに信じたり、信じたふりをしたり、騙したり、騙されたりで物語は続いていきます。

素直な感想ですが、様々なアドベンチャー映画の寄木細工のような印象です。
前半で主人公たちは謎を解き、教会の地下から古代ローマ帝国の遺跡へと繋がる道を進むのは、インディージョーズとダビンチコードの組み合わせです。
地図や日記から謎を解いていくのは、センター・ジ・アースです。
ラストでマゼランの船の帆が下りるシーンや、財宝が全て失われたと思ったら、少し手元に残っているのはグーニーズです。
テーマとしては信じることですが、露骨にテーマを強調しすぎて、ストーリー的に微妙かも。
こういうのは、信じるか信じないか、二者択一をラスト一発で決めるのがポイントじゃないかなあ。この選択が何度もでてきて、うーん、と思ってしまいます。
最後の選択も、サリバンは黄金に目がないキャラを強調しているとはいえ、黄金と主人公のどちらを取るかの二者択一では、インパクトが弱い気がします。
けど、最初から最後まで次々と仕掛けがでてきて、鑑賞者を飽きさせない(疲れますが)工夫が満載で、楽しめる映画だと思います。
製作費1億20百万ドルで興行成績4億ドルですから、十分な成功作だと思います。
ちなみに終盤でドレイクの船をヘリコプターで持ち上げる描写がありますが、木造とはいえ100t以上あるので不可能ではないかと。

トムホランドの映画を楽しみたいひとのために!
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第4期ヒューリック杯白玲戦第2局(西山朋佳白玲VS福間香奈女流五冠) [将棋]

西山白玲の先勝で迎えた第2局です。

〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/hakurei/

西山白玲は棋士編入試験を受験することを表明しています。
直近の公式戦が13勝7敗となり、10勝以上で勝率6割5分に到達。
この間には佐々木大地七段、梶浦宏孝七段、石田直裕五段戦の勝利もあり、NHK杯という早指し棋戦ではありますが木村一基九段にも勝利しています。
かなり価値の高い6割5分だと思います。
編入試験は棋士番号の若い棋士5人との対戦ですが、そのうち4人は三段リーグでの対戦があり、しかも4人中3人から勝ち越しています。
初戦の高橋佑二郎四段とは対戦がありませんのでここが最大のポイントかなと思いましたが、後手番ながら中盤のもみ合いから突き放し、見事な勝利を上げました。
これで合格確率が一気に上がったイメージです。
初の女性棋士をめざして、ぜひとも頑張って欲しいと思います。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/hakurei/kifu/4/hakurei202409140101.html

ということで、将棋です。
本局の先手番は西山白玲。序盤は福間女流五冠がなかなか正体を現しませんでしたが、最終的には相振り飛車となりました。
福間女流五冠は居玉ですし、序盤からかなり自由度の高い力戦になります。
中盤で福間女流五冠が銀と桂香交換の駒得となり、その桂馬で角をとって、駒割りは銀と香角との交換。
駒得が大きく、このあたりで明確に優勢になったと思います。
駒得の福間女流五冠は手厚く指し、104手めの4六桂馬が気持ちのいい跳躍。
そのまま西山白玲を圧倒し、なんと居玉のまま128手まで福間女流五冠が勝利しました。
一度も玉が動かないのはきわめて珍しいです。

第3局は9月21日(土)に、奈良県奈良市「ふふ奈良」「瑜伽山園地 茶室:たく庵」で行われます!
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【書評】小松左京『ゴルディアスの結び目』 [書評]

表題作は1978年の星雲賞(短編部門)受賞作です。


ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

  • 作者: 小松 左京
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/03/25
  • メディア: Kindle版



ゴルディアスの結び目とは、アレクサンドロス大王にまつわる伝説です。
「この結び目を解くことができたものこそ、このアジアの王になるであろう」と予言された結び目を、遠征中のアレクサンドロス大王が、一刀のもとに断ち切ってしまいます。
つまり、予想外の方法で問題を解決することを指しています。コロンブスの卵と同系統の話ですが、ゴルディアスの結び目は機知だけでなく大胆さも加わっています。
本作の主人公は、精神分析医です。
すべてに絶望したマリアが産み出す力を探るために、主人公は彼女の精神に潜り込んでいきますが、結果として彼女がいた部屋がどんどん圧縮されて小さな球体となり、それはいつしかブラックホールになる運命であった、という感じの話です。
この当時に、この発想で、SFを書ききったことがすごいと思います。
時代を数十年先取りしていると感じます。
ただ、ライトなSFファンには読みにくいかもしれません。
表題作以外にも『岬にて』『すぺるむ・さぴえんすの冒険 - Sperm Sapiens Dunamaiの航海とその死』『あなろぐ・らう゛または“こすもごにあII”』も収録されています。

星雲賞(短編部門)受賞作を読みたいひとのために!
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