【映画】ゴーストバスターズ/answer the call [映画評]
1980年代に大ヒットしたゴーストバスターズのリブートです。
主人公は大学講師で終身雇用の審査の直前でした。
ところが昔のオカルト仲間と出版した本がバレ、さらにゴースト事件に巻き込まれた顛末がyoutubeにUPされたことで、研究者失格とみなされて失職します。
そして、昔の仲間とゴースト退治の会社を興します。
キャラは違いますが、基本的な流れは元祖と同じです。3人でスタートしてうち1名が兵器開発担当であることも、途中でひとり加わることも同じです。
ただメンバー全員が女性であることと、受付が男性と性別がひっくり返っているのが違います。
また、受付の男性がかなりおバカキャラであることや、兵器開発担当のキャラが尖っているのも元祖との相違点です。
映画には元祖を髣髴とさせる場面が多数でてきます。
不動産屋が最初に案内した場所はゴーストバスターズの基地と同じですし、ゴーストバスターズのマスコットキャラも同じです。基本的な兵器も同じですし、マシュマロマンも登場です。
また、オリジナルメンバーもチョイ役で出演します。
ストーリー展開も概ね元祖の焼き直しで、ゴーストバスターズたちはただのお騒がせメンバーと思われて隔離されますが、ニューヨークの危機に再び呼び出されるのも同じです。
ここまでなぞられると、ちょっと微妙かも。
ラストでゴーストバスターズの車に乗せてある核兵器(!)を冥界の出入口になっている渦の中で爆発さえて陽子反転を起こして……はかなり無理がある上に意味不明だし、ラストで主人公がアビーを救うために渦に飛び込むシーンは、もう一段のピンチを演出する必要性は分かりますが、どう考えても無理があります。復帰するスピードが女性二人が引き上げるレベルではありません。
カメオ出演したアーニーハドソンの評
「あれは、(『ゴーストバスターズ』の)続編でも拡大版でもなかった。なんとなく、別のユニバースに属していた。わかるかな? 僕らと似ているけど、僕らではない僕らだった」
という意見に自分も同感です。
で、ラストでいかにも第二段があるようなフリがされますが、残念ながら次作も再びリブートです。
製作費1億44百万ドルを費やして、興行収入が2億29百万ドルではやむを得ないかもしれません。
けど、それなりにユーモアがあって、エンタメとして十分に楽しめる映画だと思います。
ゴーストバスターズファンのために!
ゴーストバスターズ [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2017/07/05
- メディア: Blu-ray
主人公は大学講師で終身雇用の審査の直前でした。
ところが昔のオカルト仲間と出版した本がバレ、さらにゴースト事件に巻き込まれた顛末がyoutubeにUPされたことで、研究者失格とみなされて失職します。
そして、昔の仲間とゴースト退治の会社を興します。
キャラは違いますが、基本的な流れは元祖と同じです。3人でスタートしてうち1名が兵器開発担当であることも、途中でひとり加わることも同じです。
ただメンバー全員が女性であることと、受付が男性と性別がひっくり返っているのが違います。
また、受付の男性がかなりおバカキャラであることや、兵器開発担当のキャラが尖っているのも元祖との相違点です。
映画には元祖を髣髴とさせる場面が多数でてきます。
不動産屋が最初に案内した場所はゴーストバスターズの基地と同じですし、ゴーストバスターズのマスコットキャラも同じです。基本的な兵器も同じですし、マシュマロマンも登場です。
また、オリジナルメンバーもチョイ役で出演します。
ストーリー展開も概ね元祖の焼き直しで、ゴーストバスターズたちはただのお騒がせメンバーと思われて隔離されますが、ニューヨークの危機に再び呼び出されるのも同じです。
ここまでなぞられると、ちょっと微妙かも。
ラストでゴーストバスターズの車に乗せてある核兵器(!)を冥界の出入口になっている渦の中で爆発さえて陽子反転を起こして……はかなり無理がある上に意味不明だし、ラストで主人公がアビーを救うために渦に飛び込むシーンは、もう一段のピンチを演出する必要性は分かりますが、どう考えても無理があります。復帰するスピードが女性二人が引き上げるレベルではありません。
カメオ出演したアーニーハドソンの評
「あれは、(『ゴーストバスターズ』の)続編でも拡大版でもなかった。なんとなく、別のユニバースに属していた。わかるかな? 僕らと似ているけど、僕らではない僕らだった」
という意見に自分も同感です。
で、ラストでいかにも第二段があるようなフリがされますが、残念ながら次作も再びリブートです。
製作費1億44百万ドルを費やして、興行収入が2億29百万ドルではやむを得ないかもしれません。
けど、それなりにユーモアがあって、エンタメとして十分に楽しめる映画だと思います。
ゴーストバスターズファンのために!
【書評】小松左京『復活の日』 [書評]
小松左京第2長編で、かつ代表作のひとつです。
初版は1964年。
致死率100%かつ感染力の強い新型ウィルスが事故により流出します。
35億の人類(当時)は死に絶え、哺乳類も壊滅します。
そして、生き残ったのは、たまたま世界から隔絶されていた南極観測隊員の約1万のみ。
そこから人類の復活を目指すために動き始めたところで、自動的に発射される核ミサイルシステムが作動する可能性があることが判明します。
南極で生き残った人類は、決死隊を結成して核ミサイル発射を阻止しようとしますが、寸前で間に合いません。
地球は復活不能と思われたが……
というのが大まかなストーリーです。
小松左京の代表作である『日本沈没』と構成は似ています。
荒唐無稽なストーリーになりがちなところを、著者の豊富な科学的知識と、精密な描写でリアルな世界として紡ぎだしていきます。
前半部はとにかく人間が死んでいきます。そのための描写が延々と続きます。
ですが、この描写があるからこそ、復活に向かう人間たちの強さが引き立ちます。
終盤の核ミサイルのシーンは、とって付けた感がありました。ですが、ラストまで読んだときに、このシーンの意味を知り、唸らざるを得ませんでした。
当時の社会情勢も色濃く反映されており、こうした幅広い視野が、小松左京を日本を代表するSF作家として君臨できた秘訣ではないかと思います。
インターネットがない時代に書かれたことを思うと、著者の調査力には感服です。
もちろん映画化もされています。
小松左京初期の代表作を堪能したいひとのために!
初版は1964年。
致死率100%かつ感染力の強い新型ウィルスが事故により流出します。
35億の人類(当時)は死に絶え、哺乳類も壊滅します。
そして、生き残ったのは、たまたま世界から隔絶されていた南極観測隊員の約1万のみ。
そこから人類の復活を目指すために動き始めたところで、自動的に発射される核ミサイルシステムが作動する可能性があることが判明します。
南極で生き残った人類は、決死隊を結成して核ミサイル発射を阻止しようとしますが、寸前で間に合いません。
地球は復活不能と思われたが……
というのが大まかなストーリーです。
小松左京の代表作である『日本沈没』と構成は似ています。
荒唐無稽なストーリーになりがちなところを、著者の豊富な科学的知識と、精密な描写でリアルな世界として紡ぎだしていきます。
前半部はとにかく人間が死んでいきます。そのための描写が延々と続きます。
ですが、この描写があるからこそ、復活に向かう人間たちの強さが引き立ちます。
終盤の核ミサイルのシーンは、とって付けた感がありました。ですが、ラストまで読んだときに、このシーンの意味を知り、唸らざるを得ませんでした。
当時の社会情勢も色濃く反映されており、こうした幅広い視野が、小松左京を日本を代表するSF作家として君臨できた秘訣ではないかと思います。
インターネットがない時代に書かれたことを思うと、著者の調査力には感服です。
もちろん映画化もされています。
小松左京初期の代表作を堪能したいひとのために!