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【映画】メン・イン・ブラック [映画評]

トミーリージョーンズを一躍人気者にしたSFコメディ映画です。


メン・イン・ブラック [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

メン・イン・ブラック [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2015/12/25
  • メディア: Blu-ray



物語は宇宙人と共生している地球です。
実は地球には様々な宇宙人が飛来していますが、人類には気づかせないための謎の組織、それがМIBです。
そのМIBに所属するベテランエージェント「K」は、無鉄砲なニューヨーク市警の若手に目を付け、スカウトします。そして、彼には「J」という新しい名前が与えられます。
KとJはある宇宙人の事件を追跡することになります。
ある惑星の王族が殺害され、王族が持っていた”銀河”が奪われます。
その”銀河”を取り戻すために、王族の母星が地球に軍艦を派遣します。
あと1時間以内に銀河を返さないと地球を破壊する。
”銀河”を奪ったのは、虫型の宇宙人でした。
KとJは虫型宇宙人を追跡します。
という感じのストーリーですが、まあ、ストーリーはどうでもいいです。
監督はハリー・ソネンフェルドですが、製作総指揮をスティーブン・スピルバーグが務めており、いかにもスピルバーグといった映画です。
奇妙な宇宙人たちと、やられたときに吐き出される粘々の液体。
対宇宙人用の風変わりな武器。
カタブツなKと、いい加減で柔軟なJとの掛け合い。
チョイチョイ挟まれるギャグ(アーノルド・シュワルツネッガーがこっそり出演)。
こういうのを楽しむ映画です。
製作費90百万ドルに対して、興行収入5億89百万ドルの大ヒットになるのと同時に、アカデミー賞も1部門受賞です。
また、日本でもコラボ製品として「麺インブラック」が発売されるなど社会現象にもなりました。
これはもう設定というか、アイデアの勝利だと思います。
映画の冒頭でユニバーサル質店がでてききますが、これは007のユニバーサル貿易のパロディかなと思います。МIBが007のパロディという部分がありますからね。
あと農夫の皮をかぶったバグを演じたヴィンセント・ドノフリオですが、フルメタルジャケットで切れた新兵を演じた俳優です。
見ていたときはまったく気が付きませんでした。動きが独特で難しい役柄だと思いますが、見事です。

一世を風靡したSFコメディを楽しみたいひとのために!
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【書評】今日泊亜蘭『光の塔』 [書評]

日本SFの古典です。


光の塔 (ちくま文庫)

光の塔 (ちくま文庫)

  • 作者: 亜蘭, 今日泊
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2017/04/06
  • メディア: 文庫



今日泊亜蘭は1910年生まれです。元号だと明治43年になります。
『光の塔』の初版が1962年なので、52歳の作品となります。
日本SF第一世代のデビューが1963~1970年代なので、彼らの先駆けと言えるかもしれません。
海野十三など今日泊亜蘭より先に長編SFを発表した作家はいましたが、「SF専門作家による長編SF」としては第1号という意味で価値のある作品です。
さて作品ですが、時代は人類が宇宙を自由自在に飛び回るようになった未来が舞台です。
物語は、突然電気が止まるという怪現象から始まります。
そこから謎の集団による地球侵略が始まり、築かれた塔から放たれる光が東京を焼き尽くしていきます。
この彼らの正体は……というストーリーです。
明治生まれだから、というわけでもないでしょうけど、文章は美文体の系統を引いていると感じました。
もちろん本物の美文体のようにコテコテとした装飾がついているわけではありませんが、美文体のキモである「語って聞かせる文章」なのかなあというのが実感です。
目で読むと分かりにくいですが、頭の中で言葉として再生して聞くと、スラスラと読める。
そんな不思議な文体で、古き良き日本という感じがしました。
設定は未来ですが、あらゆるところに戦前感が満載です。

日本SFの古典を楽しみたいひとのために!
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