【映画】グッド・ネイバー [映画評]
安易な実験がもたらす悲劇を描くサスペンスです。
主人公は高校生の2人組。
ひとりがプチ不良で、もうひとりがITオタクです。
2人はプチ不良の家の隣にすむ、偏屈者の老人にドッキリを仕掛けることを思いつきます。
人為的に心霊現象を起こして、それを隠しカメラで記録するという非常識なものです。
彼らはそれを「実験」と称しています。
さて「実験」は始まりますが、老人はまったく動じません。
それと同時に、「心霊現象」が起こると老人は鍵をかけた地下室に入ります。それも何時間も。
気になったプチ不良は地下室に潜り込み、そこで見たものは……という話です。
映画は3本の時間軸で進みます。
ひとつが高校生2人組の実験を主とする現在。
もうひとつが老人の妻がいきていた時代の過去。
最後が、裁判所で裁判を受けている2人です。
これらが交差して物語は進んでいきます。
基本的なアイデアはとてもいいと思います。
2人が考えていたのは単なる実験でした。
ところが、その「心霊現象」が、老人の過去と次々と結びついていきます。老人は心霊現象とはとらえず、妻が戻ってきたと考えていたのです。
ときおり挟まれる裁判のシーンは、未来を暗示させる役目と、バックストーリーを説明する役割を果たしています。
アイデアとしては興味深いのですが、映画が終わったとき、なんともいえない不足感があります。
ラストがいまひとつしっくりこないです。
主人公は、他人に隠しカメラを設置して何ら罪悪感を覚えないという問題点を抱えています。老人だけでなく友人にも隠しカメラを設置し、バレても「謝ったからいいだろ」と平気でうそぶきます。
判決が下り(非常に軽いです)、最後に裁判所から出たところでマスコミに囲まれて主人公は困惑します。
おそらくここで自らの罪を認識した……という流れなのだと思いますが、いかんせん、罰が軽すぎます。
物語の着地点を変えておけば、もっと、いい映画になったと思います。
主人公2人は、なんとなくリバー・フェニックスとトビ―・マグワイヤを髣髴とさせます。
興行収入は0.9百万ドルだった模様。さすがに赤字だと思います。
現代的なサスペンスを楽しみたいひとのために!
主人公は高校生の2人組。
ひとりがプチ不良で、もうひとりがITオタクです。
2人はプチ不良の家の隣にすむ、偏屈者の老人にドッキリを仕掛けることを思いつきます。
人為的に心霊現象を起こして、それを隠しカメラで記録するという非常識なものです。
彼らはそれを「実験」と称しています。
さて「実験」は始まりますが、老人はまったく動じません。
それと同時に、「心霊現象」が起こると老人は鍵をかけた地下室に入ります。それも何時間も。
気になったプチ不良は地下室に潜り込み、そこで見たものは……という話です。
映画は3本の時間軸で進みます。
ひとつが高校生2人組の実験を主とする現在。
もうひとつが老人の妻がいきていた時代の過去。
最後が、裁判所で裁判を受けている2人です。
これらが交差して物語は進んでいきます。
基本的なアイデアはとてもいいと思います。
2人が考えていたのは単なる実験でした。
ところが、その「心霊現象」が、老人の過去と次々と結びついていきます。老人は心霊現象とはとらえず、妻が戻ってきたと考えていたのです。
ときおり挟まれる裁判のシーンは、未来を暗示させる役目と、バックストーリーを説明する役割を果たしています。
アイデアとしては興味深いのですが、映画が終わったとき、なんともいえない不足感があります。
ラストがいまひとつしっくりこないです。
主人公は、他人に隠しカメラを設置して何ら罪悪感を覚えないという問題点を抱えています。老人だけでなく友人にも隠しカメラを設置し、バレても「謝ったからいいだろ」と平気でうそぶきます。
判決が下り(非常に軽いです)、最後に裁判所から出たところでマスコミに囲まれて主人公は困惑します。
おそらくここで自らの罪を認識した……という流れなのだと思いますが、いかんせん、罰が軽すぎます。
物語の着地点を変えておけば、もっと、いい映画になったと思います。
主人公2人は、なんとなくリバー・フェニックスとトビ―・マグワイヤを髣髴とさせます。
興行収入は0.9百万ドルだった模様。さすがに赤字だと思います。
現代的なサスペンスを楽しみたいひとのために!
第6期清麗戦第3局(福間香奈清麗VS加藤桃子女流四段) [将棋]
福間清麗の1勝1敗で迎えた第3局です。
〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/
加藤女流四段は福間清麗に6連敗していましたが、前局で久しぶりの勝利を上げました。
ちなみに6連敗の前は4連敗しており、星取表からは苦手意識を植え付けられているように見えます。
ただ将棋の内容を見ると、一方的な将棋は少なく、終盤、特に時間に追われてからのミスによる逆転が多いです。
むしろ中盤は加藤女流四段が優勢の局面が多いように感じます。
福間清麗は中飛車一辺倒なので、序盤研究で狙いやすいという部分もあるのかもしれません。
課題の終盤ですが、前局で加藤女流四段は終盤まで十分な持ち時間を残すことで乗り切りました。
さあ、本局でもタイムマネージメントを完璧に行って、終盤を乗り越えることができるでしょうか!
〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/6/seirei202408060101.html
ということで、将棋です。
先手は福間清麗でいつものゴキゲン中飛車です。後手の加藤女流四段がどのような作戦を採用するかですが、序盤で端歩の打診があったものの銀対抗で落ち着きます。
加藤女流四段の4五歩が少し突っ張った手で、福間清麗は金を前線に出動させてゴリゴリと中央で戦いを起していきます。
評価値的にはいい勝負でも、先手の玉が戦場から1路遠いこと、攻めの主役である飛車が5筋に陣取っていること、から実戦的には先手ペースなのかなと思いました。
後手は攻めの桂馬を捌くことには成功しましたが、飛車が攻めに参加していないのは痛いです。
確実に優勢を拡大した福間清麗は、最後はと金捨てのおしゃれな手で後手玉を即詰みに打ち取りました。
これで福間清麗の2勝1敗となり、清麗防衛まであと1勝と迫りました。
清麗戦第4局は、8月20日に関西将棋会館で行われます!
〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/
加藤女流四段は福間清麗に6連敗していましたが、前局で久しぶりの勝利を上げました。
ちなみに6連敗の前は4連敗しており、星取表からは苦手意識を植え付けられているように見えます。
ただ将棋の内容を見ると、一方的な将棋は少なく、終盤、特に時間に追われてからのミスによる逆転が多いです。
むしろ中盤は加藤女流四段が優勢の局面が多いように感じます。
福間清麗は中飛車一辺倒なので、序盤研究で狙いやすいという部分もあるのかもしれません。
課題の終盤ですが、前局で加藤女流四段は終盤まで十分な持ち時間を残すことで乗り切りました。
さあ、本局でもタイムマネージメントを完璧に行って、終盤を乗り越えることができるでしょうか!
〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/6/seirei202408060101.html
ということで、将棋です。
先手は福間清麗でいつものゴキゲン中飛車です。後手の加藤女流四段がどのような作戦を採用するかですが、序盤で端歩の打診があったものの銀対抗で落ち着きます。
加藤女流四段の4五歩が少し突っ張った手で、福間清麗は金を前線に出動させてゴリゴリと中央で戦いを起していきます。
評価値的にはいい勝負でも、先手の玉が戦場から1路遠いこと、攻めの主役である飛車が5筋に陣取っていること、から実戦的には先手ペースなのかなと思いました。
後手は攻めの桂馬を捌くことには成功しましたが、飛車が攻めに参加していないのは痛いです。
確実に優勢を拡大した福間清麗は、最後はと金捨てのおしゃれな手で後手玉を即詰みに打ち取りました。
これで福間清麗の2勝1敗となり、清麗防衛まであと1勝と迫りました。
清麗戦第4局は、8月20日に関西将棋会館で行われます!
【書評】堀晃『太陽風交点』 [書評]
堀晃のハードSF短編集です。
収録されているのは10編です。
どれも短編らしく、ワンアイデアを綺麗にまとめています。
ハードSFというと科学的厳密さの描写に力点が置かれがちですが、本作ではそのようなことはなく、とても読みやすい作りになっています。
『暗黒星団』は物質と反物質の間を世代交代をする生物について、『悪魔のホットライン』はエントロピーについて、『電送都市』は情報理論をテーマにしています。
それぞれ科学的知識とSFらしい発想の飛躍があり、粒ぞろいの短編集だと思います。
本書については、のちに重版契約を巡り、SF界を揺るがす「太陽風交点事件」が発生します。
SFマガジンの初代編集長であった福島正実の本を読むと、日本SF黎明期の早川書房の原稿料はかなり安かったようで、なんとなく、そのあたりの背景がうかがわれるような。
読みやすいハードSFを楽しみたいひとのために!
収録されているのは10編です。
どれも短編らしく、ワンアイデアを綺麗にまとめています。
ハードSFというと科学的厳密さの描写に力点が置かれがちですが、本作ではそのようなことはなく、とても読みやすい作りになっています。
『暗黒星団』は物質と反物質の間を世代交代をする生物について、『悪魔のホットライン』はエントロピーについて、『電送都市』は情報理論をテーマにしています。
それぞれ科学的知識とSFらしい発想の飛躍があり、粒ぞろいの短編集だと思います。
本書については、のちに重版契約を巡り、SF界を揺るがす「太陽風交点事件」が発生します。
SFマガジンの初代編集長であった福島正実の本を読むと、日本SF黎明期の早川書房の原稿料はかなり安かったようで、なんとなく、そのあたりの背景がうかがわれるような。
読みやすいハードSFを楽しみたいひとのために!