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第37期竜王戦挑戦者決定戦第1局(広瀬章人九段VS佐々木勇気八段) [将棋]

佐々木八段がタイトル初挑戦を狙います。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

デビュー時の年齢が才能と言われる将棋界で、佐々木八段は16歳1カ月でのプロ入りを決めています。
これは通算で歴代6位の記録で、上位5人は藤井聡太、加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、渡辺明と錚々たるメンバーが並んでいます。
もちろん佐々木八段も期待が大きかったですが、タイトル戦には手が届かず、最も注目されたのが藤井聡太のデビュー29連勝を止めた将棋という期待値からすればいまひとつの実績に留まっています。
しかし、A級に登り、NHK杯で優勝するなど30歳を目前にして本格化した兆しがあります。
さあ佐々木八段は、初タイトル戦に向けた大きな1勝を挙げることはできたでしょうか!

〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20240729-SYT8T5623718/

ということで将棋です。
先手は佐々木八段で角換わりへと進みます。
後手広瀬九段は積極策を取り、4五銀と突進します。すると先手は5五銀と交わすのが形です。
そこから筋違い角を放って一点集中型で攻めますが、55手目の9七金が佐々木八段の研究手です。
こんな端に金を打つなど、研究がなくては放てません。
後手から仕掛けた戦型で、相手を上回る研究で返り討ちにするところは日ごろからの深い研究がうかがわれます。
広瀬九段は58手目、60手目と連続長考しますが、結果として対応を間違えたようです。
佐々木八段は深い研究を活かして、持ち時間を2時間残しての快勝です。

挑戦者決定戦第2局は、8月13日に行われます!
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【ショートミステリ】齊藤想『神の指紋』 [自作ショートショート]

本作は小説でもどうぞW選考委員会版用に書いて、応募しなかったボツ作品です。
このときのテーマは「神」でした。
マニアックな知識がひとつあると、ショートショートや掌編を書きやすいです。本作で使った知識は動物の指紋です。実はコアラの指紋は人間とそっくりだそうです。そこからショートミステリを書いてみました。

具体的な技法はこちらの無料ニュースレターで紹介します。次回は8/5発行です。



・基本的に月2回発行(5日、20日※こちらはバックナンバー)。
・新規登録の特典のアイデア発想のオリジナルシート(キーワード法、物語改造法)つき!

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 『神の指紋』 齊藤 想

 目の前にいる老刑事は、2種類の紙をテーブルの上に広げた。ひとつは白紙で、もうひとつの紙には、綺麗な楕円形がマトリョーシカのように重ねて描かれている。
 ここは自分が園長を務める動物園の事務室だ。自分の城だ。なのに、なぜか目の前にいる老刑事に威圧されてしまう。
 自分はテーブルの上に置いてある缶ジュースに手を伸ばそうとして、そのまま手をひっこめた。老刑事とペアを組む若い刑事が、素早く視線を飛ばしてくる。
 遠くから来園客の声がした。家族連れだろうか。コアラ舎の前で、子どもたちがはしゃいでいる声が聞こえてくる。
 動物園の経営は苦しい。コアラが少しでも子どもたちを呼んでくれたいいのだが。
 老刑事は、外見上だけは、いかにも好々爺といった雰囲気で語り掛ける。
「この紙に描かれているのは、警察の世界では“神の指紋”と呼ばれている指紋です」
「神の指紋ですか?」
「ええ、そうです。いわば、こいつらは警察泣かせの指紋ですなあ」
 これは取り調べではない。そう思っていても、刑事が目の前にいると緊張してしまう。
 老刑事は白紙を少し前に出した。
「これは指紋がないひとの指紋です。世の中にはごくまれに指紋がない人間がいます。彼らはいくら素手でドアに触ろうとも、指紋が検出されることがありません。なにしろ、指紋がありませんからね」
「それはそうですよね」
 自分が軽く笑うと、老刑事はもうひとつの紙を前に出してきた。何重にも楕円が描かれている紙だ。
「こちらは、傷ひとつない綺麗すぎる指紋です。指紋の照合には、傷とか分岐とか、そうした特徴を一定数以上確認する必要があります。ところが、この指紋は特徴がないために照合ができません。いわば、この2つは決して捕まることのない神の指紋なのです」
 従業員がお茶を持ってきた。老刑事はお礼を言って口をつける。若い刑事の手は動かない。湯呑はテーブルの上に置かれたまま、湯気を立て続けている。
 自分は唾を飲み込んだ。
「その神の指紋と、この私がどう関係するのですか。私は単なる動物園の園長です。犯罪に手を染めたことも、染めるつもりもありません」
 老刑事はかぶりを振った。
「いやいや、それは分かっています。実はですねえ、この神の指紋が、最近発生した盗難事件で発見されたのです。もちろん被害者の家族のものではありません」
「それはそうでしょうね」
「さらに不思議なことに、これらの指紋は玄関のドア付近でしか発見されていません。ここから警察はひとつの推測を立てました。これらは偽の指紋ではないかと」
「偽の指紋?」
「ええそうです。警察の捜査をかく乱するために、あえて指紋を残したのです」
 老刑事は、自分の反応を確かめるように、少し間を置いた。
「犯人たちは手袋をして完璧な指紋対策をしていたのでしょう。その上で、玄関にだけ神の指紋を残して、警察の捜査を攪乱させようとした。犯人たちは、丁寧にも室内で指紋を拭った跡まで残して、いかにも玄関だけ忘れたという偽装までしています」
「ちょっと待ってください。もし、犯人が神の指紋を持っていたとしても、リスクが高すぎます。神の指紋とはいえ、持ち主を特定されたら終わりじゃありませんか。照合はできなくても、有力な証拠にはなる」
「その通り。だが、犯人には指紋の持ち主を特定されない絶対的な自信があった。だからこそ、この犯行を実行した」
「まさか、そんなことはないでしょう」
 自分が笑うと、老刑事は獲物を狙う野獣のような目つきになった。
「例えばですが、その指紋の持ち主が人間ではなかったらどうでしょう。霊長類を始めとして、樹上生活をする生物には指紋があります。中でも人間の指紋とまったく見分けがつかないのが、コアラです」
「コアラですか?」
「いくら警察とはいえ、コアラの指紋のデータベースはありません。それで、我々は試しとしてコアラの指紋を取りにきたのです。コアラの指紋が神の指紋と一致すれば、コアラが現場にいた証拠となる。コアラを密かに外に連れ出せる人間は限られますからね。この動物園のコアラは人気者ですし、大事な動物なので園長が直接飼育していると聞いています。犯罪捜査のため、ぜひともご協力いただけますよね」
 老刑事の追及に、自分はひとことも喋ることができなかった。

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最近の金融・投資【令和6年7月第5週】 [金融・投資]

〔先週の株式市場〕
2日プラスで3日マイナス。
マイナスは大きく、プラスは少々なので1週間で大幅マイナス。
順調にプラスが積み重なっていたのですが、1週間で1~2カ月分のプラスが吹き飛んだ感じ。
とはいえ、年初から比べればプラスなので驚くほどでもないのですが。
そろそろ買いに入るか、もうちょっと見るか。

〔ひろぎんから株主優待が届いた話〕
ひろぎんの株主優待は、以前は地方銀行らしく、地域特産品カタログだった。
株主優待目的で購入したのだが、あっさりと500円のクカードに変更されてしまった。
しかも無味乾燥なプリントの。
これにプラスして、広島県の野球チケットや、美術館といった広島県内で使えるサービス券を選択制でもらえる。
もらっても、広島までいくことがないしなあ。
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