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【映画】007/ゴールドフィンガー [映画評]

いろいろな意味で、007という映画です。


007/ゴールドフィンガー [Blu-ray]

007/ゴールドフィンガー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray



本作は007の活躍から始まります。
メキシコの革命家の工場を爆破し、戻ってきたホテルで襲撃してきた暗殺者と返り討ちにして、裏切った彼女にも制裁を加えます。
そこから本篇ですが、今回のテーマは金密輸です。
映画の公開は1964年で当時は金本位制だったので、金密輸は大事件だったのでしょう。
その金密輸の疑いがあるのはゴールドフィンガーです。
ゴールドフィンガーの目的は米国中の金塊が集められている銀行を襲い、金塊を盗み出すことではなく、そこで核爆発を起こして近づけなくして、持っている金の価格を釣り上げることでした。
ボンドはいつものように女性とイチャイチャしながら、ゴールドフィンガーの野望の阻止に動きます。
という感じです。
3作目にしてQの秘密道具研究施設が登場です。
そこで毎回お約束の奇妙な武器がチラ見させられます。で、秘密兵器満載のボンドカーも登場です。このボンドカーで相手のタイヤをパンクさせたり、煙幕を張って混乱させたりします。
印象的なシーンは、ゴールドフィンガーを裏切った女性が全身に金粉を塗られて殺される場面です。
ちょっと意味不明ですが、当時は全身塗られると「皮膚呼吸」ができなくなり、窒息死すると思われていたようです。
ちなみになぜ殺されたのかというと、ゴールドフィンガーはカードゲームのいかさまで富豪から金をだまし取っており、その手伝いをジルがしていたのですが、ボンドにばれていかさまができなくなったからです。
ボスを裏切ったといっても、ボンドにばれて止む無くの部分があるし、そもそも行動がせこいです。
かなり小さい人物です。
ジルとボンドがイチャイチャした逆恨み感があるのかもしれませんが。
このジルに妹がいて、この妹が仇であるゴールデンフィンガーを狙うのですが、いや、これがまた中途半端な立ち位置で、途中で映画から退場です。
後半でボンドガールとなるプッシー・ガロアが登場します(名前が……)。
彼女はゴールドフィンガーの操縦士なのですが、彼女もボンドに強引に迫られ、イチャイチャして、あっさりとゴールドフィンガーを裏切ってしまいます。
なんだかなあ。
賭けゴルフでもセコイいかさまをしたり、ゴールドフィンガーはかなりみみっちい人物として描かれているため、計画は壮大でも敵としてみると役不足かも。
敵の殺し屋のオッド・ジョブを、日本人レスラー、ハロルド坂田が演じています。
強靭な肉体を持つ寡黙な人物で、なかなかいい味がでています。
製作費は3百万ドルと順調にアップし、興行収入も1億25百万ドルとこの時代で1億を突破です。
もちろん世界興行収入で1位です。
ちなみに2位は僅差でメリー・ポピンズで、3位のマイ・フェア・レディは75百万ドルです。

007の歴史を楽しみたいひとのために!
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【書評】ハンス・ロスリング『FACT FULNESS』 [書評]

偽情報に惑わされず、世界を正しく見るための本です。





最初に13の質問があります。選択肢が3つなので、あてずっぽうでも正解率33%です。
ところが、ほとんどの設問で(13中12問で!)33%を下回ります。
人類はチンパンジー以下の知能しかないのでしょうか?
ということで、世界をゆがんてみてしまう10の本能についての解説が始まります。
こう書くと仰々しい本のように感じるかもしれませんが、教えはいたってシンプルです。
官僚の世界で「海を渡れ 川を上れ」という言葉があります。
”海を渡れ”は世界と比べること、”川を上れ”は歴史と比べることです。
本書の主張をまとめると、以下の3点に集約されると思います。

・確かなデータで判断すること。
・様々な国々と比較すること。
・過去のデータを比較すること。

簡単そうで、実際には難しいことばかりです。
ただこうしたことを知っていると、提示されたデータを単純に信じることや、情緒的な訴えに疑いを挟むことができるかと思います。
著者の人柄が現れているのか、くだけた文章で、著者の体験談も豊富で読みやすいです。
世界はどんどん良くなっています。これはデータからも確実です。
情緒的な言動に惑わされず、正しい情報で判断することは、大事だと思います。

世界の見方を学びたいひとのために!
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