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【映画】007/ロシアより愛をこめて [映画評]

007のスタイルを決定づけた作品だと思います。


007/ロシアより愛をこめて [Blu-ray]

007/ロシアより愛をこめて [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray



冒頭にスペクターの殺し屋がボンドを殺すシーンがでてきます。
もちろん本物のボンドではなく、ボンドのお面をつけた手下なのですが、これで殺し屋の強さをアピールします。
映画の主題は、ソ連の暗号機「レクター」の奪い合いです。
スペクターはレクターを餌にイギリス諜報員を巻き込み、きっと派遣されるボンドを殺害する計画を立てます。
スペクターには、ソ連諜報部隊スメルシュの部長でありながら、スペクターの一員であるクレップ大佐がいます。
作戦を聞くスペクターのボス、プロフェルドはいつも白いモフモフした猫を撫でています。
このシーンは悪役の代名詞みたいになって、様々なコンテンツに採用されていますが、元は007です。
さて作戦ですが、クレップ大佐が肩書を利用して何もしならない女性諜報員を呼び出し、ボンドとともに行動するよう命令を出します。
英国はレクターの話を聞き、007を呼び出すのですが、いつもように女性とイチャイチャしています。
で、そこからトルコのイスタンブールに飛び、現地の支局長と共同して「レスター」の奪取の計画を進めます。
という感じの映画です。
公開は1963年で、前作よりアクションや爆発が増えています。
トルコ支局長は襲われますし、逃げるボンドはヘリコプターであおられます。電車内での激しいバトルもありますし、ラストシーンはボートでの逃走ですが、漏れた燃料を利用して派手な爆発を見せてくれます。
エンタメの王道らしく、助かったと思ったら最後の最後にクレップ大佐との一騎打ちも待っています。
そこで、元々はソ連諜報員だったボンドガールが、身も心もボンドの手に落ちていることを示して、大団円です。
スパイ映画といえば主人公が捕まるものです。
ボンドが完全に捕まることはありませんが、何度か危機に陥り、銃を奪われます。
で、Qから渡された秘密兵器の力で助かるのも、007スタイルです。
製作費は前作の2倍である2百万ドル(これでも低予算ですが)で、興行収入もアップして79百万ドルを稼ぎだしました。
この成績は1963年世界興行収入の第2位だそうです。
(1位はクレオパトラで製作費44百万ドル、上映時間3時間越えの超大作)

007シリーズの基本形を作った映画を楽しみたいひとのために!
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【書評】栗本薫『セイレーン』 [書評]

歌声で人々を魅了するセーラが世界を壊していく話です。


セイレーン (ハヤカワ文庫JA)

セイレーン (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 栗本 薫
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/05/31
  • メディア: Kindle版



本作は「セイレーン」と「Run with Wolf」の2編収録です。
タイトルになっているセイレーンはギリシャ神話に登場する海の怪物で、美しい歌で船乗りたちを呼び寄せ、遭難させてしまいます。
ストーリーは現在と未来の2つの軸が並行して進みます。
メインは現在で、セーラーと呼ばれる少女に歌番組の関係者が魅了され、虜になってしまいます。
SFですが、基本テイストは純文学です。
彼女に魅了される人々を描写することで、世界がひとりの少女によって変わっていくさまを描いていきます。
とても読みやすい作品だと思います。
「Run with Wolf」は人類の進化、突然変異物です。
突如として奇形児が増え、彼らは独自の社会を築いていきます。
平均とは何か、正常とは何か、そういったことがテーマになっています。
2編とも綺麗な作品だと思います。

美しいSFを読みたいひとのために!
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