【映画】007/ユア・アイズ・オンリー [映画評]
前作でやりすぎたのか、スパイ映画の王道に戻った作品です。
前作『ムーンレイカー』では宇宙にまで飛んだボンドですが、さすがに本作は地球上のみです。
反省したのかもしれません(笑)
スパイ映画らしく、冒頭でボンドの活躍が描かれます。とはいえ、ヘリに同乗していたところを操縦士をやられてしまい、遠隔操作で命の危険にさらされるという受け身の展開です。
空中でのアクションの末にヘリの操縦を奪い返して敵を倒すのですが、このシーンとストーリーは特段関係はありません。
権利関係のアレコレがあったようです。
さて、物語は漁船に偽装していた英国スパイ船が不慮の事故で沈没したところから始まります。
冒頭できっちり、問題点を提示します。
イギリス軍のミサイルを自由に誘導できる装置ATACを回収する必要がありますが、そこが他国の領海内で、しかも水深が浅いです。
イギリスは密かに海洋学者に研究のふりをして引き上げを要請しますが、ヘリコプターによる襲撃で撃ち殺されてしまいます。
唯一生き残ったのは娘だけ。
娘は殺害者への復讐を誓い、007はATACを回収するために活動を開始します。
という感じのストーリーです。
ロケ地はギリシャとイタリアです。アクションシーン満載で、冒頭のヘリだけでなく、本作でもスキー場での追跡劇があります。
毎回趣向を凝らしますが、今回はジャンプ台で飛んだり、ボブスレーのコースに入り込んだりと、新しいアイデアを出してくれるのがうれしいところです。
終盤ではロッククライミングもあり、途中で敵が気が付いてアンカーを抜きにかかるなど、観客を盛り上げてくれます。
他にもアイスホッケーで襲われたり、海岸でひき殺されそうになったり、水中で潜水艇で襲われたりと、隙あらばアクションシーンを盛り込むサービス精神に満ち溢れています。
あとギリシャでのカーチェイスは、いかもにギリシャという感じの山道を十分に活用しているのもプラスポイントです。
007シリーズは最初から本敵を明らかにするパターンが多いですが、本作は途中まで隠されており、登場するには30分ぐらいで、最初は協力者として紹介されています。本敵だと明らかになるのは半分を過ぎてからです。
サービス満点の効果か、製作費28百万ドルに対して興行収入1億95百万ドルと好成績をあげました。
しかし、前作にはわずかに及ばずです。
サービス精神満点の007シリーズを楽しみたいひとのために!
前作『ムーンレイカー』では宇宙にまで飛んだボンドですが、さすがに本作は地球上のみです。
反省したのかもしれません(笑)
スパイ映画らしく、冒頭でボンドの活躍が描かれます。とはいえ、ヘリに同乗していたところを操縦士をやられてしまい、遠隔操作で命の危険にさらされるという受け身の展開です。
空中でのアクションの末にヘリの操縦を奪い返して敵を倒すのですが、このシーンとストーリーは特段関係はありません。
権利関係のアレコレがあったようです。
さて、物語は漁船に偽装していた英国スパイ船が不慮の事故で沈没したところから始まります。
冒頭できっちり、問題点を提示します。
イギリス軍のミサイルを自由に誘導できる装置ATACを回収する必要がありますが、そこが他国の領海内で、しかも水深が浅いです。
イギリスは密かに海洋学者に研究のふりをして引き上げを要請しますが、ヘリコプターによる襲撃で撃ち殺されてしまいます。
唯一生き残ったのは娘だけ。
娘は殺害者への復讐を誓い、007はATACを回収するために活動を開始します。
という感じのストーリーです。
ロケ地はギリシャとイタリアです。アクションシーン満載で、冒頭のヘリだけでなく、本作でもスキー場での追跡劇があります。
毎回趣向を凝らしますが、今回はジャンプ台で飛んだり、ボブスレーのコースに入り込んだりと、新しいアイデアを出してくれるのがうれしいところです。
終盤ではロッククライミングもあり、途中で敵が気が付いてアンカーを抜きにかかるなど、観客を盛り上げてくれます。
他にもアイスホッケーで襲われたり、海岸でひき殺されそうになったり、水中で潜水艇で襲われたりと、隙あらばアクションシーンを盛り込むサービス精神に満ち溢れています。
あとギリシャでのカーチェイスは、いかもにギリシャという感じの山道を十分に活用しているのもプラスポイントです。
007シリーズは最初から本敵を明らかにするパターンが多いですが、本作は途中まで隠されており、登場するには30分ぐらいで、最初は協力者として紹介されています。本敵だと明らかになるのは半分を過ぎてからです。
サービス満点の効果か、製作費28百万ドルに対して興行収入1億95百万ドルと好成績をあげました。
しかし、前作にはわずかに及ばずです。
サービス精神満点の007シリーズを楽しみたいひとのために!
【書評】櫻井忠温『現代文 肉弾』 [書評]
著者が参戦した日露戦争の従軍記です。
著者は日露戦争に陸軍少尉(途中で中尉に昇進)として参戦しました。
乃木将軍が初代師団長を努めた四国の第11師団所属の連隊の一員となり、連隊旗の旗手を努めます。
日露戦争では乃木将軍が率いる第3軍に組み込まれ、旅順攻防戦で大けがを負いますが、九死に一生を得ます。
以降は療養の日々を送り、自分には書く資格がないとして、そこで筆は止まります。
明治時代の庶民らしく、美文調が色濃く残っている文体です。
美文調とは読む文章ではなく、語り聞かせる文章です。そのため、仰々しく、読みながら抑揚をつけたくなってきます。
序盤はまるで戦国武士のように勇ましく出陣し、戦場でも同じ調子なのですが、その一方で戦死した戦友を悼み、また敵を憎みつつもその勇敢さを褒めます。ときには敵の家族にも思いを馳せます。
一見すると相反する感情ですが、これらが一身にまとっているのが人間であり、その姿をそのまま描くところにこの本の意味があると思います。
当時の戦場の様子では、伝令が活躍しているところが興味を引きました。まるで戦国時代のようですが、途中で道に迷ったりしながら必死に走って命令を伝える。
当時はそんな感じだったみたいです。
最前線に立つ中尉が見た日露戦争を知りたいひとのために!
著者は日露戦争に陸軍少尉(途中で中尉に昇進)として参戦しました。
乃木将軍が初代師団長を努めた四国の第11師団所属の連隊の一員となり、連隊旗の旗手を努めます。
日露戦争では乃木将軍が率いる第3軍に組み込まれ、旅順攻防戦で大けがを負いますが、九死に一生を得ます。
以降は療養の日々を送り、自分には書く資格がないとして、そこで筆は止まります。
明治時代の庶民らしく、美文調が色濃く残っている文体です。
美文調とは読む文章ではなく、語り聞かせる文章です。そのため、仰々しく、読みながら抑揚をつけたくなってきます。
序盤はまるで戦国武士のように勇ましく出陣し、戦場でも同じ調子なのですが、その一方で戦死した戦友を悼み、また敵を憎みつつもその勇敢さを褒めます。ときには敵の家族にも思いを馳せます。
一見すると相反する感情ですが、これらが一身にまとっているのが人間であり、その姿をそのまま描くところにこの本の意味があると思います。
当時の戦場の様子では、伝令が活躍しているところが興味を引きました。まるで戦国時代のようですが、途中で道に迷ったりしながら必死に走って命令を伝える。
当時はそんな感じだったみたいです。
最前線に立つ中尉が見た日露戦争を知りたいひとのために!