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第65期王位戦第1局(藤井聡太王位VS渡辺明九段) [将棋]

藤井王位と渡辺九段のタイトル戦は6度目です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/oui/

いままで渡辺九段は藤井王位に一方的にやられています。
初対戦の棋聖戦では1-3で失陥し、翌年のリベンジマッチでは0-3とスイープされました。
王将戦では0-4とこれまたスイープされ、棋王戦も1-3、名人戦も1-4とフルセットに持ち込めたことも、2勝を上げたこともありません。
挑戦権獲得のときのインタビューでも「(藤井王位戦は)他の人とは全然違う対策が必要になる」と語っています。
渡辺九段は自身について「終盤力は劣っている」と分析するのと同時に「いまから終盤力を鍛えるのは難しい」といつものように直球トークをしています。
となると対策は序盤なになるのかなと思いますが、さあ渡辺九段は対藤井戦の秘策を用意することができたでしょうか!


〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/65/oui202407060101.html

〔棋譜※千日手指し直し〕
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/65/oui202407060102.html

ということで、将棋です。
後手番渡辺九段の作戦は左美濃からの右玉でした。
対抗形ならともかく、相居飛車の左美濃は珍しいです。
角交換を避け、慎重な駒組から待機戦術に徹することで、持ち時間を1時間20分リードして千日手に持ち込むことに成功します。
後手番としては大成功です。
先後が入れ替わっての指しなおし局は、相掛かりとなりました。
持ち時間をリードしての渡辺九段は、中盤以降になると断続的に時間を使い、慎重に指し手を進めます。
対する藤井王位は残り時間の切迫もあり、いつもと比べると精度が落ちている感じがします。
渡辺九段リードのまま終盤に突入しますが、ここまでくると渡辺九段も持ち時間をほぼ使い切っています。
AIの評価は先手100%。後手玉に詰みありと見ていますが、そう簡単ではありません。
3二銀打ちの瞬間に評価が大逆転し、その後も先手玉の上部脱出をはかる手があったようですが、渡辺九段はそのまま後手玉をつましにいき、詰ましきれず、そのまま投了しました。
最後の最後でぽっきり折れた感じは、これが相性なのかもしれません。
藤井王位は苦戦しながらも、急死に一生を得て、136手まで先勝しました。

第2局は7月17・18日(水・木)に北海道函館市「湯元 啄木亭」で行われます!

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【映画】007/ダイ・アナザー・デイ [映画評]

007シリーズ記念すべき第20作です。


007/ダイ・アナザー・デイ [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray



アニバーサリー作品らしく、世界中を飛び回ります。
本作は北朝鮮から始まります。
007が北朝鮮に潜入し、紛争ダイヤ(紛争地域から産出されるダイヤで、テロ組織への資金提供に繋がることから取引が制限されている)で武器密輸をしている北朝鮮組織を壊滅させる作戦に従事します。
ですが、大佐の側近ザオに007の正体がバレて、ホバークラフトによるカーチェイスの末になんとか脱出します。
黒幕の北朝鮮の大佐が滝から転落して死亡します。
場所は非武装地帯という設定ですが、あんなとことろに滝壺も寺もないというツッコミはさておきまして。
大佐からは逃れたものの之、007は北朝鮮に捕まり、長らく拷問されます。
その後、007は捕虜交換で英国に戻りますが、その捕虜交換の相手はザオでした。
実は007には潜入スパイの情報を漏らした疑いがかかっていました。その疑いを晴らすため、007は拘束から抜け出し、ザオの後を追います。
というのがザックリとした流れです。
アニバーサリーらしく、映画は世界中を飛び回ります。
北朝鮮から始まり、キューバ、アイスランド、さらに空中と。
カーチェイスもホバークラフト、04仕様のロケットカー、さらには氷上のカーチェイスに、水上スキー(CGがやりすぎ)も披露です。またガンアクションだけでなく、珍しいフェンシング、刀の切りあいもあります。
ボンドガールはハルベリーですし、主題歌を担当したマドンナも出演です。
とにかくサービス精神満点です。
スパイ映画お約束の拘束シーンもあれば、裏切りあり、もちろん女性ともイチャイチャありです。
また、シリーズ物あるあるですが、身内からも疑われて追われるというのも、そこから信頼を取り戻して復活もお約束です。
とてもサービス満点ですが、いささかやりすぎシーンも多いです。
水上スキーは明らかにやりすぎですが、ハープーン(?)で衛星を攻撃するのも明らかに変です。ICBMなら高度は十分ですが、それで衛星を攻撃できるかというとまた別問題。
そもそも北朝鮮が超最新の科学技術を持っているもおかしいですし、強力な兵器なのになぜか007たちが乗っている飛行機にはそれほど効かないというのも……。
この辺りは演出ですから、致し方ないところでしょうか。
ツッコミどころは多いですが、エンタメとしては面白い映画だと思います。
あと、ハルベリーが拷問を受けるシーンがありますが、痛がる演技が下手ですね(笑)
製作費は前作を上回る1億42百万ドルで、興行収入も4億32百万ドルの大ヒットとなりました。

007シリーズの面白さが詰まった作品を楽しみたいひとのために!
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【書評】早坂隆『愛国者がテロリストになった日~安重根の真実~』 [書評]

安重根の真実を裁判記録等の一級資料から読み解きます。


愛国者がテロリストになった日 安重根の真実

愛国者がテロリストになった日 安重根の真実

  • 作者: 早坂 隆
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2015/05/22
  • メディア: Kindle版



安重根はテロリストです。
どのような理由であれ、政治家を暗殺したわけですから、テロリストの烙印を押されるのは免れません。
安重根は現在の北朝鮮で、両班の子として裕福な家庭に育ちました。その後、朝鮮が日本国の保護国となり、両班としての特権を失います。
商売を始めたり学校経営を始めたりしますが、失敗して先祖の財産をすべて失い、抗日ゲリラに身を投じます。
そして、最後は伊藤博文を暗殺します。
よく知られているように、伊藤博文は朝鮮合併に反対していました。
朝鮮を近代化するために、強引な面はあったにしろ、様々な面で力を尽くしました。しかし、安重根は偏った知識しかなかったため、情勢をまったく理解していなかったようです。
裁判における検察官は以下のように指摘します。
「自己の分際、力量及び自国の栄枯盛衰及びその由来に関する正当なり智識の欠乏による誤解と、他人殊に伊藤公の人格と日本の国是、宣言及び列強交渉並びに国際法規の何たるやに関する智識の欠乏により生ずる誤解より、頑迷・自尊・排日の新聞及び論客の説に盲従」
まさにこの通りだと思います。
愛国者であることは間違いないと思ますが、その思考はあまりに粗雑としか言いようがありません。

安重根の真実を知りたい人のために!
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