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【書評】門田隆将『敗れても 敗れても~東大野球部「百年」の奮闘~』 [書評]

東京六大学野球で圧倒的に弱い東大野球部の奮闘記です。


敗れても 敗れても ――東大野球部「百年」の奮戦 (単行本)

敗れても 敗れても ――東大野球部「百年」の奮戦 (単行本)

  • 作者: 門田 隆将
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2018/05/18
  • メディア: 単行本



東大野球部は東京六大学野球の開始当初(大正14年)から参加していますが、優勝は一度もありません。
特に他の5大学が推薦制度などで力を付けてからは差が付く一方で、ほとんど最下位です。
そうした中でも17勝を挙げた投手、優勝まであと一歩に迫った赤門旋風、日本ハムに入団した宮台投手を擁して15年ぶりに勝ち点を挙げたシーズンなどを取り上げています。
東大は入試が難しいため、好選手はなかなか入ってきません。
だからこそ、高校で不完全燃焼だった選手が、「東大なら野球ができる」と入部してくるケースが多いそうです。
目立つ選手がいないなかでの奮闘は、日本人的な心情にぐっとくるものがあります。

東大野球部の奮闘の歴史を知りたいひとのために!
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【公募情報】第1回ひらづみ文学賞(短編・7/31〆) [公募情報]

主催者の「ひらづみ」は、本を通じての出会いや交流をサポートするサイトです。

〔主催者HP〕
https://hiradumi.jp/literary-award/

募集部門は①文学部門と②エンタメ部門になります。
第1回ですし、運営サイトもまだまだ若そうなので、傾向はつかめません。
審査員が「ひらづみ運営スタッフ」や「協力スタッフ」とあるので、グループやイベントを見れば、何かヒントがあるかもしれません。
「ひらづみ」に登録されている方は、ユーザー特典として選評がつくそうです。
制限枚数は50枚~100枚、応募締切は令和5年7月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:短編小説(①文学部門 ②エンタメ部門)
テーマ :不問
大  賞:賞金5万円
制限枚数:原稿用紙換算50枚~100枚程度
応募締切:令和5年7月31日
応募方法:電子メール
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創作状況【3月中旬】 [ぼくの公募状況]

WBCのメキシコ戦は野球史上に残る激闘でした。優勝まであと1つ、ガンバレ日本!

【第186回のメュー】
◆メルマガ『ビジネス発想源』について
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第17回)
◆おまけのもう1作
◆公募情報数点
 今回はいろいろとためになるメルマガの紹介です。テクニックは擬人法の逆パターンと、あえてラストシーンを書かない場合についてです。
 次回発行は4月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!
https://www.arasuji.com/mailmagazine/saitomagazine/


【ショートショートガーデン】
プチコン「旅」用の作品その1です。あと2つぐらい投稿する予定。
〔生まれの違い〕
https://short-short.garden/S-uCTuzp


【小説でもどうぞ】
3月テーマ「お仕事」を推敲する。
1作目は悪戦苦闘して草稿からかなりいじって、ようやく糸が通ったかなと。まだまだ粗削りなのでさらなる見直しが必要です。ユーモア+ウェットな感じです。
2作目もユーモアテイストですが、オチだけブラックです。会話形式ですが(正式には対話対小説というみたいですが)、相手はでてきません。このような形式は、なんというのかなあ。
推敲で5.5枚あったのを、増やしつつ5枚まで削る。これが本来の推敲ですね。推敲とは削ることなり。


【yomeba!】
第21回の締め切りは3月31日。思ったより時間がない。
とりあえず第1作を書いたが、なにか違う。設定とオチとテーマが有機的に繋がっていない。少し時間をおいて、最初から書き直します。はい。
2作目が先に仕上がる。これも推敲が必要だけど、2つのアイデアを融合させたらなんとかなったという感じです。
十分に推敲する時間がとれるかどうか。


【星新一賞】
受賞作が発表されています。
2年連続で関口聡さんが受賞されています。星新一賞は著者名を伏せて選考するので、これは完全に実力ですね。
賞の傾向を完全につかんでいるのもあると思います。
関口さんは創元SF短編賞にも応募されていますが、そのうち、栄光を掴んでくれるでしょう。
受賞作が公開されたら、順次読んでいきたいと思います!


【坊っちゃん文学賞】
第19回の受賞作を順番に読んでいきます。
・大賞『ジャイアントキリン群』そるとばたあ
ジャイアントキリングを成し遂げたチームにキリン群が現れ、コーチをしてくれる話です。
これ、冒頭の1行が上手いです。
「朝練のグラウンドでキリンの群れに遭遇した」
これから何が起こるんだろうという期待感とともに、”朝練のグランド”だけ、舞台が高校の野球部であることを示しています。
もちろんグラウンドの朝練というと、サッカーやラグビーの可能性もありますが、余計な言葉を付けないのが美しいです。
若干中盤は中だるみの感じもありますし、オチも普通です。というか、普通の青春小説みたいです。
ですが、言葉遊び系のネタといい、掌編風の仕上がりといい、坊っちゃん文学賞の特徴を捉えた作品だと思います。


【NIIKEI文学賞】
締切は5月31日、制限文字数400~800字。
もう1作書こうと思っているけど、アイデアがまとまらないのでいまある3作を推敲する。400字に満たない作品は少し書き足して500字前後にする。
たまに見直します。


【ラストで君は「まさか!」と言う】
予約した本がなかなか手もとに来ない。読んでから考えます。
締切は5月31日ですね~。


【ひらづみ文学賞】
創元SF短編で落選した作品を出す予定、ということで忘れないようにメモ。
リライトが必要ですが、締切が7月31日なので、まあ、ゆっくりと。


【超ショートショート】
受賞作が発表されました。残念ながら自分は落選。
今年も福井雅さんが受賞されています。強いなあ。
おいおい作品を楽しんで読んでいきたいと思います。


【その他モロモロ】
 ・エコカレンダーに応募しようかな。5月26日締切です。
・おーいお茶新俳句はツバメ3句で応募しました。楽しかった。10月下旬発表。
・SIer川柳の発表は「JARSIA」16号誌上(2023年2月発行予定)ですが3月頭時点ではまだみたい。
・第9回朝礼川柳は落選しました。後日、TOP100の発表もあるそうです。
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【映画】ロッキー・ザ・ファイナル [映画評]

初老を迎えたロッキーが、新たなチャレンジに立ち向かう熱い映画です。


ロッキー・ザ・ファイナル (特別編) [Blu-ray]

ロッキー・ザ・ファイナル (特別編) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: Blu-ray



さてストーリーです、
50歳代になったロッキーは小料理店を経営し、それなりの生活を送っています。
息子も社会人となり独立し、愛する妻は故人になっています。
ロッキーは小料理店でお客の求めに応じて、昔話を語り、写真撮影で喜ばれます。
ロッキーの心は過去にあります。
昔お世話になったジムにいき、エイドリアンと初めてデートしたスケートリンクも訪れますが、いずれも廃墟となっています。
逆に後悔ばかりの人生を送ってきたポーリーに、前を向けと言われます。
かつての不良少女だったマリーと再会したことで、新たな恋に前向きとなり、マリーの息子とも交流を深めていきます。
ある日、コンピューター上でロッキーと現役ヘビー級王座のディクソンのシミレーションがテレビで放映されているのを見て、前向きな人生に向かいつつあったロッキーに、現役復帰の気持ちが高まっていきます。
その一方で、有名すぎる父を持った息子は、ロッキーとの関係が疎遠になっています。
ヘビー級王者のディクソンですが、あまりに瞬殺ばかりなので、人気の低迷に苦しんでいました。
ロッキーが現役復帰をすることを知ったプロモーターが、ロッキーとのチャリティー・エキシビションマッチを提案します。
普通に考えれば無謀だし、老醜をさらすだけです。
しかし、ロッキーは誰に何を言われようと自分がしたいことをすると決意し、試合を承諾します。
偉大な父の陰に苦しめられている息子は反対しますが、逆に自分の弱さを見つめて困難に立ち向かうことの重要性を説き、息子を励まします。
父と息子は和解します。
そして、ロッキーは人生最後の試合に向かいます。
というストーリーです。
いや、これは非常によくできた映画です。
序盤のしみじみとするような過去に浸るロッキーがいて、そこから小さい出来事を重ねることで、徐々にロッキーが前に進む描写が見事です。
ひとつひとつは他愛のないエピソードかもしれませんが、描き方が上手いのでしょう。ロッキーの気持ちに共感できます。
ラストの試合も、王者に拳を負傷させることで、自然な形で熱戦になるよう工夫されています。
試合が終わると、ロッキーは判定結果を聞く前にリングを去ります。この辺りは、立場は違えど、ロッキー1と通じる演出です。
試合後の表情で、いくつになっても全力を出すことの大切さを、ロッキーは伝えくれます。
製作費2400万ドルで興行収入が1億5500万ドルですから成功作品だと思います。

最後のロッキーを目に焼き付きたいひとのために!
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第48期棋王戦第4局(渡辺明棋王八段VS藤井聡太竜王) [将棋]

渡辺棋王の1勝2敗で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/

渡辺棋王は1勝を上げたものの、角番と追い込まれています。
38歳の渡辺棋王と20歳の藤井竜王との年齢差は18歳です。
平成の王者、羽生善治は52歳なので、渡辺棋王からすると14歳上と18歳下にスーパースターがいることになります。
普通、これだけの年齢差があれば、一時代を築けそうなものですが、羽生善治が四十代を迎えても棋力を維持していたため、明確な渡辺時代を作れないまま藤井竜王に追いつかれた不幸な世代かもしれません。
とはいえ通算タイトル数31期で第4位、一般棋戦の優勝回数も含めると42期で谷川浩司49期に続く第5位はやはり抜群の棋歴です。
令和のスーパースター藤井竜王は本局に勝利すると史上最年少の6冠となります。
渡辺棋王はいままで藤井竜王相手にタイトル戦2連続でスイープを食らうなど、いままでの実績を思うと信じられないほど苦戦しています。
後がない渡辺棋王ですが、令和のスーパースター藤井竜王の勢いを止めることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/48/kiou202303190101.html

ということで将棋です。
渡辺棋王の先手ですが、徹底的に角換わりです。
藤井竜王が角換わりを避けることは考えられないので、最新PCを駆使した研究量で勝負するつもりなのかなと思います。
渡辺棋王の作戦は、4七銀と引いて銀矢倉を作ってからの4五桂跳ねでした。
あまり見ない形ですが、18局の前例があります。これで仕掛けが成立するなら、5六銀より玉が堅いので得した感があります。
48手目で前例がなくなりますが、お互いの研究範囲なのか時間を使わずに進みます。
おそらく研究から外れたのは63手目、異筋の8三桂です。これを見て藤井竜王は長考に沈みます。
評価値的にはやや後手側に振れましたが互角の範囲。相手の研究を外して自分の土俵に引きずり込む作戦かと思いますが、対する6五歩を見て渡辺棋王も長考に沈みます。
事前研究から外れて、意表を突かれたのかもしれません。
長考の末に渡辺棋王は桂馬で香車を取ってからあえて角銀交換の駒損をしての攻めにかけますが、この手を境に評価値は後手有利から優勢へと振れていきます。
AI的には素直に同桂が優っていたようです。
渡辺棋王は駒損ながらも小駒でじわりと藤井玉に迫ります。いつしか評価値も互角近くまで戻ります。
しかし、渡辺棋王には時間との勝負もありました。
1分将棋に入ってからも粘っていましたが、たらした2三の歩を払われると藤井玉の懐が広く、駒損の先手は追撃が効きません。
渡辺棋王は角の王手に金駒を節約して7七桂と勝負の合駒を放ちますが、7五桂打ちと切り返されてこれでノックアウトです。
最後は次の1手問題のような6八金のただ捨てという奇麗な決め手が出たとことで渡辺棋王は投了しました。
これで藤井竜王の3勝1敗となり、棋王を奪取、ついに6冠となりました。

破れた渡辺名人ですが藤井竜王の先手番連勝記録を止め、本局でも中盤で互角に戻すなど見せ場は十分にあったと思います。
藤井棋王&最年少6冠達成おめでとうございます!
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第72回NHK杯決勝(藤井聡太竜王VS佐々木勇気八段) [将棋]

藤井竜王が一般棋戦全制覇を狙います。

〔主催者HP〕
https://www.nhk.jp/p/goshogi/ts/P84WQ1GW9V/

藤井竜王の進撃はとどまることを知りません。
タイトル戦の活躍もありますが、早指しかつ一発勝負のトーナメント戦でも負けなしで突き進んでいます。
将棋日本シリーズ、銀河戦、朝日杯将棋オープン戦でも優勝し、NHK杯でも優勝すればまさに年間グランドスラムとも言える快挙です。
もちろん史上初です。
対する佐々木勇気八段ですが、16歳1か月という通算でも史上6番目の早さでデビューしましたが、期待ほど成績が伸びず、”元天才”といじられることもあります。
しかし順位戦ではついにA級まで到達し、やはり天才であることを示しました。
藤井聡太の29連勝を止めたのも、佐々木勇気です。
さあNHK杯決勝で、佐々木八段は再び藤井竜王の快進撃を止めることができたでしょうか!

〔棋譜〕※徹底解説!将棋の定跡さんより
https://www.youtube.com/watch?v=OkhmpUtEMzU

ということで、将棋です。
先手佐々木勇八段、後手藤井竜王で戦形は相掛かりとなります。
先後とも3三金と上がる形が珍しいですが、お互いに組み替えていきます。
その後、先手は歩をどんどん伸ばし、後手は金銀を低く構えて待つ姿勢。
評価値が大きく動いたのは71手目です。
藤井竜王の8五歩と合わせたのを無視して、佐々木勇八段は一斉に攻めかかります。
しかし、若干無理だったようです。
銀をボロっと取られて8筋を突破されると、駒損の上にと金の威力が大きく、後手優勢となります。
佐々木勇八段も2枚の飛車で左右から迫りますが、106手目の7三桂馬が決め手です。詰み筋を防ぐ壁を作りつ、これが遠くにいる先手玉への詰めろとなっていました。
詰み筋に入れば、藤井竜王は逃がしません。
5八で清算してから銀捨てで飛車を吊り上げ、7三の桂馬が跳躍しての王手です。
ここから数手で投了し、藤井竜王はNHK杯初優勝とともに、銀河戦、朝日杯、JT杯も制して年間グランドスラムを達成しました。
史上初の快挙です。1発勝負の早指しトーナメントを全て制するとは、恐ろしいほどの強さです。

藤井NHK杯おめでとうございます。
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女流ABEMAトーナメント2023【チーム里見VSチーム加藤】

チーム里見は昨年度と同じメンバーです。

〔番組HP〕
https://abema.tv/video/title/288-36

[チーム里見]
里見香奈 清水市代、川又咲紀
[チーム加藤]
加藤桃子、渡辺愛、中村真梨花

メンバー的にはチーム加藤が上です。その中でどこまでチーム里見が頑張れるかですが、いきなり川又女流初段が中村女流三段を破る健闘を見せます。
中村女流三段は緊張のため指が震えており、いつもの力が出なかったのかもしれません。
そこからチーム加藤が3連勝。
リードを広げたところで清水女流七段が渡辺女流三段相手に、里見女流四冠が中村女流三段相手に勝利して、3-3に戻します。
里見・中村戦では、中村女流三段が王手放置の反則負けという珍しい事件がおきました。いかにもフィッシャーという感じです。
そこから3番勝負。
加藤・清水戦は相掛で清水女流七段の序盤のミスを突いた加藤女流三段が圧勝。追い込まれたチーム里見は川又女流初段に託しますが、中盤優勢になったものの勝ちきれず、終盤で龍取りを見逃してぼろっと取られて勝負あり。
チーム加藤が5-3で決勝進出を決めました。
レーティング的には一番低い川又女流初段ですが、1-2と健闘し、試合を盛り上げてくれた功労者だと思います。
来週はもう決勝です!

後:川又 咲紀 ○-● 中村真梨花:先
先:里見 香奈 ●-○ 加藤 桃子:後
後:清水 市代 ●-○ 渡部 愛 :先
先:川又 咲紀 ●-○ 中村真梨花:後
後:清水 市代 ○-● 渡部 愛 :先
先:里見 香奈 ○-● 中村真梨花:後
後:清水 市代 ●-○ 加藤 桃子:先
先:川又 咲紀 ●-○ 渡部 愛 :後

<チーム里見>
 里見 香奈 1-1
 清水 市代 1-2
 川又 咲紀 1-2

<チーム加藤>
 加藤 桃子 2-0
 渡部 愛  2-1
 中村真梨花 1-2

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【映画】ロッキー5 [映画評]

引退後のロッキーが切ない映画です。


ロッキー5 [Blu-ray]

ロッキー5 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: Blu-ray



ドラゴとの激闘でロッキーは脳に障害を持ち、ついに引退を決意します。
しかし、悪徳会計士に騙されて無一文となり、スラム街に戻ります。
そこで出会うのが若き才能トミーです。
ロッキーはトミーに夢を託して二人三脚でサクセスストーリーを駆け上がろうとします。
ロッキーはトミーに首ったけになる一方で、息子とは疎遠になっていきます。
トミーはタイトル戦を望みますが、ロッキーは許しません。そのため、ロッキーを現役復帰させて一儲けしようとしていた大物プロモーターのデュークがトミーに接近し、ロッキーからトミーを奪います。
ロッキーは本当に大事なのは息子だと気が付き、関係を回復します。
トミーはタイトルを獲得しますが、八百長だと記者から責められ、ロッキーのコピーだと言われて、ロッキーの影から抜け出すためにデュークにあおられてロッキーに対決を申しこみます。
ロッキーはトミーとリングではなく路上で戦い、そして勝利します。
とまあ、こんなストーリーです。
最初の印象は、観客が見たいロッキーはこれじゃない、ということです。
観客が求めるのはサクセスストーリーです。
落ちぶれたロッキーは、最後にスラム街の喝さいを浴びますが、落ちぶれたままで終わります。
ロッキーはスラム街のヒーローであり、それれは最初から最後まで変わりません。
脚本はいろいろ考えられていると思います。
息子との葛藤、過去の栄光をトミーに投影するロッキーの心理、トミーとロッキーの関係の変化。
しかし、ありがちな話が延々と続き、正直かなり退屈しました。
しかも、ロッキーは最初から最後までトミーを応援していたのですが、それをストリートファイトで解決(解決していませんが)するのはどうなんでしょう。
第11回ゴールデンラズベリー賞10部門中の7部門(最低作品賞、最低監督賞、最低主演男優賞、最低主演女優賞、最低助演男優賞、最低脚本賞、最低主題歌賞)にノミネートされるのもやむを得ないかもしれません。
興行成績も急落して約1.2億ドルと前作の半分以下です。
そういえばロッキーの息子を演じたのはシルベスタースターローンの実子ですが、36歳の若さで急逝しています。
とても残念です。

人気シリーズの続きを見たい人のために!
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第34期女流王位戦挑戦者決定戦(甲斐女流五段VS伊藤沙恵女流三段) [将棋]

現役バリバリのトップ女流棋士が突如として引退発表です。

〔主催者サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

3月7日に会見が行われた甲斐女流五段の引退発表は驚きました。
なにしろマイナビ杯のタイトル挑戦者であり、白玲戦では最上位にA級在位。
そして女流王位戦でも挑戦者決定戦進出と、タブルタイトル戦の可能性を残しています。
女流棋士の中で、引退、退会はときおりありますが、タイトル獲得経験のあるトップ女流棋士が、自らの意思で引退したのは失踪騒動を起こした林葉直子ぐらいです。
何ら問題もなく、トップ女流棋士のまま、静かに引退するのは初のケースです。
引退の理由は「前向きな気持ち」とあるので、40歳を目前にして新しい世界に飛び出したいのかもしれません。
「退会」ではなく「引退」なので、今後も将棋界にかかわりを持ち続ける可能性もあります。
いままでファンを楽しませてくれたことの感謝へとともに、今後のご活躍をお祈りしたいと思います。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/34/joryu-oui202303170101.html

ということで、将棋です。
本局は後手伊藤女流三段が雁木に構え、甲斐女流五段は早繰銀からの速攻という形になりました。
雁木対策として最も良く見られる作戦です。
伊藤女流三段は手厚く馬を作りますが、6五角と合わせられると消される馬です。
甲斐女流五段は悠々と飛車先歩交換をします。
どうやら、ここから伊藤女流三段ペースになったようです。
馬を中心に金銀を前に出し、抑え込みの構えです。
甲斐女流五段としては一か所でも突破できれば勝負になるのですが、飛車角が完全に封印されて苦しい形勢です。
玉が堅くないのも勝ちにくいです。
最後は伊藤女流三段の寄せが決まり、116手までの快勝。加藤桃子女流三段が里見女流王位への挑戦を決めました。
甲斐女流五段、最後の王位戦が終わりました。

女流王位戦五番勝負第1局は、4月26日(水)、兵庫県姫路市「夢乃井」で開幕します!
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【書評】潮谷験『スイッチ』 [書評]

このスイッチを押すとある家族が破滅する、という設定が面白いミステリです。


スイッチ 悪意の実験 (講談社文庫)

スイッチ 悪意の実験 (講談社文庫)

  • 作者: 潮谷験
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/09/15
  • メディア: Kindle版



本作はメィスト賞を受賞しています。
物語は奇妙なバイトから始まります。
心理学の実験なのですが、6人にスイッチのアプリが渡されて、このスイッチを押すとある家族が破滅する。
スイッチを押すことに、被験者にはメリットがない。
それでも被験者は押してしまうのか。純粋なる悪意は存在するのか。
主人公たちはスイッチを押さないために、対象となる家族、それはさえないパン屋なのですが、その家族と仲良くなります。
しかし、最終日に、主人公のスマホが盗まれ、スイッチが押されてしまう。
という感じのミステリです。
この風変わりな設定に、新興宗教、悪意の定義、キャラたちのバックグラウンド等がいろいろ絡みあいます。
さらには本物の殺人事件。
これほど詰め込んで、それでもスッキリ読ませるのは著者の力量だと思います。
ただ、エピローグが長すぎるのと、著者の人生観が強く出すぎているのか少し気にかかりました。
それでも誰がスイッチを押したのかという、単純ながらすっきりとした推理は面白かったです。
殺人事件の真相は……ちょっと無理があるかも。
けど、これぐらい捻らないと、エンタメにはならないかもしれません。
新感覚のミステリとして、楽しんで読める佳作だと思います。

期待の持てる新人作家のデビュー作を読みたいひとのために!
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