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第48期棋王戦第1局(渡辺明棋王八段VS藤井聡太竜王) [将棋]

いよいよ第6冠目に向けての第1局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/

渡辺明にとって棋王は牙城ともいえるタイトル戦です。
いまから5年前の2017年度は渡辺棋王によって絶不調の1年でした。
虎の子の竜王位は羽生善治相手に失冠し、順位戦も4勝6敗ながらA級から陥落しました(※2017年度は将棋ソフト不正疑惑の関係で11人で争われた)。
その年は21勝27敗、勝率437とプロ入り初の負け越しとなりました。
そうした状態で永瀬拓矢を迎えての棋王戦となりましたが、フルセットの末に3-2で防衛しました。
棋王戦のあとで更新されたブログで、ほっとした旨の心情がつづられていました。
永世棋王は連続5期のみと通算がないため非常に厳しいのですが、羽生善治と並んで渡辺棋王も達成しています。しかも10連覇なので二巡目の永世棋王です。
藤井竜王はだれもが認める最強の挑戦者で、3度のタイトル戦はいずれも敗れています。
しかし、この相性の良い棋王戦で、反撃ののろしを上げることはできたでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/48/kiou202302050101.html

ということで、将棋です
振りごまが2回やり直しになるという珍事があり、3回目の振りごまで藤井竜王が先手となりました。
すらすらと角換わりへと進んでいきますが、後手が9筋の端歩を受けずに、先手に位を取らせる代わりに先攻する形となります。
最近はやや下火の指し方かと思いますが、後手はほとんど時間を使わずに指し続けるので渡辺棋王はかなり研究を深めている形かと思います。
藤井竜王が先手のときは角換わりの採用率が高いので、渡辺棋王が温めてきた秘策かもしれません。
渡辺棋王が初めて長考したのは76手目です。
ここまで評価値としてはやや先手有利ですが、後手番であることを考えれば許容範囲だと思います。
むしろ初見の局面でわずかなリードを保ち続ける藤井竜王が強すぎます。
ここから渡辺棋王も長考が目立ち、リードしていた時間も削られていきます。
評価値が一気に動いたのは、86手目です。
直接的には何でもない2三歩を無視して渡辺棋王は8六桂打ちと反撃しますが、それを無視して2四香車と重ねられると先手の攻めが早かったです。
渡辺棋王は中段玉から入玉をちらつかせて怪しく粘ろうとしますが、藤井竜王がきっちりと押し返して125手までまずは6冠に向けた幸先の良い1勝をあげました。
藤井竜王は持ち時間を10分残し、タイムマネジメントも完璧です。

第2局は2月18日(土)に石川県金沢市「北國新聞会館」で行われます!
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【映画】ボスベイビー2~ファミリーミッション~ [映画評]

大ヒット3Dアニメの第2弾です。


ボス・ベイビー ファミリー・ミッション [DVD]

ボス・ベイビー ファミリー・ミッション [DVD]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • 発売日: 2022/12/07
  • メディア: DVD



舞台は前作から25年後。ボスベイビーは金融業の社長となり大金持ちに、主人公は2人の娘のパパになります。
大人になったボスベイビーと主人公は、社会的地位も大きく離れ、いつしか疎遠になっていました。
主人公の下の娘はベイビー社から送り込まれたエージェントです。
下の娘はボスベイビーを呼び寄せ、48時間だけ赤ん坊に戻る薬を飲ませ、そして主人公の娘が通う学校への潜入を命じます。
自分も潜入すると志願した主人公。再びボスベイビーとコンビを組みますが、テキパキと仕事をこなすボスベイビーと比べて、主人公は失敗ばかり。
さらに疎遠になりそうでしたが、両親が自宅にやってきて、昔話を聞くことで再び二人の絆を取り戻します。
怪しい学校の目的ですが、独自に開発したアプリにより、「親をいいなりにさせる赤ちゃん革命」を起こすことを目論んでいた。
学校の野望を潰すために、ボスベイビーと主人公の大作戦が始まります。
という感じのストーリーです。
制作費は第1作より安いですが、演出はパワーアップしています。
序盤でボスベイビーと主人公がのるそり?をロバが引いて爆走するシーンがあるのですが、とにかく巻き込む巻き込む。
ここまでするか、というアニメ特有の表現でとても笑えました。
ストーリーも練られていて、ボスベイビーと主人公との絆の復活、失敗ばかりの主人公が自信を取り戻す、学校に通う娘と父との絆の再確認、苦手なことにとりくむ娘の成長、バラバラになりそうだった家族の再生など、テーマも盛りだくさんです。
90分にこれだけ詰め込むとゴチャゴチャしそうですが、ひとつのシーンに二つのテーマを盛り込むなどして、スッキリとまとめられていると感じました。
発表会で娘が歌う主題歌もとても良いです。
個人的にはよく出来た映画だと思いますが、評論家の評価はいまひとつのようで、興業成績も5億3千万ドル→1億3千万ドルと大幅ダウンです。
第1作と比べて仕掛けも大がかりだし、敵の目的も大きいし、ストーリーはよく練られているのですが、盛りだくさんすぎてすっきり感がなかったのかもしれません。
個人的にはこちらの方が好きですが。

楽しい3Dアニメを見たい人のために!
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第49期岡田美術館杯女流名人戦第3局(伊藤沙恵女流名人VS西山朋佳女流二冠) [将棋]

西山女流二冠の2連勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/

女流名人戦には定番の対局場があります。
第1局が冠スポンサーである岡田美術館。第2局が出雲文化伝承館、第3局が関根名人記念館です。
湯原国際観光ホテルも定番でしたが、ここ3年は開催されず、第4局、第5局は東西将棋会館が当てられています。
協賛のユニバーサル社はマニラでカジノリゾートホテルを経営しています。
最終局をマニラで開催すれば盛り上がるし宣伝になると思うのですが、カジノなのでなかなかハードルが高いのかもしれません。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/49/joryumeijin202302050101.html

ということで、将棋です。
居飛車党対振り飛車党の対局ですからすんなりと対抗形になりましたが、後手西山二冠の作戦は三間飛車でした。
先手伊藤女流名人は左美濃から金を4六にぐいっと出すのが珍しい構えです。
先手は5筋の歩を伸ばし、後手の銀を押し返して気分は良いですが将棋としてはこれからです。
西山女流二冠も飛車を5筋に展開して中央での勢力争いになりました。
後手は天王山の5五歩と打って中央を制圧しますが、その瞬間、飛車先が重くなったので4五金と出て先手が指しやすくなりました。
以降はいかに粘るかですが、後手は飛車角が抑え込まれている上に玉形も大差でこれはちょっと辛い時間帯になってしまいました。
伊藤女流名人は剛腕西山女流二冠に勝負手も出させない完勝で、これで角番をしのいで、シリーズ初白星を上げました。

第4局は2月24日(金)に東京・将棋会館で行われます!
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