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【書評】門田隆将『記者たちは海に向かった ~津波と放射能と福島民友新聞~』 [書評]

あの東北大震災を前にした福島民友新聞の記者たちを追います。


記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞 (角川文庫)

記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞 (角川文庫)

  • 作者: 門田 隆将
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/02/25
  • メディア: 文庫



東北大震災は東北地方に甚大な被害を及ぼしました。
記者たちは状況が把握できないまま、本能の命じるままに取材に走ります。
「新聞を発行する」
という使命感に燃え、ギリギリで紙面をつなぐことに成功します。
新聞社ではなければ、その辺りの感覚がつかみにくいですが、100年を超える伝統を持つ新聞社だけに、1日でも欠かさないことに誇りを持っているのを強く感じます。
最前線で取材をした記者たちですが、間一髪で津波から逃れた記者もいれば、巻き込まれて命を落とした記者もいます。
ほんのわずかな運命が、生と死を分ける過酷な現実が、そこにありました。

東北大震災のときの記者たちの活躍を知りたい人のために!
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第12期女流王座戦第5局(里見女流王座VS加藤桃子女流三段) [将棋]

里見女流王座の2勝2敗で迎えた最終局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/

主催者のリコーは世界的規模のОA機器メーカーで、昨年度の売り上げは約1兆7500億円、営業利益400億円、当期利益303億円です。
男性棋戦は昔からの経緯で新聞社が主催をしていますが、女流は最近新設された棋戦が多いため、こうした文化事業として大企業がかかわっているのが心強いです。
男性棋戦も特別協賛という形で新しい企業がどんどん入っていますが、主催者が交代したのはまだドワンゴから不二家に移った叡王戦ぐらいです。
まだ主催者の交代はほとんど例がありませんが、女流棋戦と男性棋戦の主催者企業を比べた時、いつかは起こるのかなという気がしています。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/12/joryu_ouza202212230101.html

ということで、将棋です。
先手は里見女流王座でいつものゴキ中ですが、対する加藤女流三段の作戦は5筋位取りを拒否しての角交換型でした。
お互いに美濃囲いですが、先手は片美濃と薄いです。そのため積極的に駒をぶつけて主導権を握りに行きますが、5筋の歩が切れた瞬間に5八歩と叩いて割打ちの角が習いのある手筋。
すでに評価値は後手に振れています。
ここからは捩じりあいですが、全体的に後手優勢のまま局面は進みます。
しかし、里見女流王座は決定打を与えないまま、加藤女流三段を1分将棋に追い込みます。
こうなると分かりません。
お互いに時間がないなかで、指運勝負に持ち込まれます。
そして、最後の最後で逆転したのは里見女流王座でした。199手まで最後は後手玉を即詰みに打ち取り、苦しみながらも3勝2敗とタイトルを防衛、5冠を堅持しました。
加藤女流三段は惜しい将棋を落としましたが、次は奪取しそうな予感がよぎるタイトル戦だったと思います。

里見女流王座おめでとうございます!
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