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【書評】門田隆将『太平洋戦争最後の証言第2部 陸軍玉砕編』 [書評]

証言シリーズ第2弾は陸軍です。


太平洋戦争 最後の証言  第二部 陸軍玉砕編 (角川文庫)

太平洋戦争 最後の証言 第二部 陸軍玉砕編 (角川文庫)

  • 作者: 門田 隆将
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/05/23
  • メディア: 文庫



ノンフィクション作家である門田隆将が2011年時点で存命だった元兵士たちにインタビューし、時系列にまとめたのが本書です。
扱われているのはガダルカナル以降の崩壊しつつあった太平洋戦線での戦いで、食料も弾薬もなく、空爆や敵襲に怯えながら戦い続ける悲惨な戦場と、それと同時に戦友や優しい上官との交流も描かれています。
彼らを駆り立てのは義務感であり、時代の空気であったと思います。
捕虜になった兵士たちが、米軍の技術力を目のあたりにして、まるで魔法が解けたかのように「勝てるわけがない」と実感した話が印象に残ります。
あと書きでも触れられていますが「あと何か月か戦争が終わるのが早かったら、どれだけの命が助かっていたか」という言葉が胸にしみます。
戦争の負け方を知らなかった日本の悲劇が、ここに詰まっていると思います。

貴重な証言を目のあたりにしたいひとのために!
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