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第35期竜王戦第3局(藤井聡太竜王VS広瀬章人八段) [将棋]

藤井竜王の1勝1敗で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

広瀬八段は、不思議とポイントゲッターになることが多いように思います。
第31期竜王戦では当時の羽生竜王から竜王位を奪取し、羽生善治を無冠に追い込みました。
第69期王将戦の挑戦者決定リーグでは、最終局に大逆転で藤井聡太を破ってタイトル初挑戦を阻止しました。
そして、今回の竜王戦では第1局に勝利し、もし藤井竜王にタイトル戦初黒星を付けたら語り継がれるタイトル戦になると思います。
タイトル戦前のインタビューでは「第6局、第7局まで指せるように」と将棋界の伝統芸ともいえる謙虚な言い回しに終始しましたが、その本音は違うと思います。
棋風はデビュー当時は振り飛車穴熊で旋風を巻き起こしましたが、王位失陥後は居飛車党に転向し、いまはほぼ振り飛車を指さなくなっています。
将棋としては終盤型で、中盤の終わりから終盤の入り口にかけて優勢を拡大する道筋のつけかたが上手いと思っています。
さあ、広瀬八段は藤井竜王相手にもポイントゲッターとなることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/35/ryuou202210280101.html

ということで、将棋です。
本局は竜王戦初の相掛かりとなりました。
藤井竜王は相掛かりでの勝率が特に高く、無敵状態です。そのため、タイトル戦で相掛かりに誘導されることが少なく、久しぶりの気がします。
広瀬八段が先手番で相掛かりを仕掛けるということは研究があるとは思いますが、ちょいちょい時間を使っているので研究かどうかは判断がしにくいです。
後手番の藤井竜王が1筋から攻めかかりますが、2七桂~1四歩~2二歩と後手の攻めを逆用して評価値は先手側に大きく振れます。
藤井竜王は飛車を7筋に展開し、先手の金銀がいる方向からの攻めを余儀なくされます。
あとはこの攻めを冷静にしのげればという局面ですが、ここでこのシリーズを通じて一貫していた広瀬八段の積極性が裏目に出ます。
後手の攻めを引き込んでから8二角と両取りをかけますが、あたりの飛車で歩をもぎ取る7五飛車が好手でした。
この1手で攻めがつながり、広いが堅くない広瀬玉がたちまち追い込まれていきます。
これが、バランス型の陣形の怖さです。
広瀬竜王は3手詰になるまで指し、投了しました。
藤井竜王は1日目の劣勢を跳ね返して、これで2勝1敗とリードしました。

竜王戦第4局は、11月8、9日(火・水)に京都府福知山市「福知山城天守閣」で行われます!
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