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第44期霧島酒造杯女流王将戦第3局(里見香奈女流王将VS西山朋佳女王) [将棋]

里見女流王将の1勝1敗で迎えた決着局です。

〔中継サイト〕
https://www.igoshogi.net/shogi/Loushou_info/

実は前局、里見女流王将のある記録が途切れるかどうかの瀬戸際でした。
それはタイトル戦ストレート負けなしの継続記録です。
里見女流王将はいままでタイトル戦に61回登場していますが、一度もストレート負けがないのは驚異的です。しかも女流棋戦には女流王将、倉敷藤花という3番勝負の短期決戦があり、連敗しただけで記録が途切れてしまいます。その両タイトル戦に23回も出場して、連敗がありません。
獲得49期も素晴らしい記録ですが、61期連続してストレート負けがないという記録も誇ってい良いと思っています。
あと前局でもうひとつの記録が確定しました。
それは年度最多同一対戦数で、これで2005年度の羽生善治・佐藤康光の23局と並ぶことが確定です。
棋界と女流棋界とを同一には比べられませんが、女流棋界の対局数が増え、なおかつ両者にとびぬけた強さがあてこその記録です。
これからも、二人でどんどん記録を作って欲しいと思います。
さあ、タイトルの行方がかかった最終決戦の勝者はどちらになったでしょうか!

〔棋譜〕※徹底解説!将棋の定跡さんより
https://www.youtube.com/watch?v=-Vck7Eq-lwk

ということで、将棋です。
先手は里見女流王将。いつもの中飛車の出だしに見せて飛車を振らずに対抗形となります。
西山女王は王道の美濃囲いです。
居飛車の先手から仕掛けますが、交換した銀を後手から好書に打たれて盤面を制圧され、いきなり苦しくなります。
里見女流王将は苦しい局面からよく粘ります。
西山女王の飛車を奪い少し局面が紛れてきたと思いましたが、91手目の5七銀が悪手だったようで、飛び込んだ桂馬で取りかえせず、逃走するかないのであればはっきり苦しいです。
勝勢になった西山女王は左右の挟撃体制を築き、万全の体制です。
106手まで西山女王が押し切り、これで2勝1敗となり、西山女王が女流王将を獲得、2冠に復帰しました。
6冠だった里見女流王将は5冠に後退です。

西山女流王将おめでとうございます!
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【書評】門田隆将『「吉田調書」を読み解く~朝日誤報事件と現場の真実~』 [書評]

朝日新聞が謝罪に追い込まれた「吉田調書」誤報事件についてです。


「吉田調書」を読み解く 朝日誤報事件と現場の真実

「吉田調書」を読み解く 朝日誤報事件と現場の真実

  • 作者: 門田 隆将
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2016/03/11
  • メディア: Kindle版



著者の門田隆将は福島原発事故を現場で取材し、当時の雰囲気をよく熟知していました。
だからこそ、朝日新聞の報道に疑問を抱き、ブログで批判したのですが、朝日新聞の対応は訴訟をチラつかせて脅すことでした。
ところが、吉田調書が他紙にも流れて朝日新聞の旗色が悪くなり、政府が公開を決めたとたんに記事の取り消しと謝罪をしました。
この事件は、一部新聞社についての様々な問題点を浮き彫りにしていると思います。
組織が硬直化し、特定の角度でしか記事が書けなくなっているのかもしれません。

著者は当事者として前半で朝日新聞の批判をして、後半は吉田調書を紹介しながら当時の緊迫した状況を伝えてくれます。
この本を読む限り、朝日新聞の報道は、誤解というレベルではないと思います。
しかもこの報道が全世界を駆け回り、文字通り命がけで日本を守ったひとたちが不当に貶められました。
罪は深いと思います。

朝日新聞の「吉田調書」誤報事件をより知りたいひとのために!
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