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【書評】門田隆将『新聞という病』 [書評]

産経新聞や正論に執筆したコラムをまとめたものです。


新聞という病

新聞という病

  • 作者: 門田隆将
  • 出版社/メーカー: 産経新聞出版
  • 発売日: 2019/06/07
  • メディア: Kindle版



著者の主張は一貫していて、記者のレベル低下を嘆いています。
記者会見で罠のような質問を投げかけ、失言をまるで大ニュースのように報じる新聞。
取材もせず、憶測だけの記事。
現実から遊離し、理想論だけでかかれる論説。
執筆当時の記事を題材に、だいたいこれらの批判が並んでいますが、ノンフィクションライターである筆者としては、「取材力不足」が一番の問題点だと感じているのかなと思います。
まずあるべき記事があり、その記事に合わせて事実を繋げ合わせる。
すでに新聞社が”事実”を独占できる時代ではないのに、旧態依然のままでかわらない新聞社の姿を嘆いています。
自分の勤務先でも同じような経験があります。
「憶測」だけでありもない「事実」を書かれるのは実はまだいいほうで、「根も葉もないウソ」が突然記事になり、内部的に大問題になったことがあります。
著者の嘆きは、自ら取材するノンフィクションライターだからこその思いなのかもしれません。

人気ノンフィクションライターのコラムを一気読みしたいひとのために!
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