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【書評】門田隆将『オウム死刑囚 魂の遍歴 ~井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり~』 [書評]

ノンフィクション作家渾身のドキュメンタリーです。


オウム死刑囚 魂の遍歴 井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり

オウム死刑囚 魂の遍歴 井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり

  • 作者: 門田隆将
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2018/12/11
  • メディア: 単行本



井上嘉浩はどこにでもいる普通の青年でした。
それがまだヨーガ同好会だったころのオウムに入信し、教祖が徐々に変貌していく中でもオウムを捨てきれず、犯罪行為に手を染めてしまう。
彼が残した膨大な手記と度重なる取材で、井上嘉浩という人物を通してカルトに染まっていく人間の恐怖をあぶりだします。
松本智津夫が信徒を捜査する原動力は恐怖です。井上嘉浩は異常性を感じながらも、葛藤を合理化で処理してしまう心の動きが見られます。
井上嘉浩は勉強家で、宗教的な精神に富む魅力的な人物だったようです。
逮捕後、家族や周囲の協力者の力で自分を取り戻していきます。
最後は死刑判決となりますが、オウムによって人生を曲げられてしまった青年の記録として読むこともできると思います。
いろいろなことを、考えさせれる本だと思います。

あの事件のことをもっと知りたいひとのために!
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