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第70期王座戦第4局(永瀬拓矢王座VS豊島将之九段) [将棋]

永瀬王座の2勝1敗で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/

対局場の陣屋といえば、昭和27年におきた陣屋事件です。
当時の王将戦は七番勝負の三番手直りで、三番勝ち越すとタイトルが移動しますが対局は七局目まで行われ、しかも指しこまれた対局者は平手・香車落ちを交互に指すことになります。
挑戦者だった升田幸三が、当時の名人だった木村義雄相手に三番勝ち越して香車落ちでの対局なったその日に、旅館の不備を理由に升田幸三が対局を拒否するという陣屋事件は起きました。
この事件の真相について、升田幸三が死ぬまで語らなかったためいろいろな憶測が飛び交っています。
ただ、升田幸三が三番手直りの制度に反対していたことから、ちょっとしたいさかいを理由に、対局を拒否したのかなとも思います。
これから先も、ずっと、語り継がれる事件だと思います。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/70/ouza202210040101.html

ということで、将棋です。
先手は豊島九段で角換り腰掛け銀に進み、後手永瀬王座は待機戦術です。
この形はお互いに細かい手待ちをすることが多いのですが、先手後手ともにお互いの道を進みます。
先手豊島九段は4六角と手放して後手からの攻めを押さえると、飛車を細かく動かして角の打ち込みを消しながら穴熊までくみ上げます。
後手永瀬王座は右玉まで引越し、金銀を引きつけ万全の状態で先手からの攻めを待ちます。
駒組みが飽和状態になったところで、豊島九段から戦端を開きます。
しかし、若干攻めが細かったようです。
後手に馬を作られて攻め駒を一掃されて、さらに桂損となるといくら玉形に差があるといっても実戦的には難しいのかなと思います。
しかし、永瀬王座の玉は薄いので、一発入ると寄せられてしまいます。
豊島九段も細い攻めをつなぎ互角の形勢を保ちますが、最期は切れ模様になってしまいました。
最終盤で、永瀬王座は入玉を目指します。
豊島九段も後手の飛車を奪い、少ない駒で防波堤を築こうとしますが、後手玉を守る馬角と金銀のスクラムを押し戻すことは困難でした。
184手まで豊島九段が潔く投了し、これで3勝1敗で永瀬王座が防衛を決め、これで4連覇達成となりました。

永瀬王座おめでとうございます!
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第7回「高橋源一郎小説でもどうぞ」で『味のある写真』が佳作に選ばれました! [受賞報告・自作掲載]

少し前の話ですが、記録として残すためにUPします。
ありがたいことに、「小説でもどうぞ」で初めて佳作をいただきました。

〔高橋源一郎 小説でもどうぞ〕
https://www.koubo.co.jp/reading/rensai/oubo/douzo/douzo07/douzo07_a8.html

〔作品 齊藤想『味のある写真』〕
https://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2022-05-16-6
※作品は上記URLを参照

今回はショートショートです。
いま、2つのアイデアを組み合わせる手法を試しています。
本作では「味のある写真→本当に味がある」「失敗=すっぱい」というアイデアをミックスしてみました。
組み合わせ法の発展形でなので、机上の理屈はとても有効そうですが、実際に手を動かしてみると非常に難しかったです。
実作して、初めて分かることも多々あります。
そもそも、アイデアを組み合わせるのが難しいです。
ふたつのアイデアではほぼ挫折するので、とにかくアイデアを増やして、たくさんの組み合わせを試す必要があります。
メインアイデアを決めて、そこに組み合わせるサブアイデアを考えて、ストーリーとして成り立つかどうかをチェックする流れです。
本作はたまたま上手くいきましたが、現段階では成功率は低いです。今後も研究が必要な手法です。
ストーリー上の技法をひとつだけ。
本作は衝突の原理を使用しています。
女子大生が彼女なりに真面目に写真に取り組んでいたのですが、完成したのがセンスの欠片もない失敗作で、さらにくだらないオチがまっている。
真面目と下らないことをぶつけるのが、衝突の原理です(と、習いました)。
何度も取り上げていますが、それだけ使用頻度の高い技術ということで。

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