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【書評】芦沢央『許されようとは思いません』 [書評]

表題作は第68回日本推理作家協会賞短編部門の候補になりました。


許されようとは思いません (新潮文庫)

許されようとは思いません (新潮文庫)

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/05/29
  • メディア: 文庫



収録作は5つです。
表題作『許されようとは思いません』に続くのは『目撃者はいなかった』『ありがとう、ばあば』『姉のように』『絵の中の男』です。
『許されようとは思いません』はいかにも因習に凝り固まった田舎にありそうな話で、最後にタイトルともなっている会話の意味が明かされます。なかなかの作品です。
表題作以外で印象に残ったのは、『目撃者はいなかった』です。
主人公は発注ミスの隠ぺい工作をしている途中で、交通事故の現場を目撃してしまいます。
遺族は目撃証言を求めますが、主人公は拒否し、その結果……という因果応報のはっきりとした作品です。
『ありがとう、ばあば』は最後が怖いですが、個人的にはフラッシュバックを使わない方がよいかなと感じました。
あとの2作は評価が分かれるかもしれません。

本推理作家協会賞短編部門の候補作品を読みたいひとのために!

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