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第35期竜王戦挑戦者決定第2局(広瀬章人八段VS山崎隆之八段) [将棋]

広瀬八段の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

広瀬八段は終盤型です。
「序盤は不利にならなければよいと思っている」とインタビューで述べていたことがあります。
終盤型にもいろいろあります。
谷川九段のように直線的な読みで最速を目指すのもあれば、藤井竜王のように正確な読みでギリギリを踏み込むパターンもあります。
また羽生九段のように曲線的に指して相手を迷わす場合もあれば、高見七段のように怪しい手でミスを誘うタイプもいます。
広瀬八段の終盤は独特で、方向性が良いと感じます。
悪い時はただ粘るのではなく簡単には負けない手を選び、優勢のときは勝ちやすい手を選ぶ。
中盤の終わりから終盤の入口にかけてが強いと思っています。
さあ広瀬八段は、終盤力を披露することができるでしょうか!

〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20220823-SYT8T3275519/

ということで、将棋です。
さて、毎回驚かさせてくれる山崎八段ですが、なんと約20年ぶりのノーマル四間飛車を採用�です。
しかも金銀を分散させてバランス型にも関わらず、広瀬八段の穴熊めがけて自らの玉頭から仕掛けていきます。
アマチュアは絶対にマネしないで下さいと言われる序盤です。
しかし、ちょい悪、やや悪、すご悪から逆転するのが山崎将棋です。
玉飛接近をものともせず戦い続けていると、広瀬八段の攻めが徐々に細くなっていきます。
山崎八段優勢かと思われましたが、ここで少し守り過ぎたようです。
慎重な3六金打ちから流れがおかしくなり、一度食いつかれたら薄いだけに粘りが利かなくなりました。
これで2連勝で広瀬八段が藤井竜王への挑戦権を獲得しました。
独創性あふれる山崎八段ですが、タイトル挑戦まであと1歩のところで涙をのみました。

竜王戦第1局は、10月7、8日(金、土) セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区)で行われます!

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第45回TO-BE小説工房で『年輪』が選外佳作に選ばれました [予選通過]

4年前ですが、記録のために記事をUPします。
選外佳作としては3回目で、テーマは「暦」でした。

〔TO-BE小説工房〕
https://www.koubo.co.jp/reading/rensai/article/tobe-2/tobe_45/tobe_45_b3.html

〔作品:齊藤想『年輪』〕
http://takeaction.blog.so-net.ne.jp/2018-12-28-2
※作品は上記URLを参照

今回は叙述トリックを採用しました。
若者と思わせて、実は超高齢者という話です。
この手の作品を書くときに注意すべきは、いかに最後まで読ませるかです。
ラストで驚かせることだけに集中してしまうと、中盤は「平凡な若者の話」となり飽きられてしまいます。途中まで面白く読ませてこそ、どんでん返しが効いてきます。
ということで、表向きは「熟女をナンパする話」としました。
主人公が高齢者である伏線をちりばめながら主人公に怪しげなナンパをさせてみましたが、もうちょっと描写を工夫すべきでしたね。
とはいえナンパの経験がないものでなかなか難しいのですが(汗)

―――――

……という感じで自分のメルマガでちょっとした解説を書いています。
毎月、創作に役立つミニ知識をメルマガで公開していますので、ぜひとも登録を。
もちろん無料です!

【サイトーマガジン】
https://www.arasuji.com/mailmagazine.html
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【書評】遠藤洋『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円』 [書評]

とても夢のある本です。


10万円から始める!  小型株集中投資で1億円

10万円から始める! 小型株集中投資で1億円

  • 作者: 遠藤 洋
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2019/12/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



著者は投資家です。
その手法はシンプルで、1年以内に株価3倍以上になる株を狙って1点集中投資。
元手は10万円からスタート。
問題はどうやって3倍になりそうな株を探すかですが、基本はこんな感じです。
・時価総額が安い(300憶以内)
・若い会社(上場して5年以内)
・社長が創業者で大株主。
・ビジネスの内容が理解できる。
・業績が伸びている。
・株価が上昇チャートにはいっている。
探すというより、注目できる企業を見つけたら、条件をチェックし、合格したら株価が上昇トレンドまで待つといった感じです。
基準がはっきりしており、元手も少額で済むのが好印象です。

一攫千金の夢をみたいひとのために!
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第5回ABEMAトーナメント【2回戦:チーム稲葉VSエントリーチーム】 [将棋]

エントリーチームがさらなる下剋上を狙います。

〔主催者HP〕
https://abema.tv/video/title/288-32

<チーム稲葉>
 稲葉陽八段、服部慎一郎四段、出口若武六段

<エントリーチーム>
 折田翔吾四段、黒田尭之五段、冨田誠也四段

エントリーチームの先鋒は勝ち頭の黒田五段です。チーム稲葉は予選負け越しの出口六段でしたが、ここで出口六段が勝利したのが大きかったです。
勢いのまま連投し、冨田四段も撃破。
チーム稲葉は次に勝ち頭である服部四段を連投し、ここでも折田四段と黒田五段を撃破。
後がないチームエントリーは順番通りに冨田四段に託しますが、満を持して登場のリーダー稲葉八段の前に力負けして0-5での完敗となりました。
下剋上こそなりませんでしたが、おまけ的な扱いだったエントリーチームが予選を突破し、本戦でも1回戦を勝ち上がったのは特筆すべき戦績だと思います。
奮闘が目立った黒田五段は来年のドラフトで選ばれるかもしれません。

来週はチーム斎藤とチーム糸谷の対決です!

[トータル成績]
<チーム稲葉>
 稲葉陽八段   3-1
 服部慎一郎四段 6-2
 出口若武六段  3-2

<エントリーチーム>
 折田翔吾四段 4-5
 黒田尭之五段 5-5
 冨田誠也四段 4-5
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【公募情報】第13回マックス心のホッチキス・ストーリー募集(随筆・9/30〆) [公募情報]

隠れた人気公募です。

〔主催者HP〕
https://wis.max-ltd.co.jp/topic_file/news20220623.pdf

おーいお茶や、プロミスエッセイのような有名な公募ではありません。
ですが、前回は12000通近くもの応募が集まり、累計は10万を突破しています。
おそるべき数です。
授業の一環として学校で取り組むこともあるようですが、それにしても、この数には圧倒されます。
前回受賞作は14歳の少年で、日常でありそうな、なかなかない出会いをつづっています。
制限文字数は概ね400字、応募締切は令和4年9月30日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:随筆
テーマ :あなたが今、心にホッチキスしたいこと
最優秀賞:ギフト券5万円と文具
制限文字数:400字程度
応募締切:令和4年9月30日
応募方法:インターネット、郵送
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第81期順位戦展望【B級2組~C級2組・前半戦】 [将棋]

おおむね3局消化です。

[B級2組]
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2022/81b2/index.html

3連勝は木村一基九段、増田康宏六段、佐々木慎七段、大橋貴洸六段、藤井猛九段の5人です。
上位陣の潰し合いがほとんどないため、この5人がかなり有利です。
木村九段は今季こそB級2組ですが、実力はトップクラスで、B級2組という棋士ではありません。順位も1位ですし、対戦相手的にも最有力です。
増田康宏六段、大橋貴洸六段もかなり有望です。
前期はB級1組だった阿久津主税八段ですが、まさかの3連敗スタートです。
元B級1組との対戦が続いていたというのもありますので、ここからの巻き返しを期待したいです。


[C級1組]
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2022/81c1/index.html

3連勝は黒田尭之五段、青嶋未来六段、阿部健治郎七段、伊藤匠五段の4人です。
伊藤五段は各棋戦で活躍しており、C級1組も1期抜けの期待がかかります。対戦相手からしても、1期抜けの可能性はかなり高そうです。
黒田五段もabemaTVトーナメントで活躍しており、これから期待の若手です。
降級点持ちでは先崎学九段が3連敗と苦しいスタート。
羽生世代がまだ頑張っているので、徐々に復調気配の先崎九段もひと踏ん張りしてほしいところです。
前期、昇級まであとひとつだった62歳高橋道雄九段ですが、今期は3連敗スタート。2年連続で好成績を残すのは、なかなか難しいようです。


[C級2組]
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2022/81c2/index.html

3連勝は服部慎一郎四段、斎藤明日斗五段、石田直裕五段、伊藤真吾六段、今泉健司五段、古賀悠聖四段の6人です。
今泉五段は49歳であり、昇級を決めたら快挙です。次局の冨田誠也四段戦がひとつのカギになりそうです。
毎年のように昇級候補に挙げられる佐々木大地七段は黒星スタート。
好ダッシュを決めた棋士が多いですが、順位が11位なので、1敗をキープすればチャンスは巡ってきそうです。昇級したらフリクラ出身初のC級1組になるのですが、足踏みを続けていると古賀悠聖四段に先を越されてしまうかもしれません。
降級点2つ持ちでは、佐藤慎一五段、堀口一史座七段が3連敗スタート。
毎年ギリギリで踏みとどまってきた佐藤慎五段ですが、今年は厳しいかもしれません。
後半の奮起に期待したいと思います。
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【書評】芦沢央『許されようとは思いません』 [書評]

表題作は第68回日本推理作家協会賞短編部門の候補になりました。


許されようとは思いません (新潮文庫)

許されようとは思いません (新潮文庫)

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/05/29
  • メディア: 文庫



収録作は5つです。
表題作『許されようとは思いません』に続くのは『目撃者はいなかった』『ありがとう、ばあば』『姉のように』『絵の中の男』です。
『許されようとは思いません』はいかにも因習に凝り固まった田舎にありそうな話で、最後にタイトルともなっている会話の意味が明かされます。なかなかの作品です。
表題作以外で印象に残ったのは、『目撃者はいなかった』です。
主人公は発注ミスの隠ぺい工作をしている途中で、交通事故の現場を目撃してしまいます。
遺族は目撃証言を求めますが、主人公は拒否し、その結果……という因果応報のはっきりとした作品です。
『ありがとう、ばあば』は最後が怖いですが、個人的にはフラッシュバックを使わない方がよいかなと感じました。
あとの2作は評価が分かれるかもしれません。

本推理作家協会賞短編部門の候補作品を読みたいひとのために!

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【書評】越智啓太[編著]『高齢者の犯罪心理学』 [書評]

高齢者に絞った犯罪心理学です。


高齢者の犯罪心理学

高齢者の犯罪心理学

  • 作者: 啓太, 越智
  • 出版社/メーカー: 誠信書房
  • 発売日: 2018/09/15
  • メディア: 単行本



本書は論文集みたいな感じです。
各章の著者がそれぞれの分野における高齢者の犯罪について統計学的分析をほどこすのですが、研究途上の分野ということもあり、まだまだという感じがします。
「老人の犯罪が増えたのではなく、犯罪の多い世代が老人になった」
「高齢者は交通事故が多い」
というのは統計的にはいえないようです。
新聞記事を元にした分析もありましたが、新聞記事は読者が読みたい記事や記者が伝えたい記事を書くので、世の中を正確に反映していない可能性があることが少し気にかかりました。
高齢者となり、孤独感や喪失感が犯罪に繋がるという分析には同感です。

高齢者の犯罪を考えたいひとのために!
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棋士編入試験第1局(徳田拳士四段VS里見香奈女流五冠) [将棋]

いよいよ女性初の棋士編入に向けての挑戦が始まります。

〔日本将棋連盟HP〕
https://www.shogi.or.jp/match_news/2022/08/220818_t_01.html

プロ棋士相手にいいとこ取で10勝かつ勝率6割5分以上で編入試験の資格を得ることができます。
この制度で今泉健司五段、折田翔吾四段がプロ棋士への道を開きました。なお、瀬川晶司六段は制度ができる前で、特例での試験になっています。
里見女流五冠は権利を獲得した直後のインタビューでは否定的でしたが、1か月の熟慮の末に受験を決めました。
仮に合格した場合、女流棋士と棋士との兼務となりますが、現実問題として日程的に不可能です。
この問題をどうするのか、将棋連盟からいまだに明確な指針がありません。
合格後のプランが見えない中で、ただ高みを目指したいとの気持ちで、受験を決めた里見女流五冠を応援したいと思います。
初戦の相手は試験官5人中、おそらく最強の徳田四段です。
ここで勝てば合格にぐっと近づきますが、その結果はどうなったでしょうか!

〔棋譜※徹底解説!将棋の定跡さんより〕
https://www.youtube.com/watch?v=X6QaGIPQU0w

ということで、将棋です。
後手番になった里見女流五冠は、エース戦法である中飛車で立ち向かいます。
後手なのに端を突き越すという欲張りな作戦を採用しますが、飛車先の歩を交換されて、中央に厚く構えられるとさばきが難しいのかな、と思いました。
ポジション取りで優位になった徳田四段は、厚みを生かして後手陣を圧迫していきます。
試験とはいえ、花将棋ではなく本気モードです。とにかく辛いです。
ただ、里見女流五冠にもチャンスはありました。
78手目に、角をただ取りされる瞬間に4四角とぶつける手があったようです。
里見女流五冠は空き王手から銀金交換で実戦的に先手玉を薄くする手を選びますが、角損であり、戦力差が響く展開になってしまいました。
以降の徳田四段は万が一を許さない激辛流で、後手玉を攻めることなく里見女流五冠を投了に追い込みました。
里見女流五冠にとっては厳しいスタートとなりましたが、この将棋については致し方ないと思います。

第2局の試験官は岡部怜央四段で、9月22日に行われます!
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創作状況【8月中旬】 [ぼくの公募状況]

プールで高校時代の同級生と遭遇しました。びっくりです。

【第179回のメュー】
◆創作に役立つ本 ~ 眉村卓 『ねらわれた学園』 ~
◆W選考委員版・小説でもどうぞ!に挑戦中(第1回)
◆小説でもどうぞ!に挑戦中(第10回)
◆公募情報数点

 来月のテーマは物語に引き込むための序盤の仕掛けです。
 次回発行は9月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!
 https://www.arasuji.com/mailmagazine.html
 ※ページの下の方に登録フォームがあります。


【ショートショートガーデン】
生物シリーズの第7弾です。
オチはいつものということで。

〔小さな象〕
https://short-short.garden/S-uCTtmr


【小説でもどうぞ】
第13回のテーマは「あの日」。なんとなく、茫洋としている。
三題噺を活用しようとしたけど、「あの日」というテーマと合わなかったため、慣れ親しんだ手法で作品を書く。
第一作は推敲を進めている。ただ、SFである公募向きではないため、第二作を書く。
この第二作は、一度ボツにしたアイデアを再構成したものだが、うーん、完全なるショートショートなので、こちらも小説でもどうぞ向きではないなあ。
いずれも時間を少しおいて推敲すると、いろいろと粗が見えてくる。
もう少し詰めてから、投稿します。はい。


【yomeba!】
そろそろ発表かな、と思いつつ少し遅れている様子。
お盆ですしね。


【星新一賞】
第9回星新一賞受賞作品を順番に読んでいます。

・ジュニア部門 優秀賞 『lost memory』 宮尾昌志
脳機能を補助するチップが内臓されるようになった世界を描きます。
ところが主人公たちはチップが誤作動を起こしていることに気が付き、しかもチップメーカーが隠蔽を図ってたことまで突き止めます。
主人公たちはチップメーカーに入社し、隠蔽できないように改善します。
ところが、まだ誤作動が発生していることが判明し……というストーリーです。
ジュニア部門の魅力は常識にとらわれない奇抜な発想ですが、本作はよくある設定かな、という感じがします。
結末も、人間がチップに抵抗していることが示唆されている部分もありがちです。
個人的にはジュニアらしい自由な発想の作品を読みたいかな、という気がしました。


【坊っちゃん文学賞】
もう少し時間をおいてから、さらに推敲をします。時間が最大の先生です。はい。

【その他モロモロ】
・宇宙文化創造コンテスト宇宙川柳にも応募しました。9月末発表です。
・第9回朝礼川柳に応募しました。発表は10月10日です。
・第18回台所・お風呂の川柳に4つ応募しました。10月中旬発表です。
・健康(セルメ)川柳で3つ応募。今回は勉強しました。8月下旬発表です。
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