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第63期王位戦第1局(藤井聡太王位VS豊島将之九段) [将棋]

豊島九段が昨年度のリベンジに挑みます。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/oui/

一時期、豊島九段は藤井王位の天敵・ラスボスと言われていました。
初対戦から6連勝し、しばらくは対戦成績もリードしていました。
ところが叡王戦を2―3で落とし、王位戦も初戦の白星から4連敗。続く竜王戦でも4連敗を喫し、これでタイトル戦8連敗という信じられない星勘定となりました。
藤井王位は王将戦でも、渡辺名人を相手に4連勝を達成し、二日制は手が付けられない状態です。
もし藤井王位がタイトルを奪われるとしたら、最右翼はやはり豊島九段だと思います。
深い研究に、だれよりも藤井王位相手に白星を重ねてきた実績。無冠になってから初のタイトル挑戦なので、大舞台への思いはひときわだと思います。
さあ、王位戦の開幕局は、どのような結果になったでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/63/oui202206280101.html

ということで、将棋です。
先手は豊島九段となり、得意の角換り腰掛銀と進みます。
研究勝負に持ち込みやすく、おそらく、対藤井戦を考えると最も期待値が高い戦型だと思います。
今回ですが、後手は待機戦術ではなく、2二玉と入城してから単騎の桂馬で攻める積極策です。
初期配置から動かない8二飛、6一金も珍しい仕掛けと思っていましたが、お互いに極端な長考もなく、研究範囲であることが伺わせます。
しかも1日目の午前中で豊島九段は歩頭桂を出し、ここで藤井王位は初めて長考に沈みます。
ここから藤井王位は手将棋ですが、豊島九段は止まりません。
渡辺名人によると、75手目の局面まで研究しているのは「普通」だそうです。恐ろしい時代です。
局面はずっと均衡が保たれていますが、評価値が動いたのは藤井王位の84手目です。一気に先手優勢に振れます。
ようやく研究から外れたのか、豊島九段は2時間を超える長考に沈みます。そして、見事に最善手を選択し、優勢を確かなものにします。
最後の長考は101手目の60分です。ここで勝ちを読み切ったと思います。
最後に113手目に18分の確認を入れて、即詰みに打ち取りました。
これで豊島九段はタイトル戦での連敗を止めると同時に、無敵状態だった2日制の藤井王位の快進撃もストップしました。
大きな1勝だと思います。

第2局は、7月13日、14日に北海道札幌市「ぬくもりの宿ふる川」で行われます!

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