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第93期ヒューリック杯棋聖戦第2局(藤井棋聖VS永瀬拓矢王座) [将棋]

永瀬王座の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/

藤井棋聖はタイトル戦で負けたことがありません。
挑戦すれば獲得し、獲得したタイトルは失ったことがありません。
この調子で勝ち進めば、8冠制覇は通過点で、どこまで記録を伸ばしていけるのかが注目になりそうです。
記録を作るには、なにより長期間の活躍が必須です。
体力も必要ですし、絶えず最新の将棋についていく頭の柔軟性も必要です。とくに現代将棋は大山時代とは違い、1局ごとに分析され、丸裸にされます。
それだけに、長年活躍するのは困難な時代だと思います。
もうひとつ言われている長年活躍するコツとして、ライバルを徹底的にたたくというのがあります。
藤井棋聖はまだ後輩を叩くという年齢ではありませんので、比較的年齢の近いライバルを叩くのが重要になってきます。
永瀬王座はこれから何度もタイトル戦で顔を合わせることになると思います。
藤井棋聖は、永瀬王座を叩きのめして、長期政権の一助とすることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/93/kisei202206150101.html

ということで、将棋です。
将棋は先手永瀬王座の誘導で角換わり腰掛銀へと進みます。序盤の形がある程度まで決まっているので、研究で狙い撃ちするにはピッタリの戦型です。
永瀬王座は9筋の位を取ったことで、4五歩とじっくりとした形を選ぼうとします。その手を見て、藤井棋聖はいきなり仕掛けます。
予想外の展開だと思ったのですが、永瀬王座は早指しで、しかも初見では指しにくい手をどんどん出してくるので、研究範囲であることは明らかです。
50手目の時点で、永瀬王座の消費時間が8分に対して、藤井棋聖は2時間9分です。
持ち時間に大差が付きました。
永瀬王座の初の長考は51手目です。そしていままで貯めた時間を放流させるかのように、55手目に1時間を超える長考で攻めかかります。
将棋の流れからいえば永瀬王座優勢でもおかしくありませんが、藤井棋聖は崩れません。そして、116手目に9三銀とただ捨ての銀を放ちます。
この1手で永瀬王座の玉が狭くなり、9筋の位が無効化されました。
理屈は分かるとはいえ、自玉は金を渡せば詰むという状況で放てる藤井棋聖の読みの深さが凄かったです。結果的には、永瀬王座はその1手前でただの飛車を取らずに、玉の早逃げしかなかったようです。
以降は藤井棋聖が手堅くまとめて、138手まで前局の負けを払しょくする1勝を返しました。

これで1勝1敗のタイです。
棋聖戦第3局は、千葉県木更津市「竜宮城スパホテル三日月」で行われます!
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