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【書評】光文社文庫編集部編『ショートショートの宝箱5』 [書評]

光文社文庫情報サイトYomeba!の入選作を集めた『ショートショートの宝箱』第5弾です。


ショートショートの宝箱 (光文社文庫)

ショートショートの宝箱 (光文社文庫)

  • 作者: 光文社文庫編集部
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2022/02/15
  • メディア: 文庫



公募としては第11回~第15回になります。
応募作以外にもショートショートの宝箱コーナーに掲載された作品も数点含まれています。
この手の本は、選者のクセがでて同一系統に偏りがちですが、本作は非常にバランスが良いです。
光文社文庫編集部が選んでいると思いますが、おそらくは多様な人材がそろっているのではないかと思います。

30編収録されていますが、個人的な白眉はいしだみつや『クジラすくいの夏』です。
アイデアとてしは、「大きいものを小さく」ですが、それだけでは終わらせずに、最後にクジラを花火が打ち上る夜空に旅立たせるところにアイデアの飛躍を感じます。見事な発想だと思います。ラストの1行も、効いています。
がみの『神様の仕事』は輪廻転生式でありがちなアイデアですが、綺麗にまとまとまっていて、王道ショートショートを堪能できます。
お二方とも初入選なんですね。驚きました。
望月滋斗『雑貨の赤ちゃん』も綺麗な作品で、とても好きです。
自作『産負人科』も掲載されています。
活字として読むと、意外とよくできている気になるから不思議です(笑)

ショートショート好きのひとのために!
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