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第71期ALSOK王将戦第4局(渡辺明王将VS藤井聡太竜王) [将棋]

藤井竜王の3連勝で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
https://mainichi.jp/articles/20211226/ddm/013/040/015000c

渡辺王将の奥様が連載している「将棋の渡辺くん」に、両者の初タイトル戦となった第91期棋聖戦について渡辺王将の感想がでてきます。
対局前から厳しいとは感じていたようですが、対局してその強さに唖然として、第1局目は「気が付いたら切られていた」との感想は秀逸です。
第3局では「弱者の戦略」に切り替えて研究手で勝利を挙げたものの、第4局で敗れて棋聖位を失っています。
渡辺名人は常々「大名人の系譜に入らない」と謙遜しています。
実力的には大名人たちと比べて遜色ないと思っています。ただ前の世代が異常なほど強すぎただけで、ようやく時代がきたと思ったら藤井聡太という規格外がやってきた不運の棋士だと思っています。
いままで3連敗と苦境に立たされていますが、ここから4連勝してタイトル戦負けなしの藤井竜王を初撃破すれば、ずっと語り継がれる伝説になります。
後のない渡辺王将ですが、どのような戦略で藤井竜王に立ち向かっていくのでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen-kifu/220211.html

ということで、将棋です。
先手渡辺王将が選んだのは矢倉でした。当然のように後手は急戦策を取り、両者が指した第92期棋聖戦第3局の通りに進んでいきます。
非常にテンポが速く、一日目の午前中から駒がぶつかります。
先に改良案を出したのは、前例で負けた渡辺王将です。お互いに研究範囲なのか、どんどん進んでいきます。
考慮時間が目立ってきたのは54手目からです。ただ、長考となると藤井竜王は62手目から、渡辺王将は67手目からです。
この辺りから、事前の想定範囲から外れたのではないかと思われます。
二日目からはお互いの読みが試される展開です。
渡辺王将に悪手があったとは思えませんが、形勢の針が徐々に藤井竜王側に傾いていきます。渡辺王将の攻めがやや重く、8八銀と丁寧に受ける展開にしたのが悪かったのかもしれません。しかし、これで優勢に持っていく藤井竜王が強すぎます。
気が付いたら渡辺玉は金銀から離れて孤立しているのと比べ、藤井竜王は右辺側が手厚く、逃げ込めば寄る形がありません。
藤井竜王は形勢も時間もリードし、そのまま横綱相撲で114手までの完勝で4連勝。これで史上最年少5冠達成です。
渡辺王将は4連敗での失冠ですが、捲土重来を期待したいと思います。

藤井五冠おめでとうございます!
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