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【書評】山川健一『鏡の中のガラスの船』 [書評]

表題作は第20回群像新人賞受賞作です。


鏡の中のガラスの船 (講談社文庫)

鏡の中のガラスの船 (講談社文庫)

  • 作者: 山川 健一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1987/03
  • メディア: 文庫



収録されているのは中編の表題作と、短編『湖に落ちた流星』です。
いずれも舞台は1970年代初頭で、大学での闘争が題材になっています。
いま振り返ると無茶苦茶な時代ですが、2編ともその荒廃した空気を濃厚に身にまとっています。
文庫本化されるさいに、単行本化されたときに改稿された部分を戻し、著者のスタートラインを再確認する作品となっています。
著作多数の著者の、瑞々しい感性を堪能できる作品だと思います。

同時代を生きたひとのために!
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