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第48期岡田美術館杯女流名人戦第2局(里見香奈女流名人VS伊藤沙恵女流三段) [将棋]

伊藤女流三段の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/

伊藤沙恵のタイトル戦挑戦は9回目です。
タイトル獲得がないまま9回目の挑戦というのは棋士、女流棋士を通じて1位の記録です。
不名誉な記録のように見えて、これだけ挑戦したというのは棋力の証でもあり、名誉の記録ともいえます。
伊藤女流三段も28歳であり、インタビューで「チャンスはそれほど多くない」という主旨のことを話しています。
とはいえ白玲戦ではA級ですし、レーティングでも加藤桃子清麗を上回っています。
おそらくは現状に満足してはいけないという、自分に対する叱咤激励なのかなと思います。
さあ第1局に続いて連勝して、初タイトル獲得にリーチをかけることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/48/joryumeijin202201230101.html

ということで将棋です。
里見女流名人が選んだのは、先手中飛車ですが、相振り飛車になるのを見て、玉を左側に囲う工夫を見せます。
序盤から構想力を問われる将棋です。
里見女流名人が飛車を2筋に戻したので対抗形ようになりますが、そこで伊藤女流三段が先手陣の弱点である角頭を目掛けて飛車を展開したのが好判断でした。
歩越しの飛車だけに思い浮かびにくいですが、ここから後手がペースを握ります。
その後、やや先手が持ち直しましたが81手目に6一角と打ち込んだのが、里見女流名人らしい踏み込みでしたが、やりすぎたようです。
しかし、里見女流名人は容易に土俵を割りません。
粘りに粘り、最後はどちらにころんでもおかしくない勝負になります。
お互いに時間がなくなり、指運になります。
優勢の時間が長かったのは伊藤女流三段なので、やや里見女流名人が弱気になっていたように感じます。
攻め合えば有望の局面から受けに回り、最後は180手まで伊藤女流二段が押し切りました。

この白星は展開的にも大きいと思います。
これで伊藤女流三段が連勝となり、タイトル初獲得まであと1勝に迫りました。
第3局は2月6日(日)、千葉県野田市「関根名人記念館」で行われます!
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第71期ALSOK王将戦第2局(渡辺明王将VS藤井聡太竜王) [将棋]

藤井竜王の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
https://mainichi.jp/articles/20211226/ddm/013/040/015000c

囲碁将棋チャンネルによる王将戦直前のインタビューが公開されています。
藤井竜王は「どちらかというと早指しは苦手」で4時間がベストだが、持ち時間が長い点について歓迎という感じでした。
持ち時間6時間の順位戦では圧倒的な成績を残しており、どちらかというと長考派なので、二日制の8時間という王将戦のレギュレーションは藤井竜王向きだと思います。
また、同じ持ち時間のタイトル戦である王位戦と竜王戦でも通算16勝1敗と、もはや手の付けようがありません。
さあ藤井竜王は、得意の長時間棋戦で渡辺王将から白星を取ることができるでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen-kifu/220122.html

戦型は角換わりとなりました。
渡辺王将が得意とする事前研究を活かしやすい形であり、早繰り銀と進みますが、藤井竜王の46手目4四銀が意外だったのか、ここから考慮時間が増えていきます。
序盤から想定外の局面になったことが伺わせます。
お互いに角を打ち合って渡辺王将は角で歩を取りますが、この瞬間に評価値が激減します。
藤井竜王は8八歩という小太刀を放ち、ここで攻めあえばまだ互角の評価でしたが、成算が持てなかったのか同金と取ります。
ここから一直線の手順となり、渡辺王将の苦戦が明らかになります。
渡辺王将はときおり長考を挟みながら、粘りの順を採用します。
耐えがたきを耐えの精神なのかもしれません。
一旦は自陣に作られた竜を追い返すことに成功しますが、渡辺王将からの攻めはありません。
桂馬を取って角を切り飛ばして、駒が溜まればの体制を作りますが、藤井竜王は確実にかつ最速で渡辺王将を追い詰めていきます。
最後は渡辺王将は潔く即詰みの手順に入り、98手まで綺麗な終局となりました。

これで藤井竜王が2連勝スタートです。
第3局は1月29日、30日に、栃木県大田原市「ホテル花月」で行われます!
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