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第59期王座戦4局(永瀬拓矢王座VS木村一基九段) [将棋]

永瀬王座の2勝1敗で迎えた第4局です。

〔主催者HP〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/

若手が出るローソンとのコラボ企画に、木村九段が登場して驚きました。
あいかわらずのぼやき節なのですが、「歳をとっていいことはひとつもない」と断言していることには驚きました。
普通は「経験が~」とか「年相応に~」とか、何かプラスの要素を見つけたくなるものですが、いやはやこのバッサリ感が木村調といった感じがします。口調まで想像できます。
年をとって一番できなくることが「我慢ができなくなる」と喝破していることも木村調だと思います。
自分が足りなくなるところを自覚しているからこそ、息の長い活躍に繋がっているのだと思います。
ただ、前局では悲観しすぎて粘りの手を見つけることができなかったのが、不安材料です。
さあ、本局では前局の悪夢を振り払い、インタビューだけでなく、盤上でも木村調を見せることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/69/ouza202110050101.html

戦型はお約束のように相掛かりです。
老いも若きも、新人もベテランも、といった状態です。
端歩の差異はあるものの途中まで藤井木村戦がベースとなりますが、負けた木村側を持った永瀬王座が飛車切りを敢行せずに穏やかに引いたことで、オリジナルの将棋へと突入していきます。
中盤まではやや木村九段が指しやすいとの評価でした。
勝負を分けたのは49手目の局面だったようです。
5五角は四方八方に利くいかにも攻防の一着でしたが、ここから永瀬王座の端攻めが厳しかったです。
ここは6六飛車とひとつ引いて、我慢するのが勝ったようです。
局面が好転してからの後手の指し回しは、いかにも永瀬調です。
駒をベタベタ貼り、切り合いには持ち込ませず、自玉の安全を優先してじっくりとリードを広げていきます。
122手まで手数はかかったものの、中盤以降は永瀬王座の完勝だったと思います。
おじさんの挑戦は終わりましたが、またタイトル戦に戻ってくることを期待したいです。

永瀬王座3連覇達成、おめでとうございます!
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