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第6期叡王戦第4局(豊島将之叡王VS藤井聡太二冠)

豊島叡王の1勝2敗で迎えた第4局です。

〔主催者HP〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/

豊島叡王をあらわす言葉として、佐藤紳哉七段がNHK杯のインタビューで語った「序盤、中盤、終盤隙が無いと思うよ」が有名ですが、どちらかというと終盤型かなと思います。
序盤は深く研究しており、知っている局面なら飛ばしていきます。
未知の局面に入ると長考しますが、意外と長考後に局面を損ねることが多いように思います。前局も長考後の切り合いで、形勢を損ねました。
豊島叡王は時間を使い切るタイプなので、最終盤は秒読みになります。
形勢不利でもそこから崩れず、逆転を拾うことケースが多いです。
では早指しが強いのかと言われると、フィッシャールールでは苦戦しており、NHK杯でも優勝経験がありません。
なんとも不思議な感じがしますが、混とんとした終盤における粘りこそ、豊島叡王の強みなのかなもしれません。
叡王戦第2局では、時間切迫の終盤で見事な逆転勝利を挙げました。
さあ、豊島叡王は、混とんとした終盤で強さを見せつけることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/6/eiou202108220101.html

ということで将棋です。
本局は王位戦第4局と続けて相掛かりとなりました。
豊島叡王は王位戦では敗れましたが、先手相掛かりになにか鉱脈を見つけたのかもしれません。
藤井二冠は縦歩取りを採用しますが、豊島叡王は7七金ではなく飛車浮きで対応します。
ひねり飛車模様から8筋が争点となりますが、41手目3分で指された7九金が秘蔵の一手ではないかと思われます。
ここまでの消費時間は豊島叡王が21分、藤井二冠が1時間25分です。豊島叡王のゲームプラン通りに進んでいると思われます。
豊島叡王が始めて長考したのは47手目です。確実に駒得をさかね、リードを確かなものにします。
次の長考は73手目です。優勢な局面から決めに行くかどうかしっかりと読みを入れて、2四歩と利かしを入れます。
無視される可能性もあるので決断ですが、藤井二冠は利かされるのは辛いと無視して攻めかかります。
この後、豊島叡王は長考をしていないので、おそらく読み切りだと思います。
金銀を取られますが飛車を召し取るるのが冷静な手で、その飛車を6一に打ち込まれた時点で藤井二冠は投了しました。

これで2勝2敗のタイとなり、決着はフルセットに持ち込まれました。
最終第5局は9月13日(月)に東京・将棋会館(東京都渋谷区)で行われます!
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