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第6期叡王戦第2局(豊島将之叡王VS藤井聡太二冠) [将棋]

藤井二冠の先勝で迎えた第2局です。

〔主催者HP〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/

叡王戦の主催者は不二家ですが、食品業界が将棋界のスポンサーになるとは思いもよりませんでした。
確かにここ数年、棋士の食事やおやつに注目が集まるようになりました。
ローソンも協賛として顔を出すようになり、食品業界が食い込む下地はありましたが、まさか不二家がくるとは、事前に予想していたファンはほとんどいないと思います。
不二家も東証一部上場の名門企業ですが、売上高としては連結で1000億強、経常利益が10億から30億と、大企業というわけではありません。
それでも、こうして主催者になってくださるということは、他のスポーツやイベントと比べて、将棋のスポンサーは比較的安価ということなのかもしれません。
これからも、様々な分野にスポンサーを広げて欲しいと思います。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/6/eiou202108030101.html

ということで、将棋です。
将棋は角換わりから相早繰銀と比較的ホットな戦型となりました。
王位戦第2局がベースとなっている将棋ですが、33手目で豊島叡王が長考しているので、藤井二冠の32手目で研究から外れたと示唆されます。
研究が進んでいる最新形と考えると、意外と早く研究から外れたイメージです。
手の調子は後手が良いですが、形勢が傾いているわけではありません。AIだと微差ながら先手持ちとでています。
ここから豊島叡王は実戦的に玉を固めますが、AI的にはお気に召さなかったようで、この当たりから藤井ペースになります。
角筋を活かして固めたばかりの先手玉に嫌味を付けると、馬を圧迫します。
豊島叡王は圧迫された馬を思い切って藤井二冠の生角と交換しますが、この手がもったいなかったようで、形勢が藤井二冠に傾きます。
そこから藤井二冠が確実に先手玉を追い詰めていきますが、そこから豊島叡王が粘ります。
時間が切迫する中で相手に楽をさせず、藤井玉に手のかかる状態にしながらチャンスを待ちます。
そのチャンスが訪れたのが117手目でした。
藤井二冠がと金で金を取って戦力を補充しましたが、この瞬間が甘く、たたきの歩から手順に攻め駒を増やし、一気に藤井玉を受けなしまで追い込みます。
まさに一瞬の逆転でした。
藤井二冠も豊富な持ち駒で豊島玉に襲い掛かり、一手でも受け間違えたら再逆転という怖い局面を作ります。
しかし、豊島叡王は最後まで間違えませんでした。
161手まで豊島叡王が逃げ切り、これで1勝1敗となり対戦成績を五分に戻しました。
対藤井戦を3連敗で止めた意味でも、大きな1勝だと思います。

叡王戦第3局は、8月9日(月・祝)愛知県名古屋市「か茂免」で行われます!
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