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第92期ヒューリック杯棋聖戦第1局(藤井棋聖VS渡辺明三冠) [将棋]

渡辺三冠がリベンジマッチに挑みます。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/

タイトル挑戦には何連勝も必要ということもあり、奪取された直後のリベンジマッチというのは例が少ないです。
棋聖戦でリベンジマッチを達成した棋士を挙げると、大山康晴、中原誠、谷川浩司といった時代の覇者となった面々ばかりです。
リベンジマッチというと、第60期王座戦を思い出します。
渡辺明に王座を奪取された羽生善治がすぐにリベンジマッチを達成し、奪い返してそこから5連覇しました。
通算タイトル獲得数を99期まで伸ばせたのは、このリベンジマッチで奪い返したことが大きいと思います。
渡辺三冠と藤井棋聖との番勝負はこれで2度目です。
初顔合わせでは1勝3敗というスコア以上の差を感じたシリーズでしたが、この先を考えると、ここは本気になって取り返しに行くべき局面だと思います。
さあ、渡辺三冠は対藤井戦の秘策を用意できたでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/92/kisei202106060101.html

ということで、将棋です。
いまもっともホットな戦型である相掛かりへと進みます。
渡辺名人というと作戦家で、事前に綿密な準備をして対局にいどみます。対局前のインタビューからも、藤井棋聖とのタイトル戦に大きな決意を持っていることは明らかです。
お互いの主張がぶつかり合う展開になりますが、59手目の段階まで渡辺名人の消費時間は1時間、藤井棋聖は2時間21分とこの辺りまで想定局面ではないかと思われます。
渡辺名人も局後に午後すぐあたりまで想定してたことを語っています。
ただ、AIだとここ数手の手の評判が悪く、評価値が藤井棋聖側に振れ始めます。
渡辺棋聖が初めて長考したのは、61手目です。
1時間20分の長考の末に、藤井棋聖の手裏剣、8二歩を無視して踏み込みますが、おそらくこの局面で思わしくないことに気が付いたのではないかと思われます。
この時点で「局面と時間をリードして終盤を迎える」という渡辺名人のゲームプランは崩壊していたのかもしれません。
さらに藤井棋聖の66手目の遊んでいる桂馬をぶつける3三桂が好手で、一見すると後手は危険そうですが、まだ安全だと見切っている藤井棋聖の終盤力が光ります。
以降は自玉を安全にして勝ち切る劇辛流の指し手で、90手まで藤井棋聖がまずは先勝しました。
作戦家である渡辺名人にとって、先手番を落としたのは痛いです。

第2局は6月18日(金)兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で行われます!
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